見出し画像

ある日、推しができて

時を戻そう。
2022年6月。自分は函館のホテルにいた。
目の前にはアプリをダウンロードしたiPad。人生でしばらく感じていないレベルの緊張に包まれていた。なぜか。
これから日向坂46、7thシングル『僕なんか』購入特典ミートアンドグリード、通称ミーグリが始まろうとしていた。ミーグリ、一言でいえば「オンライン握手会」である。モニター越しに直接言葉を交わせるのだ。指が震える。喉が渇く。冷や汗が出る。ああ。ついに。

こんにちは。代表の弦巻です。
この文章は昨年8月に書いた『ある日、推しができた』の続編である。
演劇とは全く関係ない話題です。いや、本当は少しだけ関係してるんですが。地球上のどこかには共感してくれる人がいるやも知れぬ、と、こうして10ヶ月ぶりに稿を重ねてます。いえ、色々あり過ぎて書かないことには収まりがつかない、というのが正直な気持ちです。
実は12月に投稿しよう、2月に、いや4月にこそ、と意欲だけが燻り続け、途中まで書いては待機させられていた文章になります。
なので箇所箇所で文章のテンションが上がり下がりし、口調も変わるかもしれませんが、どうかご容赦下さい。
今は2023年6月29日。6日に誕生日を迎え47歳になりました。『46』の冠も取れたことだし(?)、えいやっと投稿します。

2022年3月、突如として目覚め、夢中になった人生初の“推し”。

日向坂46

当時22名だったこのアイドルグループにある日、唐突に心を掴まれ、彼女達の活動を調べ追いかける日々が始まった。

2022年4月。まだファンになって一月も経っていなかった頃。見つけられる映像素材は片っ端からチェックし、過去のブログや活動履歴を追い、メンバーそれぞれの魅力を知っていった。
最も魅力を感じていたのは彼女達の『関係性』だった。全員だからこそ立ち現れるグルーヴ、一人一人の個性。上辺だけとは思えない仲の良さ。「仲の良さ」という言葉が嘘くさいなら協調性と言っても良い。
それは2022年4月の時点で約2年、メンバーが一人も卒業することなく活動していた点が立証していた。活動を離脱し休養するメンバーも戻ってくる。その集団としてのしなやかさが醸し出すエネルギーが一番の魅力だった。なので、それがずっと続くと思っていた。
その矢先。

二期生の渡邉美穂の卒業が発表された。腰が抜けた。ずっと追いかけてきたファンなら気づく予兆があったのかもしれない。日の浅い自分には青天の霹靂だった。そんな馬鹿な。よりによってべみほ(渡邉美穂)が。
ファン歴一ヶ月の自分でも分かるくらい渡邉美穂はグループの要だった。
特攻隊長であり、殿(しんがり)であり、一期生と二期生をつなぐ架け橋であり、冠番組『日向坂で会いましょう』ではオードリーとグループを馴染ませる緩衝材にもなっていた。あるときは彼女が切り開き、ある時は最後まで残ることで、メンバー全員が伸び伸び動き回れるスペースが生まれていた。
日向坂46のメンバーはとても明るいが、実際は人見知りなメンバーが多いらしい。メンバー以外の芸能人と絡む局面を見ていると(オードリーは別格として)それも納得がいく。
そんな時に積極的に飛び込むのはリーダーの佐々木久美か、みほちー(渡邉美穂)だった。人身御供というと大袈裟か、そこにはメンバーのために責任感を持って仕掛ける姿がいつもあった。自分が先陣を切ることでグループと共演者の距離感を測る、そんな存在だった。
その彼女の卒業。渡邉美穂の活動は『僕なんか』のプロモーション期間まで、という発表が出た。

『僕なんか』には『飛行機雲ができる理由』という曲が収録されている。
この曲のPVは卒業する渡邉美穂に向けたメッセージになっている。ファンによって詳しく解説され尽くしたPVだが、自分でも気づく箇所がいくつかあったので改めて語りたい。
渡邉美穂だけではなく、グループ全体への愛に満ちたPVである。

