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画家と共鳴する、美術館体験。ロートレック展 感想

先月、招待券を頂きまして。
最終日に駆け込みで行って参りました!
(1ヶ月経ってしまった…笑)

「美術館に行って、自分がこの絵の中に入ったら…と妄想をしながら、ボーっとするのが好きなんです。」

とある雑誌で、とある方が仰っている記事を拝見しまして。
こんな美術館の楽しみ方があったのか…!と衝撃を受けました。
それ、楽しそう〜!

そんな中頂いたご縁(チケット)ですので、むん、と胸を躍らせてSONPO美術館に向かったのであります。


アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックとは

1864年~1901年、フランスで活躍された画家・版画家です。
美術に疎い私は、こちらにお邪魔するまで存じ上げなかったのですが…

ムーラン・ルージュの踊り子たちや、そのポスターを数多く手がけたというではありませんか!
心の奥底からテンションが高まっていくのを感じます!

というのも、夏に『ムーラン・ルージュ!ザ ミュージカル』を観劇したり、そもそも宝塚をはじめミュージカル全般、観劇をするのが趣味なワタクシ。

ロートレックさんとは趣味が合いそうだ…!

そんなわけで、いざ入場~!
最終日でしたが、時間予約制でしたので想像ほどの混雑はなく見やすかったです。


まず待っていたのは、おびただしい数の素描たち

技術的なことは何もわかりませんが、プリントの脇に落書きをよくしていたな~なんて自分の学生時代を思い出しました。

ロートレックさんが思い付きのままに走らせた鉛筆の筆跡、その瑞々しさがそうさせたのかもしれません。
なかでもお父さんの似顔絵がとってもキュート。
きっと大好きだったんだろうなあ。

馬の絵の多さも印象的でした。
こちらもお父さんの影響だそうで。
絵って、人生だ…。


お部屋が変われば、展示されている絵の印象もガラっと変わります!
モデルさんの絵がズラリと並ぶ部屋へ。そう、

夜の女たちームーラン・ルージュの踊り子たちです!

ここ、本当に楽しくて。
「絵の中に入ったら…」という妄想をすればするほど、なんとな~くロートレックさんの気持ちが分かるような気がしたのです。
美術館でこんな体験ははじめて!

・人の汗と香水、料理・酒・たばこの匂いー惹きつけられる香りと受け付けない臭気が同時に押し寄せる、湿度の高い空間。
・人であふれかえるキャバレー。混雑、話し声、叫び声。隣の人の声が聞こえないほどの喧騒。
・踊り子の脚とともに高まる熱気。
・真っ赤なルージュを引いた、高い舞台から客を見下ろす、夜のミューズ。

こんな情景が、自分の脳内に広がっていくようでした。
18世紀後半のフランスにタイムスリップしたような…そんな気分。

なかでも、ロートレックさんが夢中になっていた踊り子さんの絵は、少し冷たい眼差しが印象的。
アングルは見下すような…。
正面ではなく、顎は上げたまま視線は下に落とし、顔に影を入れているものが多かったです。
唇には鮮やかな色彩。

ロートレックさん…
もしや推しに冷たく見下されたいタイプのオタク?!
わかる!わかるよお~~~!!!!
(わかっているのか?)

知的な文化鑑賞風の心持ちが崩れ去り、私のオタク心とロートレックさんの感性(オタク心)が共鳴してしまった瞬間でした。
(筆者の盛大な勘違いです)

絶対そうだよ、だって推しじゃない踊り子さんの絵はみんな正面だったし
(???)

そんなわけで、推しを絵に描き残すタイプのオタク・ロートレックさんは、そのデッサン力が評価され、ムーラン・ルージュの公演ポスターやプログラムの挿絵を任されるようになります。
最も成功したオタクだね
(オタク前提やめなさい)

撮影OKの作品たちをご紹介。
ラ・ルヴュ・ブランシュは当時のフランスの芸術・文芸雑誌だそう。
ブルーアントがロートレックに依頼した公演ポスター。
カフェ・コンセール『ディヴァン・ジャポネ』の宣伝ポスター。
昔のカフェは今のような喫茶店ではなく、キャバレーのような雰囲気だったそうです。


やがて、ロートレックさんは表舞台に立つ踊り子だけでなく、その裏側も描くようになったそうです。

それは、リアルなー決して華やかだけではない、彼女たちの困窮や友情、病気…生活を描いたものでした。

彼女たちとロートレックさんの気の張らない、何気ない会話が聞こえてくるようで、なんだかたくましい登場人物たちをまるごと愛せそうな、そんな気がしました。

なかでも自分が描かれた版画をチェックする踊り子さんのオフの姿を描いた、こちらの絵がお気に入り。
ポストカードがあったので即購入。(笑)

上の絵です!
版画を刷ってる職人さんの表情も、味わい深い。(笑)
娼婦と空の道具箱を持った医者と犬ちゃん。
右はロートレックさんの推し。

ロートレックさんはアルコール依存症もあり、36歳の若さで亡くなったそうです。
なんだかキャバレーで見る一瞬の夢のような、そんな人生だったのかしら…なんて考えてしまいました。

会場をあとにする前、こんな冊子も頂きました!

日本にもあった、ムーラン・ルージュ!
ヅカオタにとって興味深い一冊でした…!

現在は、札幌に巡回しているそうです。
興味のある方はぜひ行ってみてください♪


別日、ロートレックの絵が施されたワインを見つけて、つい買ってしまったよの写真。

芸術の秋ですなあ。

味わい深い秋のスタートとなりました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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