徒然なるままに 令和6年2月12日
3.11の時、福島の原子力発電所は全電源喪失になりました。
全交流電源喪失は人類史において、一度もなかったため、当然マニュアルもありませんでした。
原発の地下には、非常用ディーゼル発電機が2台あったため、もし地震が起き停電になっても原発を安全に停止することができるようにはなっていました。
しかし、津波が防波堤を超え原発の地下も浸水。発電機は、使用ができなくなりました。
次世代原子炉の仕組み
昨日の読売新聞に掲載されていた記事です。
今世界では、次世代原子力発電の開発が行われています。
通常の原発では、核分裂反応により放出された熱で、水を蒸発させて、タービンを回します。
次世代原子炉といっても種類があるのですが、この記事で紹介されている原子炉では、水の代わりにヘリウムを使用します。
そのため、水素爆発が起きにくく、通常の原発と比べて安全ということです。
全電源喪失の状態でも、安全に原発を冷却することができるようになるのは非常に重要です。
災害時というのは何が起きるか全くわかりません。
常に最悪の事態を考えて、日ごろから対策をするしかありません。
使用済み核燃料の問題
ただ、原発の根本的な問題は現在も未解決のままとなっています。
使用済み核燃料の処理方法についてです。
原発の中心となる核燃料も有限ですので、いつかは発電に使用できなくなり、新しい核燃料と交換をする必要があります。
新しい核燃料は、そのたびに用意すればいいのですが、用済みとなった燃料は、そのままというわけにはいきません。
原発に使用できなくなっただけで、放射線がなくなったわけではないからです。
日本の場合を見てみます。
使用済み核燃料が原子炉から取り出されると、原発敷地内にあるプールに入れられます。
これは一時保存で、この後工場などで輸送されて、処理されます。
現在は使用済み核燃料に対して2種類の処理がとられています。
一つは、処理をしたうえで地中などに埋めて廃棄する方法。
もう一つは、再処理をして、核燃料として再利用する方法です。
ただ、技術的に再処理は難しい部分が多いため、主に地中に埋める方法が採用されることが多い印象です。
日本の脱炭素
脱炭素を掲げ、原発に依存をするようになってしまうと、残念ながらこういった問題に目を背ける人も出てきます。
使用済み核燃料の処理問題を解決できなければ、いくら安全になったとしても原発が本当の再生可能エネルギーとは言えません。
日本は火山が多く、地熱発電に優れています。季節風が運ぶ雲は、日本に多くの雨を降らせます。山に振った水は、急流へ流れ、黒部ダムように水力発電にも使用されます。
排他的経済水域は世界でも上位の広さを有する日本、海洋風力発電という方法もあります。
日本の豊かな自然は多くのCO₂を吸収します。
脱炭素のやり方は一つではありません。国ごとに、オリジナルのやり方があってもいいと思います。
脱炭素のために日本が原発を無理に使用する必要は、ないと私は思います。
日本の豊かな自然が私たちの生活に必要な電気を供給するための、循環型の資源として利用されるようになるやもしれませんね。
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