自分の心に残ったポイント。

①冒頭、復帰したばかりの小坂菜緒が渡邉美穂の写真を撮る場面からスタート。70年代風の寮生活を描いている
②取り壊される設定のその寮の名前が『陽だまり寮』。渡邉美穂の写真集の名前が『ひだまり』である。
③全員によるダンスシーンのラストポーズが「み」の形を模している?
④2番のサビが始まる箇所で渡邉美穂が踊り始め、それが全体に広がる。
⑤最後の全体写真、右側が三人分空いている。(2022年3月時点で日向坂から卒業したメンバーは「長濱ねる」「柿崎芽実」「井口眞緒」の三人)

グループをよく知る方なら落涙必至の素敵なPVである。

日向坂46の魅力を「明るい」「いつも楽しそう」と評する言葉がある。自分もそう思う。そこには貴重な自発性の『楽しさ』がある。
『飛行機雲ができる理由』の中で最も好きな瞬間は2:45のところで、
『陽だまり寮』お別れパーティーの飾りつけ中に加藤史帆が見せる風船パンチ(?)だ。満面の笑みで風船をアタックする彼女。素晴らしい瞬間だ。決められた振り付けだったら凄い。「楽しそう」な演技をしようとするだけではなかなか出てこないアクション。
「楽しそう」にするのではなく「楽しむ」。
そのために必要な、ハプニングになるかもしれない予測できないアクションにトライし、自分を刺激すること。同時に相手の感性に揺さぶりをかけること。それが本能的に現れている一場面である。揺らぐことによって(予測不可能性を取り入れることで)段取りじゃ無い感情が生まれる。自発性の『楽しさ』。ああ、ここでも加藤史帆なのである。惚れ惚れしてしまう。

④は、誰もが日向坂46における渡邉美穂を象徴する1シーンだと感じただろう。おひさま(日向坂46ファンの総称)だけではなく、メンバー自信もそう思っていたようだ。

昨年の活動の中ですっかり一皮剥けた(剥がれた?)、「激ヤバさん」の冠もすっかり定着した三期生・森本茉莉。旺盛なサービス精神からくる奇行や言動が魅力の彼女だが、自分は彼女を『日向坂1文才のあるメンバー』だと思っている。
彼女のブログを読んでみて欲しい。日本語の使い方が巧み、高尚、というのでは無い。しかしありふれた単語で彼女でしか書けない文体を既に持っている。
2022年4月7日の彼女の投稿は渡邉美穂の卒業について触れている。
この時期ほぼ全てのメンバーが彼女の卒業について触れ、送り出すエールと埋まらない悲しみを綴っていた。
そのブログで、森本茉莉は渡邉美穂を周囲の人間がしんどい時に笑顔を与える存在だったと書いている。


「一気にパッと色がつくあの感じが凄く好きでした。」


なんでも無い文章に思える。しかしこれほど簡潔で具体的な言葉はなかなか生まれない。
彼女の正直な実感が伝わってくる。そして、渡邉美穂の魅力を端的に表している。
一気にパッと色がつくあの感じが凄く好きでした。
渡邉美穂をずっと応援していた全てのファンが深く頷くだろう。
そんな瞬間がまさに④である。『飛行機雲~』のPVについて書いた文章では無いが、普段からきっとそうだったのだろう、と胸を打つ名文である。


ミホワタナベ(渡邉美穂)は『僕なんか』のプロモーション期間を目一杯活動し、女優への道に進むべく卒業していった。
卒業セレモニーが6月に開催された。
涙無くしては見れない場面ばかりだった。自分でさえこうなんだから、彼女のデビューから追ってきたファンはどうなってしまうのかと心配になった。ミニコーナーも挟みつつ、あまり湿っぽくならないように進行されるのがなお切なかった。
ファンになってから体調的な事情でフル参加を見たことのなかった渡邉と同期の二期生、宮田愛萌が全面的に参加しており、彼女のアイドルとしてのキレ・アクションに初めて触れ、その魅力に感動した。
『誰跳べ』の煽りのサプライズでは(嗚咽で)声が出そうになった。


