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融合しないブレンド

「融合しないブレンド」(庄野雄治 ミルブックス)
この1冊を5人目のメンバーに加えて、旅読書を開始して晴れの国にやってきました。
他のメンバーはこちら。
「水中の哲学者たち」(永井玲衣 晶文社)
「見えないものを探す旅」(安田登 亜紀書房)
「まなざしの革命」(ハナムラチカヒロ 河出書房新社)
「進化論マーケティング」(鈴木祐 すばる舎)

この5冊を並行して読みながら我田引水する。がいつもの読書パターンなのですけど、今回は、なんかほんとにつながっているんじゃないかなって。

最近のテーマである「つくるためのギャップ」「二項対立ではなく中心と周辺」「ベクトル感のあるマーケティング」とかにつながっていくキーワードがたくさんありました。

~~~ここから一部引用
哲学は何も教えない。哲学は手を差し伸べない。ただ、異なる声を聞け、と言う。(水中の哲学者たち 永井玲衣)

今、マーケティングが管理しようとするのは、私たちの価値観であり、理想像であり、あるべき姿である。それを叶えるようなサービスを提供することが、次の課題になっていく。数々のモノやサービスが溢れる中でこれから選ばれるもの。それは私たち自身を方向づけてくれるもの。私たちの存在を、もっと意義深く、価値ある方向へと導いてくれるようなもの。自分らしさを引き出し、自分をより高めてくれるもの。そのように、自分を承認し、保証し、演出してくれるものを人々はますます求めるようになる。しかし、そこには大きな罠が潜んでいる。その自分らしさは本当に自分自身が望んでいる理想の姿なのだろうか。それともマーケティング技術によって、こんな自分になりたいと思わされた願望に過ぎないのだろうか。その区別は私たちが思っているほど容易ではない。(まなざしの革命 ハナムラチカヒロ)

自分に足りないところがあるから、誰かに助けてもらう。その代わり、誰かの足りないところを自分が補えるようにする。なにかはある、自分にしかできないことではなく、自分にもできることが。(融合しないブレンド 庄野雄治)
~~~ここまで引用

アイデンティティの喪失という課題にどうアプローチするか。

「ギャップ」(差異、隙間、違和感)を「つくる」ための方法として大切にする。つまり人や自然やプロジェクトと対話する。「対話」の際には、見える(言語化・映像化されている)ものだけではなく、見えないものを大切にする。

世界の見方を変えてみる。誰かの意図によってコントロールされているのではないかと疑ってみる。

マーケティングしてみる。行動してみる。プロダクトやサービスをリリースしてみる。

コントロールされたりコントロールしたりではなくて、参加と余白をデザインする。

「融合しないブレンド」の一節、「自分にしか」できないことではなくて、「自分にも」できることがあること。

「場のチカラ」ってきっとそういうところに生まれるんだよね。
そんなアプローチをブレンドコーヒーを飲みながら考え、実行する2023年にしたいなあと。

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