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もうひとつの変化

もうひとつのわたしの変化は、

娘が無事に出産した(出産できた)
ことです。

つまり、初孫を迎え
おばあちゃんになりました。

そして、自分がこどもを産み、
夢中で育てた30数年前を

思い出す機会が増えています。


昨年の早春、
下の娘は6か月で流産してしまいました。
(このメルマガでも
その時のことを報告いたしました。)

そのため、わたしも、もちろん娘も、
悲しいつらい時を過ごしました。

そのお産もわたしがとりあげたので、
静かな夜に、
生きて産まれることができなかった赤ちゃんに、

小さな服を着せて
そっと見送った記憶を持ち続けています。

おそらく娘も、
その小さな亡き骸を何度も思い出していたと思います。

それでも、
次は頑張るんだ、ちゃんと産むんだ、
という激しい覚悟のようなものが娘にはできていました。


そう、この子(次女)は、産まれたときから
激しい意志のようなものを持っていました。

おっぱいを吸いながら、

気に入らないと私の顔を
キッと睨みつけることがありました。

それが、思春期では手に負えない
(と周囲に思われるような)行動になりましたし、

学校も何度もやめ、
とうとう定時制高校に行くことになり、

しかし最終学年になって医学部受験を言い出す、
といったことをしました。

激しい気持ちがあるけれど、

それが日本の「普通」とは
完全に違う言動になっていました。

見た目は完全にヤンキー姉ちゃんになり、
反抗的な態度でいつも周囲を睨みつけていました。


私も夫も、

うーむ、どうしよう。
ま、なるようになるか。

というあきらめと見守りを
続けるしかありませんでした。


その中で、オーストラリアに数週間
ホームステイにやったのが転機になりました。

世界の学校や子どもたちは本当に多様です。
それをじかに見て、娘は世界観を変えました。


で、今回はなんとか無事に満期まで行って、
出産することになったのですが、

最後まで逆子が治らず、
帝王切開の方針になりました。

わたしが執刀することになり
(次の子は、ちゃんと生まれてくるまで
ママがまた面倒みてあげるから頑張ろうね!
と娘に約束したので)

8月1日の出産予定の日を迎えました。


前日の夜は、いろいろシュミレーションして備えました。

まるで研修医のように、イメージでお腹を切って、
子宮を露出して、膀胱を剥離して、メスで切開して・・
と繰り返しました。


普通なら頭が出てくるところ、この子はお尻です。

第二骨盤位だから、お尻をだすには
こっち側の鼠径部に指をかけて・・
最後に頭を出すところは・・
赤ん坊の顔を拭いて、口腔内を吸引して、

「はい、おめでとう!」とイメージします。


じっさいには、
東峯クリニックの松峯院長、白井医師とわたしで、

オペが始まる前に
「ゆっくり出そうね」
「あたまはわたしがお腹のうえをぐっと押すから」
「どうしても出にくかったら麻酔係の白井先生も、
手袋はめてね(手術に手を貸してという意味)」
「医師が3人いるから、何があっても大丈夫よね」と言い合い、

まるで研修医チームのように、
何度もシュミレーションしてオペに臨みました。


ふだん、私たちは、オペの前に、
ああして、こうしてという心の予習は口に出しません。

しかし今回は、昨年のことを皆が知っており
「なんとか無事に」という思いを皆が共有しています。

大ベテランが揃ってまるで初心者のように
声をかけあいながらオペに臨むということになりました。


生まれたのは、3500g以上の元気な女の子でした。

初日から目があいて、左
の口元をふっと緩ませ、笑っていました。

綾乃ちゃんと名付けられました。


「先生、おばあちゃんになった感想は?」
「初孫、どうですか、可愛い?」といろいろな人に聞かれます。

でも、わたしが感じているのは、娘への祝福と、
「無事に生まれてよかった、よく頑張ったね!」という安堵、賞賛です。


赤ちゃんは、元気に生まれてきてくれて、
親を安心させ、周囲をほっとさせるだけで素晴らしいです。

もし障害をもっていても、

それが親を鍛え、親に、
親であることの意義を感じさせます。


産婦人科医になって、現場をずっとやってきて、
娘も、孫も、出産の面倒をみることができて

本当によかったと感じています。


これから、ばあばとして、わたしでも
いっぱしのことができるのか不安ではありますが。

今のところ娘と娘の夫が
「ふたりで頑張ってみます」と宣言しているので、

わたしは相変わらず見守るだけです。

無事に産まれてきてくれてありがとう。
頑張って産んで、えらかったね!


* * * * *

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