終盤、卒業する渡邉美穂に二期生からの更なるサプライズとして、富田鈴花のピアノによる『君のため何ができるだろう』が披露された。出てきただけで泣きそうだったすーじー(富田鈴花)によって奏でられたピアノは時間を慈しむようだった。

渡邉美穂は『日向坂で会いましょう』の中で「笑っていてもすぐに真顔になる」と指摘されるほど切り替えが早い。もちろんそれも責任感だろう。バスケ部のキャプテンだったというだけあって、その場で必要な動き、次への対処が的確で機敏である。なのでバラエティ番組の中で爆笑していても、度々スッと切り替える姿が映し出されている。

『飛行機雲ができる理由』の心に残るポイント⑥。
ラスト、記念写真の撮影が終わった後、みんなのリラックスした様子が映し出されてPVは終わる。そんな瞬間でさえ、おそらくカメラのこちら側にいたであろうスタッフの動きに反応し、誰よりも早くスッと切り替えている渡邉の姿が写っている。
渡邉美穂らしさが溢れるあの終幕が自分はとても好きだ。


しかし、そんな彼女が切り替えることなく笑い続けてる時もある。
責任感から解放され、ただただ笑っている。心を許して。無防備に大きく全身で。
それは大抵、富田鈴花が何かやらかしている瞬間だった。


当初パリピを自称し、積極的にボケていくがいまいち決まらない(?)ことから『負け』というフレーズがつきまとう彼女。その打算のない(だからこそ決まらない)純粋な積極性、空回りを恐れず努力する愚直さ、そんなすーじー(富田鈴花)の行動に対しては、リミットをかけることなく渡邉美穂は笑っていた。
ある意味すーじーも渡邉美穂の捲り力とでも言おうか、最後には場をなんとかする力に勇気をもらっていたのだろうし、渡邉もすーじーの果敢な姿勢に勇気を感じていたのだろう。
お互いがあれば、無防備になれる二人の関係性。

すーじーのピアノによる『君のため何ができるだろう』は本当に素晴らしかった。

結果としてだが、この後同じ二期生の宮田愛萌が卒業を発表する。この時のライブが彼女がフル参加する最後のライブとなった。

『僕なんか』には『飛行機雲~』以外にも収録曲がある。
選抜ユニットなど、メンバーを振り分けた様々なチームの個性に合わせた楽曲が、シングルにはいつも収録される。今回は「期別曲」と呼ばれる一期生、二期生、三期生それぞれによる曲が収録された。これはこれでファンの支持が高いグループ分けである。そのくらい日向坂は加入期ごとの個性や一体感が違う。

一期生『真夜中の懺悔大会』
二期生『恋する魚は空を飛ぶ』
三期生『ゴーフルと君』

どれも特筆すべき曲だ。二期生曲は卒業する渡邉美穂をセンターに据えた、彼女たちの激しさを象徴するようなクールな曲だった。
『ゴーフルと君』のアイドルソング的ポップさも素晴らしい。
だが何より心に残るのは変態的な(?)ポップソング『真夜中の懺悔大会』である。これがこんなにポップに響くのは日向坂46のオリジン、一期生以外ありえないだろうという楽曲。
更にこれまで前面に立つことの少なかった潮紗理菜をセンターに、高瀬愛奈、影山優佳がサイドを固める布陣に胸が熱くなる。
日向坂のライヴを見ていると、一期生の明るさ、安定感が全体の魅力を支えているのがよく分かる。何をしていても楽しそうにこなす(?)佐々木美玲や高本彩花はもちろん、いつも平常心のように上機嫌にファンを受け止める高瀬愛奈、ピンポイントの抜きにバチバチ打ち返す影山優佳、彼女たちの佇まいがライヴの自由な空気を形作っている。
『真夜中の懺悔大会』は個人的に表題含めて日向坂46の2022年リリース楽曲の中で、最も好きな楽曲だ。


少し時を戻そう。そして話も冒頭に戻そう。
2022年6月中旬。
函館のホテルの一室。人生で初めてアイドルの(オンライン)イベントに参加しようとしている自分の話だ。緊張で震えている。いや、強張って固まっている。

