ストラテラ・コンサータ・インチュニブ服薬レポ
私、このたび発達障害29年目にして、日本で認可されているADHD成人治療薬3つを制覇いたしました。
せっかくなので、ストラテラ・コンサータ・インチュニブ、それぞれの服薬レポを残しておこうと思います。
・ストラテラ
ストラテラは効き目がゆるやかなお薬です。
投与開始から2週間で効果が現れ始め、6〜8週間で効果安定してきます。
〈効果〉
私の場合、効果安定するよりも、副作用にギブアップするほうが先でした。
なので効果は実感できず😢
〈副作用〉
私の場合、食欲不振が顕著でした。何を食べても「美味しい」と感じす、何かを食べていても味のしない粘土を食べているようでした。
食事は苦痛な時間になりました。
「美味しい」という感覚がないので、「これはタンパク質の詰まった固体、これはビタミン類や食物繊維の詰まった固体、これは糖質の詰まった液体...」というふうに、食べ物をただの栄養素としてのみ認識し、機械的に口に運んでいました。
「美味しい」という感情が消えるというのは想像以上に悲しいことでした。
・コンサータ
コンサータは即効性のあるお薬です。
効果の持続時間は12時間。服用後すぐに効果が現れ、「効いてきたな」というのが自分でも分かります。
依存の危険が大きいと薬だと言われているので、医師の指導のもと必ず用法・指示を守って服薬しましょう。
〈効果〉
私の場合、「世界がクリアになった…!!」という大感動を得ました。
発達特性である多動は、行動面だけではなく思考にも影響します。
脳が多動であるゆえ、色んな考え事が勝手に次々と浮かんできては、それらを考え続けてしまうのです。
脳が疲れ切って「もう考えたくない!休ませて!」と願っても、自力で思考をコントロールできず、ぐるんぐるん考え続けては疲弊していまう。
それはまるで、思考自体が暴走車であるかのような感覚です。
それがコンサータを服薬した途端に、ピタッとおさまり脳内が静かに、そしてクリアになりました。
それは例えるなら、目が悪いのにずっと裸眼で生きてきた人が、コンタクトレンズを初めてつけたときのような感覚です。
私は、中学時代から近眼かつ乱眼だったのですが矯正はしておらず、高校生になって初めて、アルバイト代でコンタクトレンズを買ってつけました。
ボヤけた世界が一気にクリアになったとき「うわあああすごい…!世界ってこんなに鮮やかだったんだ…!!」と感激したものです。
コンサータを初めて飲んだときの感覚は、あのときの感覚と非常によく似ていました。
また、思考もまとまりやすくなりました。
コンサータ服薬以前の暴走カオス脳だったころは、思考があちこちに飛ぶため、話している途中に主語を忘れてしまう、主語と述語が一致しなくなる、といったバグがしょっちゅう発生していましたが、コンサータ服薬後の静謐クリア脳になってからは、そうしたバグも激減しました。
〈副作用〉
私の場合、顕著だったのは食欲不振と悪心です。
食欲不振についてはストラテラ以上にきつい。
悪心は、常にうっすら気持ち悪い状態が続くもので、固形物が食べられなくなりました。
栄養補給は、アイス・ゼリー・ところてん・もずく・豆腐など、スルッと食べられるものが中心になりました。
急に食生活が変わり、また気持ち悪さに耐えている苦渋の表情を常にしていたものだから、当時の勤め先では「妊娠でもしたんじゃないか」と噂されていたようです(笑)
コンサータも副作用に耐えられず、数週間でギブアップしました。
・インチュニブ(現在服用中)
インチュニブは効き目が比較的ゆるやかです。
飲み始めて1〜2週間ほどで効果安定してきます。
〈効果〉
私の場合、数日かけて少しずつ脳内がクリアになっていくような感覚がありました。
〈副作用〉
私の場合、特になし。
しいていえば口渇はあるため、水分補給の回数は増えました。ストラテラやコンサータの地獄のような副作用に比べたら、これくらい可愛いもんです。
でも傾眠や血圧低下によるふらつきを起こす人も多いみたいなので、口渇のみで済んだ私はラッキーでした。
・最後に
徒然なるままに服薬レポを書きました。
効果や副作用の出現には個人差があるため、以上のレポは参考程度に見ていただけたらと思います。
私の場合、ストラテラに挫折し、コンサータに挫折し、最後の砦であったインチュニブにてようやく服薬継続に至りました。
長い道のりでした。
薬との出会いってガチャに似ているなと思います。
体質との相性は、飲んでみないと分からない。
早いタイミングで当たりが出るか(体質との相性の良い薬と出会えるか)は運だなと感じたものです。
おしまい。