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サウナに使う材料のこと 〜製材編〜

みなさん、まいどです。
『つながるサウナ3.0』プロジェクトの現場長をさせていただいており、企画〜設計〜製作の部分を担当させていただいております、のっぴーです!
(現場長と勝手に言っておりますww)

ということで、

・なぜ、わざわざ製材所で材木を製材してもらうのか。
・今回なぜヒノキを選んだのか?
・ヒノキと一口に行っても色々な材料があること。

今回は、
なぜ、わざわざ製材所で材木を製材してもらうのか。
についてお話しいたしますね。

理由は、3つ。
・どこの樹を使っているかわからない
・どんな乾燥状態をされているかわからない
・製材した人の顔が見えない

先日お伺いしてきた製材所。
↓こちらにその時の記事があります。

○どこの樹を使っているかわからない

材木の流通の流れとして、
『材木が欲しい』となったら

材木屋さんに注文する

材木屋さんが製材所や問屋へ依頼する

材木屋さんへ納品

買手に届く

といった流れになります。
たくさんの方が関わるので、その中で直接材料が見えないというところが出てきます。
その代わり、材木屋さんにお願いすれば大体のものは揃うので、それはそれでありがたいです。
そもそも、経済というのはこうやって、回っているものだし。
もちろん、材木屋さんにお願いをすればある程度の産地(樹が育った地域)の指定ができたり、金額とのバランスとの相談ができたりするのはメリットです。
ただ、直接材料が見えないので本当に欲しい地域の樹を使っているのかは信頼関係になります。
そして、ホームセンターで購入する材木に関してはほぼ産地の指定はできないでしょう。
輸入材か国産材の指定もできないかも。

○どんな乾燥状態をされているかわからない

まずは、材木はなぜ乾燥させないといけないのか?
というところからお話ししないといけませんね。
ここでいう材木とは建物を建てるときなどに使えるような建築用材の状態になっている木のことで、そこに至るまでには山に生えている樹を伐って、製材をして、そこからやっと材木となります。
この、樹を伐って製材するまでの間に『乾燥』という工程があり、山に生えていた状態の丸太の木に含まれている水分を抜いていきます。
この水分が抜けていく時に縮んだり変形をしたりします。建物の状態になってから材木が縮んだり変形をすると建物がガタガタになる大変なことになるので、建築用材として使えるようになるためには※含水率20%以下(JAS規格)でなければいけません。
※含水率:材木に含まれる水分の割合

そして、この含水率ですがヒノキの生材の場合150%以上にもなると言われています。そこを20%あたりになるまで乾燥をさせないといけないのです。

乾燥といってもさまざまで、大きく分けて2つあります。
・天然乾燥(AD材 Air Dry)
・人工乾燥(KD材 Kiln Dry)

天然乾燥材とは、
簡単にいうと、一度目の製材(粗挽き)をした後、野ざらしで徐々に乾燥をしていく方法です。
小さな断面材の材料だと数ヶ月、大きな断面の材料だと数年乾燥期間が必要となります。
その分、保管して置く場所も手間もかかるのですね。

人工乾燥材とは、
高温の窯に材木を入れて、化石燃料やバイオマス燃料を用いて熱源をとり、強制的に熱で乾燥をさせていきます。
材木のサウナとでも言いましょうか。
英語でKilnとは窯を意味し、窯で乾燥させるということ。
乾燥期間としては1ヶ月程度で乾燥させます。
短期間で使用可能な木材が出来るので大量生産、大量消費の時代には欠かせない材料となってきたのですね。

しかし、この人工乾燥材というのが短期間で乾燥ができるというメリットの反対にもちろんデメリットも存在するわけで。

デメリットとは、人工乾燥の方法に由来するのですが、高温の窯に木材を入れる際に窯内の温度が100℃以上になるような高温乾燥と呼ばれるようなやり方があります。その際に、木に含まれている水分と一緒に油分まで抜けてしまうのです。
この油分というのが、防虫効果や香り成分などが含まれているのです。
そして、木の繊維を細胞レベルで破壊して材木そのものの強度も低下させています。

最近では、こういったデメリットを解消するために、中温減圧乾燥というものがあったり、低温除湿乾燥というものがあったりもしますが反面、乾燥に掛かる時間がどうしても長くなってしまったりもします。

痛し痒しと言ったところでしょうか、、、

○製材した人の顔が見えない

今回は、ヒノキを使ってサウナを作っていくわけなのですが、既製品(あらかじめ製材された材料がパッケージになっている)を使用して作って行っても良かったのです。
しかし、そう言った既製品をしようする場合、製材される材料が直接見えなかったり、製材をした方の顔が見えることは少ないです。
最近、食材ではか「産地直送」などが定番となって来て生産者さんの顔が見えるようにはなってきましたが、材木ではなかなかそう言ったことは実現が少い状況です。

そう言ったことも含めて、今回は直接製材所さんに製材をお願いしました。
お願いをした製材所は【 向井製材所 】さん。

向井製材所
奈良県山添村で創業60年余り製材業をされており現在3代目の社長さんとなります。
先代から製材業以外でも建設業もされており、現在は木工品のふるさと納税の返礼品やネット販売などもされており、木材を“伝える”ということに力を入れておられます。

そんな想いを以前からお聞きしており、いつか製材をお願いしたいなと思う中で今回の『つながるサウナ3.0』の話が出てきました。

今回サウナを製作する三重県名張市のお隣の奈良県山添村にあります。
そう、名張市は三重県といっても周りが奈良県の山に囲まれた場所で、県庁所在地の津へ行くよりも早く行けるのです(^^)
津までは1時間、山添までは20〜30分てなところです。
なので、三重県内の製材所さんへお願いするよりも実は距離が近いなんてこともこの名張では色々とあります。
そんなこんなで今回は向井製材所さんへお世話になることになりました。

そんな想いを詰めた『つながるサウナ3.0』。
完成が今からも楽しみです(^^)

三重県産の木材をつかって、「移動式ヒノキサウナ」をつくっています。ぜひ、一緒に楽しんでいきましょう! 2021年3月7日からクラウドファンディングを実施するので、ご支援よろしくお願いいたします!