知らない方のために解説しよう。


※『ミーグリ』とは。


オンラインにおける握手会である。もちろん握手はできないが、画面を通してメンバーとお話ができるイベントである。
これはシングルCD購入者への特典である。かつての握手会はどうだったのか知らないが、現在のミーグリのシステムは申し込んでから購入するシステムである。想像ではアイドルのCD購入特典による握手会というものはCDの購入→応募→当落発表、だと思っていた。なのでたくさん買っても全然当たらない。そう思っていた。このミーグリも同じシステムなら参加を見送ろうと思っていた。
だが違った。まず事前に応募し「当たった分だけ」購入すれば良いということだった。

手順としては

①ミーグリの日程が発表される。1日に6回(6部)開催され、それが間隔をあけて6日(6回)くらい行われる。
②基本全メンバーがミーグリに参加する。
③参加したいメンバーのどの日程のどの部を希望するかネットに入力し申し込む(一人のメンバーの一部に対して最大3枚分申し込める。一度の申し込みで合計45枚が限度である)。
④申し込みは1次2次3次と抽選が行われる。外れることもある。
⑤その部が満席になってなければ、次の抽選でも再度申し込める。なので累積して同じ部で4枚分以上の当選も可能。

ご理解いただけるであろうか?強者は応募が実施されるたびに最大限度の45枚をベットし続ける訳だ。ただ日向坂のミーグリ完売率は異常に高く、あっという間に全てのメンバーが満席(完売)になってしまう。これは他のアイドルグループと比べても突出している。


…さて、ここで肝心の「1枚」とはどういうことかである。1枚はもちろんCD1枚分という意味である。1枚の当選でメンバーとのお話できる時間1枚分が当たった、ということだ。
では実際に(オンラインで)お話できる時間、CD1枚分は具体的にはどのくらいなのか?
どのくらいと思われるだろう。
1分?ノンノン。自分も最初はそう思っていた。浅はかにも。


10秒である。


もう一度言おう。


10秒である。


CD1枚で10秒である。
みじか!と当初は思った。だって10秒ですよ。10秒。じゅうびょう。CD3枚分でも30秒である。
なんてことだ。こんなことなら申し込まなくても良い。そう思った。でもCDはどっちみち買う…。なら申し込んでみれば良いか…どっちにしても買うんだし。ふ~ん、最大45枚…。45枚も買えないよな~同じCD45枚ってことだし?!無理無理!!
え…?当たった分だけ買えばいいの?
…まあ、そんなに当たらないって噂だし…45枚分申し込んでも全然……0の人もいるっていうし…まあ物は試しに45枚分申し込んでみようかな…。
という熟慮の末、一次応募に45枚申し込んだ。


結構当たった。


びっくりした。結構当たった。予想以上だった。ほとんどの部で1枚なので時間としては短いが、回数で言えば数回は話せることになった。
やった!
…やった?
え?本当に話すの?10秒。何を?どうやって?


どうやって?


実は申し込む前に一つ懸念事項があった。
ミーグリはスマホかタブレットでアプリをダウンロードして行う。PCからは出来ない。
そして、当然だが他者のいる空間では出来ない。あくまで個別のイベントなので、こっそり他者が待機してたり同席はできない。自分だって同席されたく無い。なのでイベントの際はスタッフに画面越しに事前確認されるらしい。そう、どこでやるかが問題だ。
どこでオンラインに繋ぐか。

だって家族の前では恥ずかしいから。

いや、もちろん前ではやらないが(ルール上許されない)。
隣の部屋にいるのも厳しい。
それはキツイ。
とてもキツい。
どうしよう。
それが申し込むのを諦めようかと考えた最大の理由だった。

ミーグリの日程と自分のスケジュールを照らし合わせる。
まてよ。眺めてるうちにあるアイディアが浮かぶ。よく考えると、そもそも自分は自宅にいない日だって結構多い。
発想の転換で、自宅じゃないタイミングで申し込める日程を見繕う。
稽古場の空いている日程や、出張や旅行の日程に合わせて選ぶことにした。
数は限られ、当選確率は落ちるが万一当たった時に困るよりは良いだろう…。
そう思って申し込んだ結果が

