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暮らしとつながる。「ヒューマンテクノロジー」ワークショップレポート#5

2021年6月からスタートした「TSUNAGU FASHION LABORATORY」。「個人の心の在り方からファッションの世界を再生する」をテーマに、毎月多彩なナビゲーターによるワークショップを行っています。

今回は、ナビゲーターのヒューマンテクノロジー研究家・後藤志果さんが実施する第5回目のワークショップをレポートしました!これまで、会社員やスピリチュアルカウンセラーを経験し、現在は平和活動家として高知県で循環型の暮らしを実践する後藤さん。その背景には、既存の仕組みから抜け出したいという後藤さんの想いがありました。

これまでの人生の旅路において、どのような転機があり、その時にどう決断し動いてきたのか。今回のレポートでは、いかに自己変容を通してソーシャルアクティビストへ変容していくか、その意識の使い方や具現化するヒントについて伺いました。

☆後藤さんの取材記事はこちら

意識を「資源」として最大限活用する

以前は、営業職の会社員として働いていた後藤さん。
その中で、原点の記憶を思い出すという体験があり
スピリチュアルカウンセラーへ転身しました。そうした経験を通して、大切なのは「意識をどこに向けるか」ということ後藤さん自身は、Body・Mind・Spiritの3つの軸をヒントに、自己の捉え方を整えていきました。

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(後藤さんのスライド資料より)

実は、私たちが認知できている「顕在意識」は10%しかなく、自分自身でさえもわからない「潜在意識」の領域は90%と言われているそう。だからこそ、自分が望んでいることが叶っていないと感じる時こそ、自分自身の潜在意識が表れていると捉えることができます。後藤さんは、スピリチュアルカウンセラーとして活動する中で、自分の潜在意識の状態に目を向け、現象(現実)から自分の望み(意識)を見ていく習慣をつけていったといいます。

こうしたお話を受けて、意識を「資源」として最大限活用することで夢を叶えることができるというメッセージが印象的でした。「夢」と聞くと、職業や肩書きなどを連想しがちですが、実は自分自身の意識の中にある。すなわち、「夢を叶える」ことは自分の意識に集中していくことだと筆者自身気づくことができました。

実際に後藤さんは夢の具現化のためにできることとして、イメージノートに自分がこれからどうなりたいかを毎日描いたり、そうしたイメージを行動に移したりするなど、瞑想や自然との触れ合いを通して直感を研ぎ澄ませていったといいます。

意図の純粋性に目を向ける

会社員からスピリチュアルカウンセラーに転身後、ドリームナビゲーター協会を設立するなど、自身の夢が加速していくのを感じた後藤さん。

同時に、後藤さんはワクワクと恐れという相反する感情も抱えていました。本当にやりたいことをやろうとする時、ポジティブな感情だけでなく、恐れとして現れることも意識する。そして、そうした恐れに蓋をせずに向き合う内観プロセスを通して、自身の痛みや恐れを解放していけると後藤さんは話します。

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こうした内的なサインを通して、自分にとってどの感覚が自分自身からのお知らせなのかを見極めていくことが大切だといいいます。自分の行動が、心の中から湧き出るワクワクから来ているのか、それともその行為をしないと誰かに叱られるのが恐いという感情から来ているのか。そうした自身の心の機微を見つめていくと同時に、自身の「至福」を大切にすることの重要性を筆者も感じることができました。

消費者から新たな文化の創造者へ

これまでスピリチュアルカウンセラーとして活動してきた後藤さん。現在は、平和活動家として高知県で循環型の暮らしを実践しています。その背景にあるのは、「既存社会のシステムから抜けて、自分自身の夢を生きる」という想い。そして、この想いが湧き起こったきっかけになったのが、2015年に訪れた約400人が暮らすイギリスのコミュニティヴィレッジ「フィンドホーン」だったといいます。

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(後藤さんのスライド資料より)

「全ての命は巡り、自分もその一部である」という循環を実感した後藤さん。その後も旅を続ける中で、「希望は受け身ではなく、自分で生み出していける」ということに気がついたといいます。

