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人の爪を笑うな 20210918

書けないひと

 とにかく書かない。違う、書けない。こんなんじゃ「書き手です」などと言える日はいつになるのか……ほんとうに自分がいやになる。

 そもそも机の前に座ることが好きではない。集中力も根気も足りない。得意なのは妄想だけで、論理的に考えることもできず教養もない。気が向いてもパソコンに打ち込まれる稚拙な言葉や文章が嫌になり、すぐ書くのを止めてしまう。目標としてきた阿波しらさぎ文学賞を受賞してからもこの姿勢は全く変わらないのだから自分でも呆れてしまう。「作家」を目指している人たちがどういう生活をしているのか私は知らないが、こんなに読み書きをしない状態で叶えられるものでないことだけはわかる。
 40代ではじめた「創作」という行為。楽しいと感じたことは実は一度もない。けれど時折あるのだ、それを幸福感というのかなんというのか、つまり満たされる感覚が。それは私が生きるためになくてはならないものであり、けして離してはいけないこと。だから、これからも必死にしがみついて何とかして書いていかなくてはいけないと思う。素養がなくとも言葉を知らなくとも、自分の幸せのために向わなければいけないことなのだろうと思う。

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