結構当たった。
最初の日程は、函館にいる日だった。

という経緯で函館。
前日劇団会議があり、ホテルの回線状況もチェックしてある。オンラインのやり取りでは不安が残ったので、携帯のテザリングで臨むことにした。通信量も事前に予備(?)を購入。

この日会って話すメンバーは3名。
松田好花、金村美玖、富田鈴花の3名である。トップバッターは松田好花。ファンの間でも会話が上手な、ミーグリ初心者でも話し易いメンバーと聞いていた。テレビ番組での会話の端々からも知性が感じられる落ち着きある彼女。
本当にメンバーが現れるのだろうか。CGなんじゃないだろうか。AIなんじゃないだろうか。もしくは録画されたものとか。
時間が近づくにつれ緊張が高まる。
時間になった。
アプリを立ち上げ、申し込み手順を踏む。本人確認もすることになる。の、前に、ニックネーム(呼ばれたい名前)を入力してください、と出る。
ニックネーム…。あらゆるSNSも本名でやってきた自分である。ペンネーム的なものがどうしてもしっくりこなくて、ずっと本名をあらゆる場面で名乗ってきた。あだ名をつけ合う風習が残る高校演劇石狩支部においても、あだ名を半ば拒否し、結局弦巻で通した男である。ここは、まあ「弦巻」で良いだろう。と「弦巻」を入力。
本人確認も済み、待ち時間と人数が表示される。そして、カウントダウンが始まる。
どんどん数字は減る。その減り具合から『10秒』の同志たちがたくさんいることを感じる。ああ!こんなにも同じ想いの人間が。彼女達に10秒でも会いたいと思っている人間が。いる。いっぱいいる!

画面に『次はあなたです』の文字が出る。
もう引き返せない。
ああ。
画面に大きく3、2、1と表示され…次の瞬間松田好花が現れた。


めちゃめちゃ可愛かった。え?本物?と思って固まってしまう。


(2秒経過)


松「こんにちはー」
弦「こんにちは…。(続かない)」
松「(1秒経過。瞬時にこちらの緊張を見てとって)えー、これ名前なんて読むんですか?」
弦「あ、つ、つるまきです。」
松「へえ~つるま…」


その瞬間好ちゃん(松田好花)はフェードアウトして消えていった。


10秒。


終わった。
無力。
圧倒的無力。
そして恐ろしいことに、このやりとりはその後の二人でも続いた。
「お名前なんてお読みするんですか?」「つ、つるまきです」「へ~つるまき…(フェードアウト)」


なすすべなく流れていく時間。
俺の貴重な10秒。
そこでようやく今更ながら読み仮名もニックネームにつける作戦を思いついた。
惨敗。
もう少し喋れると思っていた。10秒に想いの全てを込めるつもりだった。
全然届かなかった。おひさま(日向坂46ファンの総称)への道は遠い…。
函館の夜は涙で暮れていった…。

それが自分の『初めてのミーグリ』の顛末である。


時を進めよう。
その後、様々なことがあった。
四期生の加入(12人!)、ツアー、映画『希望と絶望』の公開、齊藤京子をセンターに据えた新シングル『月と星が踊るミッドナイト』の発売、『ひなクリ2022』の開催、4回目のひな誕祭の開催発表…そして、影山優佳の卒業発表。
2022年の春からクイズ番組を皮切りに怒涛の活躍を見せた影山優佳、とどめと言わんばかりにサッカーW杯での専門家に一歩も引けを取らない解説を過密スケジュールの中披露し、その存在感を世間に知らしめた。その影の卒業…。日向坂46のメンバーの中で最初に気になった3人のうち一人(金村美玖、宮田愛萌、影山優佳)。再び腰が抜けるほどショックだった。叫ぶところだった。

どのトピックも一つ一つ語り出すと止まらない。なので、とりあえず、今回はここで筆を置きたいと思う。


時を進めよう。
2023年4月1日。横浜。
自分は横浜マリンスタジアムにいた。
そう、日向坂46の周年ライブ、『4回目のひな誕祭』に参戦するために。
遂に来た。そして、あの感情がもみくちゃになるような奇跡のライブがスタートする。


続く。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?