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【観劇記録】エリザベート

観てきました!
エリザベートに出会わなかったら、こんなにも舞台観劇をする人生になってなかったと思う。
私にとって特別なミュージカルです。

今回の公演、花總まりさんの集大成と言われていて…
お花様の演じるシシィが大好きな私としてはなんとしてでも観たかったので、チケットが取れて無事に幕も開いて良かったなと心から思います。

私が観劇した回のキャストはこちら。

エリザベート、やはり奥深く…
考えるほど深みに嵌り収拾がつかなくなるので、今回の公演で初めて感じた事を中心に。
それでは感想書いていこ〜!!

現実と非現実の狭間で

今まで観たエリザベートの中で、
1番現実と非現実のギャップが大きいなと感じました。
現実と非現実というのは、シシィ・ハプスブルク家を中心としたウィーンとトートが存在する黄泉の世界の事です。

『死』が生きている人々のすぐ後ろに潜んでいるように、現実と非現実が混ざり合っているような年・公演もあった思うのですが、今回はパッキリと別れていた気がします。

だからこそ、トートがエリザベートと対峙したり、政治的な場面にトートが忍び寄る場面の不協和音が異様に響き渡っていました(演奏も素晴らしかった…)

その要因としては、今回のキャストの掛け合わせがやはり大きいな〜と思います。

古川トート×花シシィ

まずは古川雄大さんのトート。
身長の高さ、顔の小ささ、声質のエロさ(おい)
人外感・カリスマ性がハンパない。
ガタイも増していたような…
あと物凄〜〜〜く感情爆発型で、ロマンティックなトート!!!
黄泉の帝王としてありとあらゆる人間の命を奪ってきたけど、心を奪われたのはシシィが初めてだったのでは。
「私を燃やす 愛…」って歌いながらウットリしてるし『愛と死の輪舞』では目かっぴらいてトゥンク…ってなってるし『最後のダンス』ではハァハァしながらスライディング咆哮でシシィに詰め寄るあたり、

この帝王…距離の詰め方…下手すぎ………?!?!

と思うほどにはキモ怖アプローチでした(褒めてる)
古川くんのお耽美なビジュアルだからこそ成立するお芝居だぞ…!
人間離れした外見と、
人間らしいが、並の人間ではない感覚の芝居だからこそ、トートの非現実感が浮き彫りになっていました。

そして花總まりさんのエリザベート
現実に抗う事で、自己を保とうと奮闘するシシィでした。
おそらくお花様の演じるエリザベートって、
辛いことがあった時に何くそ!と悉く向かって戦っていくタイプではない。
天真爛漫タイプではあるけれど、もう逃げられない環境に置かれた時にはじめて、自分を守るために抗ったのではと思います。

蘭ちゃんシシィやちゃぴシシィ(2019)のように、元々芯が強く、押せ押せドンドンなシシィも大好きなのですが、
目の前の現実に必死で抵抗して自己を築こう、守ろうと奮闘する花シシィには、現代を生きる私達自身を投影し共感し、勇気を貰えるから惹かれるのだと思います。
その為、シシィの前に立ち憚る現実が物凄くリアルに感じられる。

古川トートと花シシィのギャップが、現実と非現実のギャップを生み、交わった時に不協和音を奏でるのだと思いました。

あと今回面白かったのが、ルキーニ!

無政府主義者してのルイジ・ルキーニ

黒羽麻璃央さんの演じるルキーニ
これまでのルキーニにない新しいルキーニ像だと思いました。

史実上だと間違いなく無政府主義者で皇后エリザベートの暗殺者なのですが、
ミュージカルにおいてはストーリーテラーとしての役割が主で、人によってはトートの崇拝者としての役創りをする方もいらっしゃる役。

黒羽ルキーニは、その点でいうと全くトートを崇拝している様子が見られなかったんですよね。
お辞儀とかはまぁしているけれど…
確固たる自身の政治的な信念を持ち、あの時代の現実を生きた1人の人間として存在していたのです。

エリザベートの幼少期〜は流すように演じていたのに対し、『ミルク』『キッチュ』辺りの皇后批判が入るナンバーからこれまでが嘘のように力強く情念を込めて歌い上げる。怖いほどに。
クレイジーというより、かなりクレヴァー寄り。

「オルレアン公を殺すつもりだった」
「偉そうな奴なら誰でもよかった」
というルキーニの台詞が、初めて腑に落ちたんです。
そして、シシィが刺された時の、
トートのなんとも言えない複雑な表情。

『早く来い!ルキーニ!!』と叫ぶトートと
短剣を受け取るルキーニの場面。
今まではシシィを殺すよう命じたのだと
信じて疑わなかったのですが、
違ったのかもしれないと初めて思いました。
本当はトートもルキーニにもオルレアン公を殺し、
フランツを追い詰めようとした。
が、ルキーニの個人的な信念によって、
シシィは殺されてしまったのではと…

黒羽ルキーニがしっかりと『現実』に足をつけているからこそ、私の中で生まれた解釈だったのだと思います。

その他のキャストについて

佐藤フランツ
歌うまい…!
マザコン度は低くて、皇帝教育・指針によって人間性を育てその価値観で生きる人。
だからこそ夜のボートで心からシシィを愛していることが伝わってきてしんどかった…

香寿ゾフィー
凛とした国を思う気持ちがぶれない強い人。
息子に見放されてしまう時が切なかった。

立石ルドルフ
多分歴代1弱いルドルフ。
愛に飢えたまま、必要としてくれた大人達の言葉に踊らされて死んでしまった印象。
最期、眠るように死んでいく様に情緒が弾けた

子ルド三木くん

感情を歌に乗せるのがうますぎませんか??

美麗マデレーネ
おしりをガン見してしまいました。ごめんなさい
かわいかったです。

彩花ヴィンディッシュ嬢
歌声の美しさとお芝居のギャップが素晴らしかった。
花シシィと対等に対峙していて感動しました


まだまだ感じた事がいっぱいあるけど、
きりがないのでこのへんで。
読んで下さりありがとうございました!

エーヤン、エリザベート!

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