見出し画像

「このジグを思いっきり投げればいいんですね?」


時は戻って2017年。

初めてのびめしとの釣行から1週間後の土曜日、朝6時過ぎに眠い目をこすりながらバスに乗り、大井競馬場そばの運河までやって来ていました。

発端はもちろん彼からのLINE。
「土曜、ハゼのリベンジ行きませんか?」

折角の機会、絶対に一度は彼にハゼを釣らせてあげたい。二つ返事でOKしました。
と同時に、彼からもう一つ依頼が。

「折角なんで、今度行く前に竿やリール買おうと思うんですけど、JBさんオススメのルアー釣り道具一式教えてくれませんか?」

ここから先は思い出す度に恥ずかしさと申し訳なさで顔から火が出そうになりますが…

このときに僕が知っていたルアー釣りというと、某有名釣りyoutuberがハマっていた「ショアジギング」という釣法でした。

かいつまんで説明すると、水深のある海で、金属で出来たジグと呼ばれるルアーを岸から投擲し、サバやブリ、サワラなど魚食性の中大型魚(フィッシュイーター)を狙う釣りです。

しかしながら、僕達が普段ハゼを釣る場所はせいぜい水深3mの浅場。フィッシュイーターも精々スズキやクロダイしか居ません。どう考えてもショアジギングには不向きな場所でした。

が、当時の僕は知ったかぶりもいいところで、硬めのロッドと大きめのリール、そしてこともあろうに30gという浅場では超重量級のジグを彼にお勧めし、彼も素直にそれを購入してしまったのでした。

さて当日。僕を信じて(?)購入した道具一式を意気揚々と引っ下げたびめしと合流し、目的地の運河までやって来ました。

まだ残暑の厳しい時期でしたが、この日、早朝は気温も上がりきっておらず、比較的快適だったと記憶しています。

「JBさん、ハゼやる前にルアーやっても良いですか?」

ハゼ釣り用のエサを鉤に付けるのに四苦八苦している僕の背後から、準備を済ませたびめしが元気よく声を掛けてきました。

「ああいいよ、びめしの分の仕掛け作るのにもう少し時間掛かるから何かやっといて」

「わかりました!JBさんにお勧めしてもらったこのジグを思いっきり投げれば良いんですね?」

「うん、でもそれ重いからここだと根掛からないように気をつけ」

ビュン


ドボン。


グッ、グッ


「JBさん、根掛かりました」

(続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?