神さまとのセックスは

 醜男とのセックスは気持ちの良いものとして終わった。わたしは人柱として捧げられたようなものなのに丁寧に壊れものを扱うように彼はわたしの身体を撫でた。彼のゴツゴツした指がわたしの胸や陰部を這うとき、わたしは恍惚とし我を忘れ猫が交尾する時鳴くような甘い声を出した。彼の顔には痘痕と黒子が目立ち浅黒い肌は紅潮していた。深い目元とほうれい線の皺が目立っていた。こんな醜い男のお陰で絶頂に達したと思うとやるせない感情になってしまう。

 彼の醜い顔も暗がりだと目立たない。首筋からする少しの加齢臭とウッディーなコロンの香りが心地よく首に手を回して目一杯息を吸う。情事が終わりベッドに横たわるとき彼は腕枕をしてくれた。彼の腕は筋肉質で毛が沢山生えていた。枕としての心地は良くなかったけど気持ちが嬉しい。彼の腕に抱かれすやすやと眠る。

 朝起きて寝起きの口の臭さのままキスをすることに抵抗はなかった。彼の髭がチクチクとしてこそばゆい。ああわたしもうこの人のこと愛してるんだと実感した。朝食の目玉焼きとトースト、ミネストローネを作りにベッドから起き上がりキッチンへと向かう。朝日がさして部屋が明るくきれいだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?