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横顔のこと

 死んだ人の曲ばかりだねってカーナビからかかる音楽を聴いて君は笑うの。だって生きてる人の音楽よりも距離が離れていて、その距離感が心地いいんだもの。運転中のわたしは口を尖らせてそんなことを言う。いつもわたしを揶揄う。そして困ったわたしをみてしてやったり、にこにこな顔になる君、出会ってから君のそんな振る舞いに目が離せないでいるわたしはずっと君のことひとり好きなんだろうな。無邪気な君が憎らしい。早くわたしの想いに気付いて?そんなことを思う。君が好きよ、愛してるの。

 窓を開けて煙草を吸いながら西陽が当たる君はなんだか神々しいね。神様みたいだ。じっと運転席から君をみているとなんか付いてる~?とかわいい笑顔の君が言う。思わずにやける。わたしって世界一の幸せものね。君と離れてしまうのが惜しい。このままずっと着かなければいいのに。

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