10.颱風/風街ろまん

１番

四辺（あたり）は俄かにかき曇り
窓の簾を洌（つめ）たい風が
ぐらぐらゆさぶる
正午のてれびじょんの天気予報が
台風第二十三号の
接近を知らせる
来る　来る

初めはハーモニカからのバスドラムとボーカルだけ。嵐の前の静けさ。来る、来る、のあとの鈴木茂のワウを効かせたギターに痺れる。台風がきた！期待通りでなんだか嬉しい

空を鼠色の雲が
迅く迅く迅く迅くはしり 風は
どんどんどんどんふいてくる
台風　台風
どどどどどっどー
どどどどどっどーみんな吹きとばす
さあ来い

（茂ギター）

大瀧詠一と鈴木茂の掛け合いがこの曲の肝。大瀧詠一が鈴木茂を煽って台風を引き出そうとしている感じが面白い。

２番

街はしーんと闇くなり
樋からあふれ落ちた水は道の真ん中を
我物顔ですべる
地面でぴしぴしとびはねる
雨は天の　雨は天の　投げ飛礫
台風

台風の目に入ったため一気にまた静かになる、がすぐ茂ギター（台風）がやってくる。

（茂ギター）

地上の洗濯に
風と雨粒は我武者羅にそこら一面
ぐるぐるぐるぐる踊りまわる
台風　台風
どどどどどっどー
どどどどどっどーみんなみんなみんな吹きとばせ

（茂ギター）

（茂ギター＋大瀧詠一のスキャット）

大瀧詠一のスキャットが入るあたりで松本隆のリズムパターンが変わる。ジャングルビートのようなリズムパターンで台風を発生させようとしている。

そして休憩を挟みここからまだ続く。

台風来るよまた来るよ
ほら来た

２回目の台風が来てめちゃめちゃに楽しそうな大瀧詠一であった

（茂ギター）

まとめ

大瀧詠一と鈴木茂がメインの曲。この二人の掛け合いが面白い。偉大な二人がこんなことしてたのかと考えると可愛く感じてしまう。