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差し入れとホームレスと豊かさの話。

差し入れとは本当にありがたいもので、気持ちもお腹も満たされて、現場でみんなで同じものを食べると士気も上がるし、大前提として本当にありがたいしかない。

でも、賞味期限の早いものをどうしてもその場の全員で全部食べきれないときがある。基本的にみなライブの日は荷物も多いので持ち運べないこともある。頂いたものを食べきれずに捨てざるを得ないとき、すごく心が痛む、なんとかしたい、という話を夫にしたら、「ホームレスの人にあげたらいいよ」と言われて、その発想は無かったのでとても感心した。

ちなみに夫は昔からよくやってたらしく、敬意を払って渡せばプライドなどから怒る人はまず居ないとのこと。確かに私が逆の立場なら、差し入れは大体ハレの日のご馳走的なものが多いし、滅多に食べられないものを素直に「食べきれないので良かったらいかがですか」と渡されたら、食うに困る日々の中、素直にありがたいと感じると思う。

いつだかのクリスマスに夫が、寒空の下寝ているホームレスのおじちゃんの枕元に「クリスマスプレゼントやで」とタバコを数本置いたことがあった。これが本当のサンタさんだ、サンタさんはいたんだ、と思った。

自分が持ちきれないもの、余っているもの、余裕のあるものを、それが足りない人に当たり前に分け与えることって、モノだけじゃなく、心も同じだ。欲しがるよりあげることを考えるって、けして豊かな人だけの特権ではない。むしろ、あげることを当たり前にできる人はお金が有ろうと無かろうと豊かだし、与えることで循環する愛情はより人を豊かにする。

たとえば私は逆にホームレスの人に、愛情をもらったことがある。雨の中、色々あってハチ公前で泣きながら濡れそぼっていたら、「お姉ちゃんこれ使いなよ」と傘をくれたのだ。私が余計に泣いてしまったことは言うまでもないね!笑

少し話が逸れたけど、私はやっぱり食べ物を捨てるのが嫌なので、捨てないで済む方法をこれからも考えていきたいなと思った。海外では賞味期限切れのものを扱う店などが出来ているんだよね。日本はまだまだフードロスの意識が低いけど、「いただきます」「ごちそうさま」と言う世界でも稀な言葉が生まれた日本は本来的に食への敬意はとても強い国だと思うんだ。食への感謝って、命や生きることへのリスペクトだから、その意識は人生観にとても影響があると思うんだよね。

明日も朝ごはんが、楽しみだなあ。

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