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歴代バイトワースト1位の私

自分のできないところに気づいて、傷つく。
バイトに行ったら、いつも落ち込んで帰る。

大学生になってアルバイトを始めた。
回らない寿司屋のバイトをしている。

大将とバイトの2人態勢でお店を回していて、
バイトが寿司を握る訳じゃない。
仕事内容は、バイトができるレベルのこと。
ぽんこつな私を除いて。

大将から、歴代バイトのなかでワースト1位の称号を頂いた。
なんと不名誉。

何ができないかと聞かれれば、全部。
人として当たり前のこと、「そんなこともできないのか」と言われる。
「自分ってこんなにできない子だったんだ」って気づく。

でも、落ち込むために注意されるのではないのだ。
できるようになるために、注意されている。
そこを忘れちゃいけない。

大将はパワハラ大将ではなくて、私ができないことがあれば見捨てずに教えてくれると約束してくれた。私は、経験値が人よりもずっと少ない。
できるようになるにも、人より何倍も時間と手間がいる。

バイト中は、メモ紙とボールペンをエプロンのポケットに入れている。
バイトを始めて、9カ月。
「同じ間違いを2度しないように」
基本はこれだが、同じ間違いを数えきれないほどするので
メモ紙というよりは、気を付けることを書いた紙という感じ。
頭が真っ白でパニックになるときがあるから、これを1枚ポケットに入れておけば少しは安心。で、書き足したいことがあったら、都度手が空いた時に書き足していく。

普通のバイト先だったら、9カ月もして初心者マークが取れないバイトはクビになるだろう。ミスだらけの人を雇うより、別の人を雇った方がずっといいはず。
大将もそう思うし、私もそう思う。

だけど、まだ仕事を与えてもらえている。その環境に感謝して、もっとできるようになるために人一倍努力するんだ。

できないことが、こんなにあるってビックリした。
悲しくなる。だけど、私は変われると信じている。
大きくは変わらないかもしれない。限界があるのかもしれない。
つらい。涙が出る。

前向きな気持ちと悲しい気持ちが共生していて、理屈だけじゃないみたい。
私の知らなかった私が見えてくる。私の知らなかった私を教えてくれる人がいる。未熟で、短所ばかり。長所が見つかるのは、だいぶ後になりそうだ。

人より3年くらい後ろを生きている大学1年生。

歴代バイトワースト1位の私。

おおきくなあれ。


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