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入山91日目 一次下山とワクチン接種
10月、標高2600m付近は紅葉のピークが過ぎていよいよ冬も間近か、という季節になってきました。
本来であればお客様も少なく、小屋締めに向けて一部の部屋の布団をしまったり、外に出している備品なども少しずつ片づけていく時期です。
しかし今年は天気が良くて気温も高いこと、そして9月いっぱいで緊急事態宣言があけたためか、10月も過去にないくらいの客室稼働率。8月並みです。
しかし8月9月とすでに一部のスタッフが下山しており、新たに雇うこともできず。今いるスタッフでハイシーズン並みのお客様を対応しなければなりません。
私も元々は9月までの任期でしたが、小屋締めまで延長することになりました。
しかし最後まで残るのはいいものの、山小屋後の仕事の兼ね合いでコロナワクチンの接種を予約しており、特別に一時下山させてもらうことに。
この日は10月上旬までの任期のスタッフと一緒に下山。
この2人のスタッフは今年が1年目で、
初めての山小屋勤務を終えての下山です。
山小屋生活の思いを振り返ったり、最後の雲上の景色を目に焼き付けての下り道。
登山口が近付けば入山以来3カ月ぶりの下界に心躍らせたり、となんだか羨ましい限りです。
一方私はワクチンを打ったらすぐに登り返し。
なんだか温度差があるなー、なんて。
そんなこんなで無事に登山口まで。
一緒に下りたスタッフ2人は麓の温泉宿で1泊するとのこと。
私もゆっくり広い湯舟に浸かって、、、といきたかったのですが、
ワクチンの予約の時間があるので、2人と別れをした後、さっさと町へ向かいます。
バスに乗り、その後電車に乗り換え、病院の最寄り駅へ
朝まで山小屋にいたのに夕方には地元で電車に乗っているのが不思議な気分です。家に寄る時間もなかったので、その足で着の身着のまま、60ℓのザックを背負って病院に突撃しました。
案の定「大きな荷物ですね...」と診察のお医者様。
「小屋の仕事で…」と返答したところ、
どうやらお医者さん、それだけで状況を理解してくださったようで、
「それはご苦労様です!」
と言ってもらえ、これにはちょっと感動してしまいました。
山への理解度が高い松本ならではかもしれません。
きっと他の土地だったら、ただの変人扱いされそうなところです。
マイナーすぎる「山小屋」という仕事への理解があるという、
嬉しくなった出来事でした。
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