そして、これまで大切にしてきたBody・Mind・Spiritという内なる平和や精神性の探求と同時に、「社会システム」に目を向けることの重要性を実感したそうです。

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(後藤さんのスライド資料より)

後藤さんは、今まで既存のピラミッド型のシステムから抜け出すべくスピリチュアルカウンセラーとして独立したものの、実はマクロな社会システムに張り巡らせれた網目の中で生きていること自体に変わりはないということに気がつきました。だからこそ、これからの人生は社会に張り巡らされた仕組みから抜けて、生きた地球の生態系とつながり直したいと思ったといいます。

そうした気づきを得た後藤さんは、これまでスピリチュアルカウンセラーとして育んできたことや、拡大しようとしていたことをやめ、既存のシステムから抜ける道へ進むという決断をしました。

意識の流れに自己を向ける

自分自身の心の羅針盤に従い行動していく中で、「東京アーバンパーマカルチャー 」のソーヤー海さんと出会い、ソーヤーさんのマネージャーとして活動を開始した後藤さん。東京を中心にコミュニティガーデンを作るなど活動を展開する中で、仲間とともに自分たちが求める暮らしは実現できることを実感したといいます。

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(後藤さんのスライド資料より)

自分の中の「気」の流れを感じ、気の向きに従って実行していくことを意識していった後藤さん。その後、「暮らし」に対する意識が自ずと高まり、第3のステージとして高知で平和な暮らしを実践することに。
現在は、四万十川が目の前に流れる場所で、再生する暮らしをつくる 「Regenerative Life Lab」を立ち上げ、暮らしから始まる社会変革の研究と実践をされています。
朝日と共に目覚め、星と月との時間を味わい、山の水を飲み、薪でお風呂を沸かし、種をまき、自分の畑で採れた作物で料理し、コンポストトイレを使い…と、全ての命がつながりあっていることを実感していると語る後藤さん。

植物と人間の意識の変容の関係性、さらには社会の変容の関係について
ますます深めているそうです。

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イメージと行動のつながりをシンプルに考え、自分自身の気が向いている方向へ歩みを進めてみる。これは、人生を計画通りに進めるのではなく、自分の直感に従ってワクワクしたり心地良いと感じる人やもの、環境を選択していくことだと筆者は思いました。


新しい目で物事を見る

同時に、新しい目で物事を見ていくことの大切さも感じました。私たちは普段大きな「ピラミッド構造」の中で生活しています。実際に、2021年で世界の上位1%の超富裕層の資産は世界全体の個人資産の37.8%を占めているという報告もされており(※1)、こうした経済格差の問題もピラミッド構造であるがゆえに起こっている事態だと言えるでしょう。

後藤さんは繰り返しそうした社会構造から抜け出す意識を磨かれていましたが、それと同時に構造の根底にある「金融資本」に対する固執から逃れることも重要だと筆者は気がつきました。そのヒントとして後藤さんが紹介していたのは、「9つの資本」。「資本」は、金融だけでなく、人々とのつながりや文化など、私たちの周りにたくさん存在しています。後藤さんは、こうした資本にあらためて意識を向けることで、新しい目で物事を見られるようになるといいます。こうした9つの資本の考え方は、現在の社会の根底にある「ピラミッド構造」を見直し、これからの社会をつくるうえで大きなヒントになるのではないでしょうか。


今回は、意識変容と行動のつながりについて、その鍵となるエッセンスを後藤さんから紹介していただきました。多種多様な人生のストーリーを知ることで、自分自身の新しい目を引き出すことができる。そして、新しい目を磨き続けることで「夢を叶える」ことができるということに筆者自身気づきました。これからも、自分の行動と意識のつながりに集中して、恐れずに行動していきたいと思います!

次回は、TSUNAGU代表 小森優美による講義をレポートします。お楽しみに✨


 <参考>(※1)日本経済新聞(2021年12月27日)「世界の超富裕層1%、資産の37%独占 コロナで格差拡大」 



Written by Mari Kozawa




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