\ビジネスモデル分析/9セルフレームワーク
こんにちは。
クラウンコンサルティング株式会社で、
管理部 兼 広報を担当している、つのだ(@tsuno_bgent)です。
前回は、ビジネスモデルを作成するフレームワークとして「ビジネスモデルキャンバス」をご紹介しました。今回は、「9セルフレーム」をご紹介します。
9セルフレームワークとは
ビジネスモデルを論理的に見える化するためのフレームワークで、兵庫県立大学の川上昌直教授が考案したものです。このフレームワークは3×3のマトリクスからなる9つのセルで構成されています。このセルは、9つの質問に答えることで埋めていき、ビジネスにストーリー性を持たせることができると言われています。マトリクスの縦軸は、ビジネスをつくり出す要素で、「顧客価値」「利益」「プロセス」の3つがあります。横軸はビジネスに必要な疑問である「Who」「What」「How」の3つがあります。
ポイントとしては、横軸の整合性です。横軸を埋めたら、次は縦軸も整合性が取れているかを確認しながら作っていきます。
9つの質問に答えてみよう!
まずは、9つの質問に答えてみましょう。ビジネスは、顧客価値と利益を同時に生み出さなければなりません。まずは顧客価値と利益の行から埋めていきましょう。(1)~(6)の質問となります。この質問の答えに整合性がとれたら、プロセスの行(7)~(9)の質問を埋めていきましょう。
(1)どんな用事を抱えている人をお客様にするのか?
(2)解決策として何を提供できるのか?
(3)他の解決策との違いをどのように表現(提供)するのか?
(4)誰から儲けるのか?
(5)何で儲けるのか?
(6)どのようなタイミングで儲けるのか?
(7)どのような手順でやるのか?
(8)手順の中で何が得意(強み)なのか?
(9)誰と組むのか?
メリット
全体像の把握:9つの質問に答えるだけでビジネスモデルの全体像を把握しやすくなり、ビジネスをどのように展開していけばよいのかが見えてくる可能性があります。
多角的な視点:「利益を得るタイミングを変えることで差別化できないか」「自社に足りないリソースは何か」など、多角的な視点からビジネスモデルにアプローチしやすいともいわれています。
深掘りの可能性:9つのセルの中で課題が見つかったら、セルの内容に応じて4P分析や3C分析、SWOT分析など従来の分析方法を使って深掘りしていくことができます。
新規事業開発への取り組みやすさ:質問に答えていくだけでビジネスモデルを考案できるため、新規事業開発に慣れていない人にも取り組みやすいとされています。
議論の効率化:プロジェクトチームや組織内で議論する際、9セルフレームワークでは縦・横の一貫性を持たせて考えるため、ビジネスアイデアを相手の理解や納得を得られるようにまとめやすくなる可能性があります。
デメリット
視覚的ではない:ビジネスの流れ(事業者→製品→顧客)が掴みにくいかもしれません。
異なる考えが出にくい:質問に対する答えるだけの内容に止まり、異なる考えは出にくいとされています。
全員納得とは行かない可能性:詳細はあえて省くので、この図だけで全員納得とは行かない可能性が高いとされています。
ビジネスモデルキャンバスとの使い分け
ビジネスモデルキャンバスと9セルフレームワークは、それぞれ異なる視点とアプローチを提供します。そのため、どちらのフレームワークを使用するかは、ビジネスの目的とニーズによります。
ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルの各要素を詳細に分析するのに役立ちます。それぞれの「ビルディングブロック」がビジネスモデルの異なる側面を表しており、これらを組み合わせて全体像を描くことができます。これは、ビジネスモデルの具体的な要素を理解し、それらがどのように相互作用するかを詳しく検討したい場合に有用です。新たなビジネスモデルの創出や、既存のビジネスモデルの分析、具体的なアイデアを出す時に適しています。
9セルフレームワークは、ビジネスモデル全体のストーリー性と一貫性を重視しています。このフレームワークは、ビジネスモデルがどのように機能するか、それが顧客にどのような価値を提供するか、そしてそれがどのように利益を生み出すかといった、ビジネスの「大きな絵」に焦点を当てています。9つの質問に答えるだけなので、新規事業開発になれていない初心者でも取り組みやすいものになっています。初めてビジネスモデルを作る時、プロジェクトチームや組織内で議論する時に適しています。
まとめ
今後も、皆さんのお役に立つ情報を発信していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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