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鷗軍不定点観測【15】

5月13日(金)vs. オリックス @京セラD大阪
[勝]佐々木朗[S]ゲレーロ ○4-1 [敗]田嶋

18時前に先方からメールと電話があった。昨日の契約書の修正指示。たいした手直しはなかった。「請求」が含まれた文章はもう一度すべて見直した。

髙部が躍動した。2安打2四球3盗塁。本塁を3度踏んだ。
ユニホームの胸から下は土で汚れ、左膝には穴が開いた。
今夜がZOZOマリンだったら、佐々木朗と並んでお立ち台に呼ばれていただろう。
実際には1人で受けたインタビューで、佐々木は髙部を讃えた。

髙部を生かしたのは中村奨だった。盗塁をフォローし、自身のカウントが制限される中で、四球を選んで中軸へ繋ぎ、或いは自分で適時打を放った。三回表の右翼線ぎりぎりの安打は曲芸だった。本人は内角球をファウルにするつもりだったのだろうか。

3番佐藤都の2つの犠打(送りバントとスクイズ)が効いた。八回表は高部四球、二盗、中村奨の遊ゴロで三進、スクイズだったから、無安打での得点だった。
あの頃の阪急みたいだ(福本が四球を選んで盗塁、大橋が送って加藤英が犠飛)。

4番のレアードは初回の犠飛と、スクイズのあとのソロ本塁打で2打点を稼いだ。打球に本来の伸びが戻ってきたように思う。

得点に絡んだのはこの4人だけだった。
田嶋も悪くなかったのだ。5番以降は抑えた。

佐々木朗は七回86球で被安打6、奪三振7。無四球なのがよかった。
三回裏の失点は池田陵真の中前打からだった。あの大阪桐蔭の子がもう一軍に上がったのか。

松川の見逃し三振の仕方。どちらとも言える外角低めをストライクコールされた。言葉を飲み込んで、主審と一瞬目を合わせた。怒るでもなく、意義を唱えるでもなく。あそこは今日採ってくれるのですね?承知しました。佐々木の時もよろしくお願いします。饒舌な目をしていた。

三木が久しぶりに姿を見せた。2失策した5月1日以来だ。送りバントを2つ、きっちり決めた。

マリーンズ5安打、バファローズ8安打。
マリーンズ6四球、バファローズ無四球。

5月14日(土)vs. オリックス @京セラD大阪
[敗]佐藤奨 ●0-1 [勝]山本[S]平野

佐々木朗の翌日に佐藤奨。球速差30km/hのローテーションには夢が詰まっている。

立上がり、福田が右中間二塁打、宗が中前打。岡がファンブルしてしまい福田が生還した。8球で1失点。
内野手がマウンドに集まる。佐藤奨は落ち着いて見えた。笑みさえ浮かべている。
六回90球でマウンドを降りるまで、打たれたのは結局この2安打だった。1死から杉本に死球を与えた四回も4-6-3の併殺で凌いだ。

「奥行き」。佐藤自身が好んで口にする。左右だけではなく、前後も使う立体的な緩急をしっかり使えていた。140km/h弱の直球で、前日160km/hをミートしていた打者を詰まらせた。

山本は調子がそれほど良くなかったのか、ある程度抜いていたのかわからなかった。与四球3、というのは、彼にとっては多い方ではないだろうか。
八回まで投げた中で、3者凡退は3度だけだった。得点圏に3度、走者を背負った。マリーンズのほうが押しているように見えたが、山本にとっては想定内だったのかもしれない。
八回裏。1死一、三塁で佐藤都のゴロが二塁手の真正面に飛んだのは、偶然には見えなかった。

九回裏。マリーンズは平野佳から、マーティンと山口が四球を選んだ。平野が操るフォークボールを見切っていた。
2死一、三塁でエチェバリアのカウントが3-2になった。7球目の外角低めの直球も自信を持って見送った。僕も低いと思った。

ほんの一瞬躊躇したあと、主審はストライクを告げた。クールなエチェバリアが激昂している。主審はどうしてそんなに怒るんだよ?というように首をひねりながらバックネットへ戻る。
井口監督が詰め寄る。目が怒りで吊り上がっているように見える。珍しいな、と思った。エチェバリアの気持ちを慮っての監督の行動だろうが、それにしても。
森脇コーチが間に入った。井口が主審を指さしてまた何か言ったと思う。マスクを着けていてよくわからない。井口の退場が宣告された。
普段は温和なタイプが多いマリーンズのベンチにも憤懣が満ちている。

明日以降につながるかな。熾火がずっと残ればいいと思う。

5月15日(日)vs. オリックス @京セラD大阪
[敗]ロメロ ●5-8 [勝]宮城[S]本田

今日は終日電車で移動だ。10時から越谷、15時から小石川で契約がある。
越谷を終えて、早めに都内に出ようと思った。水道橋駅は混みそうだからJRは使いたくなかった。神保町から歩こう。久しぶりに本屋を覗きたいし。

岩波ビルから地上に出た。三幸園に行列ができている。文銭堂もキッチン南海も閉まっている。今日は日曜日なのだ。
三省堂の閉店を確かめた。書泉グランデは僕の知っている書泉グランデではなかった。古本屋を物色してから白山通りを水道橋方面に歩く。結構な人出だ。ランナーとすれ違う。皇居に向かうのかな。
北京亭は昔のままだった。透明な衝立が増えただけだ。酢豚の定食を頼んだ。カウンターに座っていると調理の火で前髪が燃えそうだ。酢豚はやはり美味かった。餃子も頼みたいところだが、このあと契約だ。

東京ドームのすぐ近くに、2003年まで勤めていた印刷会社がある。久しぶりに足を運んだ。会社はまだそこにあった。ひっそりとしている。社有車が新しかった。

壱岐坂下の交差点は野球を観にきた人々とドームシティに遊びにきた人々で溢れていた。春日町駅近くのヴェローチェに入る。簡単な仕事を片付けて、契約まで試合を観ようと思った。

ヴェローチェのWi-Fiが重くて使い物にならない。
『レアード退場…』と妻からLINEが入った。「パTV」をあきらめて「速報」に切り替えているときだった。
退場?主審を確認すると白井氏だった。昨日のこともある。

ロメロは制球が悪かった。2四球で初回から満塁を背負う。二回裏は連打で2点を先制された。

宮城に対して全く手が出ない、という感じではなかった。特に三回表は先頭の岡が三塁打だ。安田どうする?更新に時間を要したあと、「投ゴロ」に唖然とした。
五回表。山口、岡の連打、エチェバリアの二塁打で1点。髙部、中村奨の打球が続けて野選を誘い、さらに2点を取って逆転した。

時間だ。

契約を終えて「速報」を開くと、六回裏が終わっていた。3-8に再逆転されている。今日もロメロは勝てないのか…。「生涯マリーンズ」が現実になりますように。

あっさりと敗けなくなった。
マーティンには復活の兆しが見えると思う。
中村奨にも当たりが戻ってきた。

ファイターズと1ゲーム差だ。

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