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リス族の女子アングラーグループに誘われて 〜Vol.2〜

前回ーリス族の女子アングラーグループに誘われて〜Vol.1〜ーの続き。

お昼ご飯を食べ終わり、せっかくメーテンにいてまだ午後中時間があるので、リス族の女性達に教えてもらった湖を視察しに行くことにしました。夫曰く、恐らく以前に一度行ったことのあるような、ということで軽〜い気持ちで出発しました。

まずはGoogle Mapsで自分達のいる位置を確認し、その湖を思われる場所をチェックします。そして後はそこに向かってひたすら走るだけです。
メーテンの街から山の方向に走り出すと、リス族の衣装を着た人が住む住居区を通り過ぎ、山の傾斜を上り、順調に湖に近づきます。

ところが、その目的地の湖の周りの道を走るも、湖自体に降りる道がありません。湖につながっているであろう小川は見つけたのですが、バイクで降りて走っていけるような場所ではなさそうなんです。

これ以上進んでも行けそうにないので、まずは居住区あたりにまた戻ることにしました。そして、やっぱり地元の人に聞いてみるのが一番です。

商店でお買い物をしてバイクで帰りそうなおじさんにリス族の女性達に聞いた湖について聞いてました。そうすると、そのおじさんもお店の店主さんも「あ〜あ!それならこの店の脇の小道をずっと登って、Y字路で左、さらに進んで山に沿って左に進んでいくとあるよ!」
と簡単に教えてくれました。先ほど私たちが降りようとしていた湖は、リス族の女性達がいう湖ではありませんでした。なので、夫が一度来たことあるかも、と思ったのも勘違い。

やっぱり地元の人しか知らない場所は、地元の人に聞くのが一番!
と再びバイクを走らせて進みます。Y字路で左に…..

山岳民族の村らしき場所を通り抜け….

左??? 右??? 下に続く道??? 上に登る道???

おじさん達が教えてくれたような簡単な感じでは到底ありませんでした。

バナナの木がたくさん植えてあるので、人が行き来している道ではあります。でも柵で閉ざされているので、行ける場所が限られているような。。

自分達がいる山のてっぺんらしき場所で一旦またGPSでチェックしてみるも、もうGoogle Mapsには道がありません。完全に迷いました。

一応バイクのガソリンはまだしっかり足りているので、まだしばらく迷っていても安心です。とりあえず、畑の中の道を降りて行って農家さんに出会えば聞いてみることにします。

この山の中で見かけたバナナやゴムの農家さんらしき人たちの家は、なんだか半分壊れかけているような、、人が本当にいるのだろうかと疑うような感じの”家”がポツンポツンとあります。時折、獣の◯骸らしき悪臭が漂っていたりと、正直にいうと、外国人であり、女性である私一人だと結構怖いので来ない場所です。

やっとのこと、バナナ畑で草刈りをしていた若い夫婦に出会いました。そこで湖のことを聞いてみると、どうやら私たちは途中で道を左折する場所を”右”に降りてきてしまったらしく、まずは戻ってから山のてっぺん付近で右折してさらに山の上を沿って走るとあるそうです。

今まで一番の急勾配の泥の坂道。

そして本当に一番てっぺんまで来たところ、あとは下がるのみの道です。この先に湖があるのはなんとなくわかるような雰囲気です。今までバイクでいろんな山を走ってきましたが、その中でも一番危なそうな急勾配!!恐らく二日前くらいに雨が降ったようなので、道が乾きすぎず、かといって水でツルツルに滑らない程度に固まっているしっかりした状態でラッキーでした。
もうバイクの後ろに座っていると、座れない、、ずるずると前に滑り落ちるほどの勾配です。後ろのボックスをつけている金属の羽をしっかり掴んで全身を支えます。

その坂道を降りると、高い木がぽつん、ぽつんと立っている、広々とした光景が広がりました。熱風が遠くから吹いてくる、枯れた草もたくさんの、タイでも今まで私は見たことがない光景で、ちょっと幻想的でもありました。

と平らな広々としたところを走っていると、突然がちっと急ブレーキ!何事かと思ったら、放牧されている牛の境界線のための電熱線が地面から10cmくらいの高さに仕掛けられていました。危ない、危ない….。
せっかくこの先に進めそうな道なのに、電熱線が張り巡らされていてこの先どこへ行けばいいのやらと思っていたら湖らしきものが見えました。

ただ、そこへ行くにはこの崖を降りなければ行けません。もしもこの崖を降りないのなら、今まできた道を全て逆戻りしなければならないのです。
この崖の先に見える細い道が、湖に続く道。


私たち二人とも来た道を逆戻りすることは考えなかったので、崖を降りる場所と方法を考えます。バイクの運転に自信のある流石の夫も、この道のない崖を二人乗りで降りるのは危険なので、私は歩いて降り、夫のみがバイクで降りることにしました。

まずは先に夫がバイクで行きます。
ブレーキと足を使いながら、ちょっとずつ、ちょっとずつ進みますが、見ていても今にもひっくり返りそうな急勾配で怖かったです。最後の方には勢いをつけて一気に走って降りられました。

次は私。足元のちょっとだけ出ている石や、盛り上がっている場所に足を置きながら降りていきます。途中半分までくると、やはり夫が「そこからは一気に走っておりた方がいいーーー!!!」と叫んでいるので、その通りに走って駆け降り、最後はジャーーーーンプ!!!

