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梅の花が咲き、やがて実る頃を夢見る。夢見続けるために、歩き続ける。

初めましての方も増えたので、あらためての、わたしの店を紹介しよう。
わたしが経営しているちいさなギャラリーの名は「ちいさな雑貨ギャラリープラムツリー」という。

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高尚なアートというより、作り手の熱が伝わるハンドメイド・クラフト作品の展示販売を主とした空間である。ほんとうに、名前通りの6畳弱のちいさなちいさなギャラリー。ひとに説明するとき、「いやあ、小屋みたいなものですよ」とついつい自虐的に言ってしまうが、それも無理はない、なんせもともとは駐車場だった場所を無理やり潰して作り出した小さな空間だから。

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営業スタイルは、一~二ヶ月に一回、8日間の企画展を開催&毎週金曜日は常設作家による雑貨店としてのオープン、というきわめてのんびりスタイルの営業。

こののんびりスタイルには、経営しているわたしがハンドメイドライターの仕事もしているのと、精神疾患持ちなので無理ができない、という理由によるのだが、のんびりすぎてやる気の無い店と思われているかも知れない。
立地もザ・住宅地のなかであり、あることもなかなか気づかれない。個性的雑貨店が多い東林間、という土地だから、なんとか回りのお店に助けられながれつつ、やっている、というのが現状だ。

そんな頼りない空間だが、でも、そこに詰めた、いや詰め込んで夢はシンプルかつ計り知れない。一言で言ってしまうと「手渡したいのは、ひとの可能性。」ただ、モノを売る、というよりも、売ることで、またはただ見せることだけでも、ハンドメイド作品という「ひとの可能性の発露」をお客さまに提示し、知らしめたい。そして、来ていただいた方が「いや、人間わるくないね」とどこか微かにでも思って下され万々歳だ。それが何よりのコンセプトというか立脚点であり、そこは自負してる。「ハンドメイド変態」と人に言われるわたしが一生追いかけ続ける夢だと。

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その夢はまず店名に表した。「プラムツリー」とは「梅」の意。寒い時期に花を付けながら、いつしかなにかしらの実を実らせる。そんな姿に共感を覚えて、自分もそうありたいし、関わる作家さんたちにもそうあってほしいと、このささやかなギャラリーの名としたのだ。

ギャラリーは2017年の6月にオープンした。それから場所レンタルの企画を含めると、18回の展示を行い、3年目の今年に至る。雑貨店としての営業時の常設作家さんはただいま6名。
正直、経営はそう楽観できるものではない。何もかもひとりでやっているので、時々何の企画の仕事をしてるか分からなくなることもしばしばだし、絶対に休めないので健康管理に何よりも気を遣う。通販をという声もあるが、キャパが精一杯なのと、「作品を直に見てほしい」という思いがどうしてもあり、そこまで踏み切れない。

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そこに今回のコロナウイルス肺炎の影響である。わたしは喘息持ちでもあるので、お店に立つのもそうそう簡単な覚悟ではできず、臨時休業も余儀なくされた。今年の企画展は4月からスタートの予定だったが、それも延期した。ギャラリーを開けられないのだから、当然、収入はゼロに近く、正直、来年の今頃、やってられるのかな、と思う。

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それでも、やれるところまではやってやろうと決めている。こんな状況ではあるけど、続けるモチベーションは十分だ。お客さまに「あのレモンイエローの扉を開けると、いつもなにか面白い発見がある」と思ってほしい。ひとの可能性に触れてほしい。店名に引っかけて言えば、梅の花が咲き実る夢をいつまでも見続ける。その夢のために、ゆっくりとでも歩き続ける。

さあ、どこまでいけるか。ここでだれと、わくわくを共有できるか。ひとの可能性を手渡せるか。
まだまだわたしの梅の花を咲かせる冒険の途は始まったばかりだ。

【次回の企画展】
(4/11~4/19の「ポラリスの少女」は7月に延期となりました)** 
6月20日(土)~28日(日)※24日休廊
ギャラリー3周年記念企画展​ **

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いろいろがんばって日々の濁流の中生きてます。その流れの只中で、ときに手を伸ばし摑まり、一息つける川辺の石にあなたがなってくれたら、これ以上嬉しいことはございません。