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演技講座、戯曲講座終わりました。

代表です。

前回の記事で募集が始まりました〜と言っていた演技講座、戯曲講座。演技講座が想定を超える多くの受講申し込みをいただき、水曜日も日曜日もすぐに定員になってしまった為、急遽火曜日クラスを増設しました。これで演技講座3クラス戯曲講座2クラスの合計5クラスで、2021年度の演劇研究講座を開講することとなりました。段々専門学校のようになってくるなあ。

戯曲講座はまだまだ定員に余裕があります。この度新しく始まる「経験者クラス」へのお申し込みを特にお待ちしています。自分が経験者に当てはまるかどうかわからない、という方はメールでご相談ください。もしこれまでに書いた戯曲があればそちらを添付していただければ、弦巻が読んでご判断いたします。

弦巻楽団演劇研究講座の2020年度の活動が先日締めくくりを迎えました。
演技講座は3月28日に3チームによる成果発表公演が、戯曲講座は3月27日に受講生が書き上げた戯曲をリーディングする会が設けられ、どちらも無事に終了しました。

戯曲講座は二人の受講生が後期に完成させた二本の短編戯曲を、劇団員と演技講座生、過去の戯曲講座のOGによってリーディングしました。

役者がそれぞれの登場人物を担当し「声」にしたことで、自分の劇空間を初めて目の当たりにした受講生がいました。書いていた時は冗長に感じられて心配だったやりとりが、人間同士の間になると自然に感じられることに驚いていました。

声に出しただけで戯曲の持つ情報量はぐんと増えます。見えてなかったことが見えてきます。文字では気になった点も、気にならなくなります。反対に目につく箇所も出てきます。

講座としては終わりですが、受講生が次に作品を書くときに、この経験が役に立つといいなと思います。

演技講座は怒涛の2時間半を超える3本立ての発表会となりました。

相馬日奈作による「デスティニー・ベル」(50分)
中島らも作「こどもの一生」(70分)
三浦直之作「校舎、ナイトクルージング」(40分)

5分ほどの転換を2度挟み、換気しながらの発表会でした。
親族や関係者のみを招いた限定20席の公演でしたが、やはり観客の目の前で演じる経験は本番当日、彼らを成長させたようでした。

一昨年、その前から講座に関わっていた観客には、ずっとこの講座で演劇を続けているメンバーの成長が感じられたようです。

今回、1月から作品に取り組むにあたって、スタニスラフスキーのアプローチを取り入れました。と言っても特にこれまでと変わりはありません。より自覚的に役作りに取り組もうというだけです。ただ、作った情報をどう血肉化するか、そこを慎重に伝えたつもりです。正直3割くらいしか準備してたアプローチに取り組めなかったのですが、それでも講座歴の長い人間には変化が現れました。当人に自覚があるかは分かりません。でも明らかに生活人としての存在感が増してました。舞台の上でしか見ない演劇人がそこにいるのではなく、日常生活を営んでいる登場人物がそこにいる。戯曲は全く毛色が違うのに、3本全ての作品にそれはちゃんと表れました。

劇場上演はできなくても公演をすること、作品作りは諦めたくない!と始めた「3作品体制(3チーム体制)」でしたが、想像を遥かに超えるカオスでした。発表会もカオスでしたが、制作進行もカオスでした。自分の判断が遅かったな…と反省するのは、受講生の自主性を尊重しようと決定を曖昧にし、逆に混乱させてしまったことです。これは(前回の日記で書いたように)共同作業が演技講座では大事なテーマだからです。成功するにせよ失敗するにせよ受講生同士で話し合い、決断し、取り組む。その機会を与えることを大事にしてきたからです。しかし今回は大枠がフリー過ぎて、作業の範囲が広大になり霧の中に放置してしまった気がしています。難しい点です。

