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つれづれつづり

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それぞれ、おのおの、つれづれにつづります。
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2019年9月の記事一覧

ふっと手を差し出すような

20代でそこそこ遊んだ自分は、30歳を前にして「ちゃんと」付き合いたいと思い出す。「ちゃんと」ってなんだ。当時、周りには結婚して子供が生まれる友人が増えてきた。自分にはそれと同じことはできないけれど、似たようなことはできる。家族みたいなものが欲しかったんだと思う。 その「ちゃんと」を追いかけて恋愛をする。当時はmixiというSNSが全盛期で、日記を見に行ったり、足跡を残したりしていた。そこからひょんな事で一人の人と付き合うことになる。きっかけが出会い系でもないし、ハッテン場

バラード 第1番 ト短調,Op.23.

恋はワタシを綺麗にした 恋はワタシを強くした 恋はワタシに涙を与えた 恋はワタシに絶望を教えた 誰かがワタシにいった 「キミは恋多き女だよね」と それにワタシは申したい 「恋をしないで生きられる人なんているの?」と お付き合いの数だけ数えれば 60数人の殿方との人生を歩んできたワタシにとって 誰かに恋して成就しなかった数なんて それこそ数え切れないくらいの恋の物語がある 本当に恋していないと生きていられないのかもしれないな なんて本気で考えたこともある でもふと思う

恋愛観:Q インタビュー

つれづれつづり 恋愛観 最終回 今回は趣向を変えて対談形式です。お相手はもちろん現在恋愛関係にある男性です。 過去の記事で何度か登場してきました彼に、つれづれつづりに綴ってきた内容や恋愛観、二人の関係について聞きました。 ****** ――今回はご協力いただきありがとうございます。個人を特定できない範囲内で自己紹介をお願いします。 「皆様はじめまして。酒と音楽とセックスをこよなく愛するしがないアラフォーです」 ――この企画開始前に少し相談させてもらったことがありましたが「つ

大海原でハゼが死ぬ

こんにちは。つれづれつづりシーズン2、恋愛観の最終回です。大海原に出たハゼが、あまりに異なる価値観に触れてボロボロになり、浅瀬に打ち上げられる話です。今となっては笑い話ですが、日本近海に出たつもりが、聞いたことのない熱帯の海に出てしまったかのようでした。 初めてお付き合いした方と別れたのち、二丁目で様々なキャラクターのお店に行ってみたり、どんなところか疑問だらけだった発展場(有料)に行ってみたり、当時は合法だったらしいものを経験したり、フリーセックスにチャレンジしてみたり、

ゲイの恋愛観 - その3

つれづれつづり、テーマ「恋愛観」の第3回。早いもので最終回です。 改めて今回のテーマで書いてきた自分の文章を読み返すと、やけにロジカルで淡々とした印象を受けて自分でもびっくりしてしまいました。 他のみなさんはもっとドラマチックだし、「こんな内容で大丈夫だったのかな…?」と今更少し不安になってきたり。前回の「平成」がテーマの時は、もっと感傷的に書いていたので、余計にギャップが気になる。 まあでも今更方向性を変えても仕方がないので、「ゲイの恋愛観がノンケと異なる3つの理由」の最

それでも恋は、恋。

前回の記事を書いたあと、ほどなくして43歳になった。 子供の頃からつねづね「早く大人になりたい」と思っていて、ゲイ能界の巷間に横たわる【若さこそ正義】といった怨念のような概念に触れるたびに薄ら笑いを浮かべてやり過ごす僕には、見た目や感性の老いに多少の抵抗はするものの加齢にともなうネガティブな感情はない。 ただ、やっぱり笑ってしまう。 「お前が43歳かよ」と。 その年齢に達した日に、その年齢に対する畏怖感のようなものを抱くようになったのはいつからだろう。 児童から少年に変わ

ヒモから得た教訓

恋愛観というテーマで2回目 (断りなく遅れてすみません…) 私はドマラマティックで母性は強いが自己肯定感の低い女だったので、ヒモ系クズの男の面倒を見るのが好きだった。ヒモは心の隙につけ込み優しい言葉で欠けた自己肯定感を埋めてくれた。狙ってやっていると言うより、それが彼らヒモクズの生まれついての特性なのだ。ヒモは優しいと同時に鬼畜でもある。そいう意味ではヒモは麻薬で私は中毒者だった。 過去の恋愛で私はたくさん泣いた(泣かされた)が、泣いてる自分も好きだった。歌詞も背景もよく