無事に崖を降りられました。

緑色の草らしき下は全て水です。

なんとも言えない達成感。
そしてそこに広がる景色はまた不思議なものでした。
まずは芝生らしき場所と思っていたのは全て水草。芝だと思って歩くと落ちます。

平らな、枯れ草が広かったところにポツンと立っていた2本のバナナの木。大きなバナナの花が垂れ下がっていました。美味しそう…
リス族に教えてもらった魚がたくさん釣れるという湖

2本のバナナの木を通り過ぎてちょっと盛り上がった丘をいくと、目の前に湖が!
これが、あのリス族の女子アングラー達が言っていた湖です。
この日は釣り人が二人だけいました。
近くにいた釣り人にちょっと話しかけてみることに。

やはりたくさん大きな魚が釣れると言ってましたが、今までは付近の村人しか来なかったのでいつ来てもたくさん釣れて良かったけど、これからもしGoogle Mapsにのるようになったら、きっと人が来てたくさん釣っていかれちゃうから、魚の十分に育つ時間がなくなっちゃうんだろうな〜とおっしゃっていました。

私たちが来た道のことを話すと、釣り人は驚かれて、そこは普通の人が使う道じゃない!!!と。
農家さんが農業用に使うだけの山道なので、普通の人には危なすぎる、無理ということでした。そして安全な帰り道を教えていただき、その道も途中急なヘアピンカーブがあるので気をつけてと教えてくれました。ですが、行きの道がかなり過激だったのでそんな帰り道は始終穏やかで安全に感じてしまう私たちでした。

この日は突然舞い降りてきた新しい釣り場の下見だったので、場所の確認とその場で釣り人と話せただけでオッケーです。実際に足を運んで、釣り人に話しかけてからの下見は大切です。突然初めてのところに釣具を持って行き”試し釣り”をすると危険なこともあるのです。そこにはそこの”ルール”が必ず存在するので、揉め事や金銭要求が発生しかねないのです。

今回のこの湖での釣りについての考察:

  • 本当に釣れるらしいので、やはり実際に釣ってみたい。

  • 大きな木がないから日陰ができないのでパラソル必須。=荷物多め

  • かなりの乾燥地帯+くぼみ地形的湖なので、デイキャンプを楽しむ感じではない。

  • Google Mapsに載っていない、地元村人しか来ない場所なので、私と夫二人だけで長時間釣りを嗜むには危険な香。夫の釣り仲間の男性2、3人を連れてグループなら、何か起きなさそうだし、起きても戦えそう。

この4つが私たち二人の視察感想です。
どうしても私が外国人の女性のため、知らない土地でのバイクの旅ではたとえ夫と一緒だったとしてもかなり気をつけます。実際に、山の村や郊外でなくても、観光地の街だったとしても外国人女性(または外国人カップル)が巻き込まれた悲惨な事件は多々発生しています。私自身は10年以上前に一度、一人でチェンマイの中心街を夜歩いていたところをずっとつけられていて、小道を曲がったところで後ろから工事現場の木材で首を思いきり殴られました。私の財布とバッグが目的だったみたいなのですが、当時の私はジムや水泳でかなり体を鍛えていたからでしょうか、気を失うことも倒れることもなく、リュックサックを守るということではなく無意識に手が相手を攻撃していて、大声も出したので、相手の男は逃げていき、私は一応無傷で何も盗まれず無事でした。でもめちゃくちゃ怖くて、今も一人で暗い場所は歩けません。本当にたまたま無事でいられたんだと思っています。そして10年たった今でも、あの時の恐怖感が蘇るので、バイクに乗ったとしてもあまり夜に一人で行動するのが好きではありません。

10年来の同年代のタイ人女性の友人やゲイ友もそれぞれ私にいうことは、街だろうが、自分が住んでいる地域だろうが、どこでも夕方以降は小道や大通りでも歩かないで、どんなに近くでもバイクに乗りなさい、です。そして私と夫が知らない場所をGoogle Mapsを見て水の流れに沿って訪れる旅については、ちょっとネガティブな反応を示します。テレビや雑誌に取り上げられるような、栄えている観光地ではない、知らない土地で、知らないコミュニティに足を踏み入れるのは、たとえタイ人であっても危ないということなんです。

タイ以外の外国でずっと一人旅をしてきた経験、タイ国内でもバイクで一人旅・二人旅をした私にはいくつかの安全を保つための”旅のルール”があります。それは機会があればまたいつか。

話はちょと外れてしまいましたが、この日に訪れた湖はぜひ行ってみたいのですが、男性の釣り仲間を誘って行きたい候補地ということになりました。私個人的には、できればまたあのリス族の女性グループと合流して釣りを楽しみたいなぁと思っています。また会えるといいな。全く予期していなかった山の中のバイクアドベンチャーの日帰り旅したが、久しぶりで楽しかったです。結局山の中で迷子になっていたのは2時間ほど。最後までガソリンがもって良かった、良かった。

取り留めのない話になってしまいましたが、皆様読んでくださってありがとうございました。良い週末を!




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