受講生みんなは前向きに創作に打ち込んでくれました。
大丈夫かな…と心配してたら踊りを最後に増やしたいと言い出すチームがあったり、各チーム小道具の制作に意地を(?)張り合ったり、あのチームには負けたくないと対抗心を燃やしたり、知らないうちに舞台美術に掃除道具入れのロッカーがあったり、少なからず心地良いカオスがありました。

完全に稽古期間も重ならないで活動していたのでお互いの作品を見たのは発表公演当日でした。講座生同士はとても仲が良いように見えるので、自分はてっきり色んな情報をやりとりしているもんだと考えていました。全然そんなことはなかったようでした。久しぶりに会う別チームの受講生達の活躍に驚いているようでした。

今年度はスタートからオンラインで、なかなか同じ空間で活動できなくてどうなることかと思いましたが、終わってみれば一人一人の成長は例年以上に感じられた気がします。個別に相対する時間が多かったからそう感じてるだけかもしれません。

5段階評価も項目別の評価基準(発声・身体・読解力…云々)もなく、曖昧な「芝居作り」を通して演技に触れる場所、に過ぎないこの講座は、脆いと言えば脆いし、結果と効果の相関が重んじられる現代においてアピールの弱さも甚だしいです。

この春で講座を卒業しようと考えてます、と明言する受講生も現れました。芝居作りはこれからも一緒に行うのですが、その言葉にうむうむと頷く自分がいました。

考えてみれば8年です。弦巻楽団以前に活動していた劇団時代と同じ年数講座を続けたことになります。
その他にも、かつての講座生達の多くがこの春は就職や学校の卒業など節目を迎えており、札幌を離れる人間も多くいます。
と同時にまた講座を受けたいと申し込んでくれた人間もいます。

一つ言えるのは、講座を始めなければ会えなかった人達とずいぶん会ってきたということです。演劇の世界だけでは出会えなかったタイプの人間ともずいぶん出会いました。多分受講生にとっても、弦巻楽団演技講座に通わなければ出会うことのなかったタイプの人間と多く関わってきたことでしょう。中学生と40代のおじさんが一緒に、対等に(!)ものづくりする現場なんてそうそうありません。演劇の最大の強みとも言えます。

次年度もなかなか厳しそうですが、弦巻楽団はしぶとく活動を続けていきます。演劇を創作したい人にとって必要な場として、演劇を楽しみたい人にとって創作を提供する団体として、変わらずチャレンジして参ります。

弦巻楽団の2021年度の活動予定は現在最終調整に入ってます。さまざまな関連や関係各所との兼ね合いで情報公開が遅れているところです。
そんな中、昨年上演したあの作品の再演が決まりました。

#36 1/2『出停記念日』
7月31日、8月1日 銘苅ベース(沖縄)
8月中旬(調整中) サンピアザ劇場(札幌)

昨年クラウドファンディングも行い、たくさんの方にご支援いただいたあの作品が帰ってきます。クラウドファンディングのストレッチゴール達成の約束を敢行すべく、沖縄公演、道内地方公演、また札幌公演では中高生無料ステージを行う予定です。英語字幕付きの動画の配信ももう間も無く始まります。

秋には昨年惜しくも札幌劇場祭大賞を逃したコラボレーション企画「弦巻楽団 × 北海道大学CoSTEP」による作品作りが行われます。今はタイトル未定ですが、これまで二度のコラボレーションとはまた違った、映像での作品創作となります。…だったのですが、観客を交えての上演もやはり行いたい!とこちらも調整中です。11月上旬に上演を行う想定で動いています。

11月下旬には、また新たな企画で札幌劇場祭に参加をする予定です。こちらの詳細もお待ちください。

そして、来年(鬼が笑う「がーはっはっは」)の2月には、#37 として弦巻楽団屈指の代表作が帰ってきます。そう、『必ず、帰ってくる』。こちらもたくさん驚かせる & 楽しませる企画を練っております。乞うご期待。(弦巻啓太)

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