見出し画像

発達障害アラサー女が終活したレポ【前半】


我輩は発達障害のアラサー女である。
独身で、友が少なく、親族とも疎遠である。
故郷を捨て、都会に流れ着いた。
現在大阪の片隅にて一人ひっそりと暮らし、障害者枠で勤め人をして生計を立てている。
アテもなければツテもない。
27歳にして終活をスタートした。


終活を始めた動機についてはこちら。



終活のために行ったことを一つずつ洗い出したら12個もあった。
自分でもこんなにやってたんだ〜ってなった。
実際に行ったタスクを箇条書きに記載する。


情報収集
まずは図書館に出向き、終活に役立ちそうな書籍を読み漁った。
ダントツに良かったのは、社会学者の上野千鶴子氏による“おひとりさま3部作シリーズ”。

文体がライトでユーモラスで読みやすい。
もしも今シングルでおひとりさまの将来を悲観している人がいたら、ぜひ読んでほしい。「意外に大丈夫、なんとかなる」という心強さがわいてくる。




②   FPの勉強
終活においてお金の問題は切り離せない。
日本では大半の人が病院で亡くなっており、死ぬにも医療費がかかる。
死んだら遺産をどうする問題が起こる。
お金のことを知っておいたほうが良いと考え、ファイナンシャル・プランニングを学んだ。
YouTubeで毎日15分ほど講義動画を見たり、通勤時間を活用してテキストを読み込んだりして、2カ月程度でFP3級を取得した。

③ 奨学金の完済
お金面でまず取り掛かったのが奨学金の返済。
すっきりした気持ちであの世に行けるよう、こっちで借りたものはきちんと返しておきたく、貯金をはたいてドカンと一括返済した。
おかげで貯金は激減した。一般的なファイナンシャル・プランニングからしたら最適解ではないけれど私の場合は、完済によって心がスッキリ晴れ晴れするメリットのほうが圧勝していたのでこれで良かったと思っている。



④   貯金
万が一難病になったとき、通訳を依頼して海外に安楽死しにいけるくらいの貯金はほしい。また、万が一ガンになったときには、ホスピスの個室に入院できるくらいの貯金はほしい。
これまでもぼちぼち貯めてきたので、今後もマイペースに貯めていきたい。



⑤   遺産の寄付先を考える
自分の死後、遺産をどうするか。少額の財産であっても、遺産相続は残された人のトラブルの種になりうる。
財産をどこに、だれに遺したいか、生きているうちに自分で決めておきたい。
私は正直、血の繋がった家族にあまり良い感情を持っていないので、遺すなら自治体か慈善団体への寄付をしたい。
広報誌やホームページ、SNSなどで各自治体や慈善団体の取組みを調べ、寄付先の候補を絞った。



⑥   臓器提供の意思表示
自分はそんなに生きたいと思わないけれど、生きることを望む誰かの役に立てるならば、私の身体で使えるものは何でも使ってくれてかまわない。
いざというときにスムーズに臓器提供できるよう、保険証裏面に意思表示を記載した。



⑦   骨髄バンク登録の検討
⑥のついでに、骨髄バンク登録もしようと考えた。現世のこの私の身体にしか適合しない骨髄の型があるかもしれない。私の骨髄を待っている人がいるかもしれない。死んで灰になってからでは遅い。
友人に骨髄ドナーに選ばれた経験がある人がいたので話をきかせてもらったり、ウェブサイト閲覧したりして情報収集をした。
結論としては、現段階では骨髄バンクの登録はしないことにした。骨髄採取による健康被害が想像以上に報告されていたからだ。これから医療技術が進歩して健康被害のリスクが低くなったら、そのときは登録を検討したい。



⑧   尊厳死の宣誓書を作成
私が最も恐れていることは、病気や事故で寝たきりとなり、自力で食べることも排泄することもできなくなり、話せなくなったときに、呼吸器やらなんやらを取り付けられ、ただ生かされることである。
そうした事態を避けるため、下記のような宣誓書を作成した。

尊厳死の宣誓書
1      私が不治の病になったとき、延命治療は一切しないで下さい。
2      ただし苦痛を和らげる処置はしてください。そのために死期が早まったとしても構いません。
3      私が植物状態になったとき、生命維持装置は外してください。



⑨   断捨離
私の死後、遺品整理をしてくださる誰かの手間を少しでも省けるよう断捨離を始めた。
中でも断捨離がはかどったのはベストセラー書籍の類。
ベストセラー書籍なら大抵の図書館においてあるから、自分で持たなくてもいいやと気づき、古本屋にガンガン売った。
部屋がすっきりすると、心も軽やかになった。




⑩   身寄りなし問題を考える
私には身寄りがいない。独身で、兄弟もいない。反出生主義なので子供を持つつもりは一切ない。
身寄り無し問題は山積みである。
終の住処を借りるとき誰が保証人になってくれるのか?
入院や施設入所するとき誰が緊急連絡先になってくれるのか?
誰が遺体を引き取るのか?
日本では親族がいることを前提に各種制度が成り立っており、身寄りのいない人は社会的に排除されたり不利になったりしやすい。
こうした問題に取り組んでおられるのが、新潟を拠点に活動する「身寄りなし問題研究会」である。
「おひとりさまを許せる社会に」を理念に、身寄りなし問題を研究しておられる。
この研究会の活動に希望を感じ、若干ながらの寄付をさせていただいた。




⑪   使える制度を調べる
法務省のウェブサイトやリーフレット等を閲覧し、終活で役立ちそうな制度を調べた。
現段階で気になってるのは2つ。
ひとつは自筆遺言保管制度。
数千円の手数料で法務局が自分の遺言書を預かってくれるサービスで、各地域にある法務局で利用できる。
気軽に使えそうなので、いざ遺言が書くときには利用したい。
もうひとつは成年後見制度
認知症などで判断能力が不十分になったときに、家庭裁判所が決めた後見人が、財産を管理してくれたり、契約の代行をしてくれたりする制度だ。
認知症になりやすい年齢に近づいたら、老い支度としてこの制度を利用したい。




⑫   孤独死問題を知る
遺品整理・特殊清掃業に就いている小島美羽さんの著書『時が止まった部屋』を読んだ。孤独死問題は他人事ではないと考えさせられ、彼女の講演に足を運ばせていただくなどした。





終活の具体的な活動内容としては以上である。


終活レポの前半はここでおしまい。
後半では、終活して良かったことや気づいたことを綴っていく。


【終活レポ後半】