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駐妻になって人生リセットした私の5つの変化。(前編)

またまたご無沙汰しております。
前回の投稿から今度は8か月が経ちました。ベトナム・ホーチミン市で駐在帯同中のちぴじゅんと申します。駐妻歴はもうすぐ2年、この夏で3年目に突入します。
あれだけ「自分が稼いだお金で好きなことするってサイコー!退職なんかありえない!」「もしダンナが駐在になったら、絶対単身赴任してもらう!!」と周囲に宣言していた私が、退職してベトナムで駐妻として暮らし始めてもう2年になるとは…。


退職と帯同により私に訪れた5つの変化


前回の投稿を読んで、だいぶ私自身にも変化があったなあと思います。ここ8ヶ月(というか、ほぼ1年近く)の出来事とあわせて、私に訪れた5つの変化について記しておこうと思います。

1.他人を羨ましいと思わなくなった
2.働いていないことへの罪悪感がなくなった
3.「今ここでしかできないことをやろう」と思えるようになった
4.自己開示したことで、ほしかった情報や会いたかった人に会えた
5.自分が本当に大切にしたいことは何かを見つけられた

今回は、このうち1と2について書きます。

1.人を羨ましいと思わなくなった

新卒からどんなに仕事がつらくても、自分が出来損ないだとわかってても、かたくなに「新卒」「正社員」「大企業」としがみついていた会社を退職したことで、私のアイデンティティだった「みんなが知っている会社で働いている私」を失いました。文字通り人生をリセットした気分です。

帯同直後は、とにかくすべての人が羨ましかった。
・私より出世した後輩
・出産した同期
・第二子を出産した同期
・仕事をしながら楽しそうに過ごしている友人
・マイホームやマイカーを購入した同級生

などなど…言い始めたらキリがありません。

帰省先から東京に戻るたび、毎回富士山を見てはホロホロ泣いていた。



もうすぐ2年経ちますが、今はもうそのすべてがどうでもよくなりました。

退職し、日本を離れ、親しくしていた同僚や友人とも距離を置き、私のことを誰も知らない街で暮らし始めたことで、文字通り私の人生はリセットされたのだと思います。

ベトナムに来たばかりの頃は、このリセットを「自分のこれまで積み重ねてきたものすべてを失った」と、文字通り自分の人生が”初期化”されたんだとずっと泣いていました。

しかし2年経った現在になって、このリセットは人生の初期化ではなく私の「やらねばならないこと」と「こういう風に人から見られたい」でパンパンになっていた脳みその初期化だったんだなと思います。

「自分が『欲しい』と思ったものは必ず手に入れたい。できれば、他にも同じものを欲しいと思っている友人たちよりも早く。」
この気持ちが、私を働かせる原動力になってしまっていたことに気づけたのです。

自分がお金を稼がなくなったことで、上述の「人よりも良いものを持ちたい」「欲しいと思ったものを必ず手に入れたい」という気持ちはまずなくなりました。
自分が自由に使えるお金がないからです。

これにより、「自分に持っていないものを持っている人」を羨ましがることも消えました。

そもそも私は羨ましく感じたとしても、その気持ちを解決する手段がなくなったからなのです。

羨ましいと思わなくなったことで、一気に自分を縛っていた感情やプレッシャーから解放されました。

ベトナムの市場にて。いつもたくさんのフルーツが並んでいる

私は今現在も子どもはいませんし、無職ですし、夫の稼ぎで生きる専業主婦です。
ある意味、社会において一番非生産的な存在かもしれないですね。

しかし自分が一番なりたくなかった存在にリセットされたことにより、「持っていないといけない」と思い込んでいた余計な思考や感情を全て消すことができました。

初期化されたのは自分の人生ではなく、思考だったんだなと今になって思います。

2.働いていないことへの罪悪感がなくなった

「働かなければならない」という大前提が駐在帯同により消失したことで、今度は「夫に生かされているワタクシ」という大前提が爆誕しました。
ベトナムに来たばかりの頃、「私には何もない」「私は社会にとって無価値で非生産的な存在」と自分を責めるようになったんです。

この自責の念から解放してくれたのは、なんと私の母でした。
私の母は専業主婦なので、いわば私にとっては専業主婦の先輩にもあたります。

そんな母に「お金稼いでないって罪悪感をめちゃくちゃ感じる」「ダンナに生かされているって感覚になる」とぼやいたことが一度だけあります。

その時、母から
「あなたが退職したのはあなたのせいでもないし、旦那さんのせいでもない。夫婦で出した、納得のいく答えだったんだよね?」

「それなら、旦那さんは2人分の生活費を稼ぐって自分で納得しているんだし、あなたも異国で働く旦那さんを応援したい、2人で一緒に暮らしたいと思って会社を辞めたんでしょう」

「だから、あなたが罪悪感を感じる必要はないよ」
と言われました。
自分で自分にかけていた呪いがはじめて解けたように思えました。

連休を利用してカンボジア旅行へ。遺跡めぐり、楽しかったなあ

もちろん今も「お金を稼いでいない自分」については、他人に自分の生活を依存しているように思うときもあります。

SNSでときどき発生する「駐妻はいいよね」論を見かけては心がザラつきます。

お前に私の何がわかんねん!と言いたくなると同時に、「確かに楽して良い暮らしをさせてもらっているな」と痛いところを突かれた気持ちにもなります。

でも最近は図太くなってきたのでしょうか。それすら肯定できるようになってきました。「今は死に物狂いで働いてきたことのご褒美期間」だと捉えるようになっています。

リミットのあるボーナスタイムなんだ、と思うようになってから、一気に自分の視界が開けました。過去の私を知っている人もいないこの国でなら、どんなチャレンジもできる!なぜなら、今は人生のボーナスタイムだから。

というわけで、後半ではボーナスタイム中にやってみたことやトライを通して自分に訪れた変化について書いていこうと思います。
相変わらずの亀更新ですが、気長にお待ちいただけると嬉しいです。

それでは。



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