蛙化現象のお姫さま

 「え?支払いがPayPayだったから蛙化したの?嘘でしょ?だってあんた颯太先輩のこと半年くらい好きだったじゃん。まじか。」友達のマミコは呆れるくらい惚れっぽく飽きやすい。女友達の間でも評判の分かれる部分だった。「だってさ、好きな人にはカードでってスマートにお会計して欲しいじゃん!PayPay⭐︎って鳴るの余りにもカッコ悪い。なんか一気に冷めちゃった。好きだったけどさ。」

 マミコは色素の薄い茶髪でピンクがかった白い肌を持ち瞳も薄いブラウンだった。うさぎみたいで可愛らしい見た目とは裏腹に中々悪女だ。彼女に泣かされた男が何人もいる。しかし、清楚で可愛い雰囲気なので関わってみないとその凄まじさに気づけない。「あーあ夏の予定どうしよ。海とか行きたかったなぁ。」本人はただ呑気にケロッとしている。そうえば颯太さんのインスタのストーリーなんか病んでたなぁ。そういうことか、可哀想に。同情してしまう。「もうあんたはさ空想上の彼と付き合えば? 」皮肉っぽく言うと彼女は「別に私そんな理想高いかなぁ。かっこよくてスマートでお金持ってれば誰でも良いんだよ? 」こっちを見つめる彼女はすごく可愛い。言っている内容は可愛くないけど。「理想高い方だと思うよ。さっさと妥協しないと嫁き遅れるよ。」「えーやだ多絵ちゃん、小姑みたい。」

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