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たとえば一首『歩む』(1589字)

人生を歩めば歩みぬ歩まむと歩まざるもの歩まば歩め

(じんせいを
あゆめばあゆみぬ
あゆまんと
あゆまざるもの
あゆまばあゆめ)


こんにちは。^^
うただ荘管理人の つる です。

以前から、
文語文法を分かり易く説明することは
できないかと、考えつつ、
本を読んだりしています。

今回の拙歌は、
そのヒントにでもなりましたなら、と
思いながら詠んでみました。☆

一首、自分なりに
解説してみます。m(_ _)m


まず、『歩めば』。

現代でも通用する言葉です。
意味も、文語として使う場合でも
同じ意味として使えるかも。

また、「歩むので」、と、
理由を表す際にも使われるかとも
思われます。

ここでは、言葉通り、
『歩めば』という意味で詠んでいるつもりです。


お次に、『歩みぬ』。

『ぬ』は、完了を表すのだったかな。
意味は、「歩んだのだった」
くらい。
過去を表すために使うのですが、
単純な過去ではなく、
昔のことがなお余韻として
残っているニュアンスを表すときなどに
使ったりしています。

他の用例を挙げますと、
少し取り扱い易いでしょうか。

歩みぬ(あゆんだ)
遊びぬ(あそんだ)
転びぬ(ころんだ)
誘ひぬ(さそいぬ、と読んで、さそった)

など、
イの段で動詞が活用する例が多いです。

完了は他に「つ」が
あります。
微妙に「ぬ」とは意味、
ニュアンスが変わってきます。

「ぬ」は、ニュアンスが
間延びする感じ。

「つ」は、過去の事柄を
ちょっと言い切る感じでしょうか。

「歩みつ」
「転びつ」

完全に過去の事と言い切る場合は、
過去形「き」を使うかな。

歩みき
遊びき
飛びき


そして次を読みます。

『歩まむ』

音読しますと、「あゆまん」
「む」は旧かな遣いです。
使わない場合は、
『歩まん』と表記します。
新かな、旧かなは、
一首の内で統一しておくのが
通例のようです。

そして意味ですけれども、
「歩もう」、と
意思を表す言葉です。

他の用例としては、

頼まむ(たのもう)
学ばむ(まなぼう)
申さむ(もうさん、と読んで、もうそう)

など。「ア」の段で動詞活用する場合が
多いみたい。

拙歌では、これに「と」
を付けて、
「歩もうとして」くらいの
意味として詠んでいるつもりです。


『歩まざるもの』

否定、打ち消しなどの意味で
使います。

「ざる」は、連体形と言って、
そのあとに名詞、あるいは
名詞形をつなげる用法の
ようです。

終止形(基本形)は、
なんだったかな。。
「ざり」、でしょうか。
でも普通使われないようです。
通例として、「ざる」は
よく見かける形として
覚えておく程度でいいかと
思われます。

用例

歩まざるもの
動かざること

「ま」、「か」、など
「ア」段で動詞活用するようです。


歩まば

これも「ア」の段で
動詞活用しますけれども、
「ば」を語尾に付けることで、
仮定を表すことになるでしょうか。

意味は、「歩むならば」。

理屈より、用例を挙げます。

歩まば(あゆむならば)
急がば(いそぐならば)
向かはば(むかわば、と読んで、むかうならば)
などなど。

ここまで用例も挙げて
説明申し上げていますけれども、
全ての言葉に当てはまるかと
いいますと、
そうでもないようです。

古来の和歌など、
使う頻度の多い言葉は
意外と限られていて、
文法的には合っていても、
あまり読みの馴染まないことに
なったりもします。

要は、昔の歌の言葉を
真似るのが先決かもしれません。

つづけます。


歩め

あゆめ、と読んで、命令形です。
これは割と理解しやすいでしょうか。

飛べ
遊べ
読め

などです。

☆☆☆

おつかれさまでした。💦
お読み下さる方、
ありがとうございます。

最後に、この一首の意味ですけれども、
どう読もうかな。

人生を歩めば歩みぬ歩まむと歩まざるもの歩まば歩め

人生を歩めば歩んだ、と。
歩もうとする歩まない者よ、
もし歩むならば、歩め。

ちょっと苦しい解釈、詠みかも
しれませんけれども、
以上で、
つる の、ちょっと文法の話を
してみました。

また、考えてみます。
悪しからずです。☆m(_ _)m

つる かく🍂

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