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オフシーズンの登山

北アルプスの山小屋が眠りにつく季節 
「冬」

通年で営業している小屋も1つありますが、
その他の山小屋は雪の中です。

そのため冬は山小屋で働くスタッフにとってはオフシーズンであり、夏の一番登山できる時期に登れない分、今が一番自由に登山できるシーズンです。

山が好きで山小屋にいるのに、
その山の最盛期が一番自由に登ることができないのは何とも悲しいジレンマですが、
「山に住む」という特別な体験をしているのですから、そこはまぁ我慢。

そんな状況ですから本当に登山が好きな人は
実は山小屋にはそう多くはなくて、
「山小屋にいる以外は登山しません!」
何年も来ている方にはそういった方も意外と多いのです。

そして逆に夏に登れなかった鬱憤を晴らすかのように、雪山でラッセルする方もいますが、
これはかなり少数派
(これは私の小屋の支配人)


私の場合ですと登山は好きなので、
小屋開けの期間の5〜6月はまだ山に入らず、

その期間で北アルプスの中でも比較的アクセスが良く、雪があっても登りやすい燕岳常念岳あたりに登ったり、

あとは以前記事にしたように
山小屋勤務終了後に、他の山小屋営業の終了間際に滑り込みで行っています。


ではそれ以外の冬のシーズンは何をしているのかというと長野近辺の危険度が低い低山に登ったり、
冠雪の時期が遅い地方の山に遠征に行っています。



長野は山ばかりなので北アルプスや八ヶ岳といった大御所を除いても、山はたくさんあります。
またその大御所たちを眺める山がたくさんあるのです。

例えば湯の丸山。
東信の名峰・浅間山に近く、
山頂から間近に望むことができます。
また下部がスキー場のゲレンデのため、
マイナーな山でありがちな駐車場が小さい問題がありません。また高速道路からのアクセスも良いです。

湯の丸山(11月)


続いて里山2つ
伊那の守屋山と塩尻の霧訪山
松本から南へ1時間圏内の山です。

いずれも1000m台なので雪が降ってもそれほど深くはなりません。
雪山のちょっとした練習にもなりますし、
道もわかりやすい。
そして手軽に登れるのに景色が抜群に良い。

地図アプリで調べてみるとわかるのですが、
八ヶ岳や中央アルプス、南アルプスといった山々に囲まれているので、
山頂からは見渡す限りの名峰たち。

過去に登った山々を「あそこ登ったなぁ」と振り返るのは至福の時間です。


守屋山(12月)
霧訪山(2月)


続いて長野の山と並行して行っている
地方遠征

特に西日本・九州の山は積雪が遅く、雪解けも早いのでアルプスよりも早く雪山装備無しで登ることができます。

私の場合は観光で赴くこともありますが、
愛媛や青森の山は出稼ぎに行った時の休日で登りました。


石鎚山(愛媛12月)
開聞岳(鹿児島 3月)
男体山(栃木 5月)
八甲田山(青森 6月)


地方の山は長野とはまた違って山ごとの特徴が全く異なりますし、山頂から見える景色も違います。
高さこそアルプスには敵いませんが、
その魅力は匹敵します。
↓地方の山の魅力は以前書いた記事から



そんなこんなで山小屋にいない冬も山漬けの日々。次はどこ行こうかなと今日も地図を開きます。






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