詩:ことばを歩ませる
しずかな月
ぼくは黙っているよ
あなたとわたしが見届ける
この世界
限られた
言葉の舟に乗って
きみの髪は
詩の風になびいて
記憶と忘却のなかを
伝わる
わたしはここに居て
かつて見た
透きとおった青い空を
色あせないうちに見せたい
旅人は帽子をふかくかぶり
また道をゆく
荒れた海をとおくに見つめて
山の峰に霞が掛かるのを見たとき
また一歩踏み出すのだ
足の裏に砂利の感触を
確かめながら
月の色は月の色で
永遠に定められない
わたしの中の限られた言葉で
人たらしめていることを
くり返し
言い聞かせているのだ
あなたを敬うために
言い聞かせているのだ
☆
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つる かく
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