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【観劇記録】宝塚雪組・蒼穹の昴②

さて、今回は前回書き切れなかった感想の続きです!
キャストの感想を中心に書いていこうと思います。

※前回の記事はこちら




『蒼穹の昴』、雪組子と専科さんの全員が『ハマり役を演じている』というより

     『ハマり役にしている』

と言った表現が適切じゃないかと思うほどの熱演!

書きたいままに書いていきたいと思います〜!
ここからはオタクもネタバレも全開!!!(笑)


梁文秀ー彩風咲奈 
打たれ耐える人の美しさ

全てのシーンについて1つ1つ感想を書きたいくらい!(笑)素晴らしかった!!

大劇場公演では残念なイケメン(冴羽さん)や、のんびりさん(夢さん)など、
「この役、トップさんがやるの?!」
と開幕前にはちらほら聞こえた役も、
幕があけば大好評をかっさらった咲ちゃんですが

ついにきた!!!!!!!
ザ・タカラヅカ 正統派二枚目 科挙第一等状元トップスター・彩風咲奈!!!!!!!!!!


私はこんな彩風咲奈を待っていた…。

いきなりですが、私は咲ちゃんの「受け」芝居が好きです。
例えば『CITY HUNTER』の冴羽さんも、自分から動くより周囲の人の動きを受けて反応するシーンが多かったり、
『夢介千両みやげ』の夢さんは、完全に巻き込まれ体質だったりしますよね。
咲ちゃんがそういった場面で役として生きる時の、
周りの芝居を受けて・返す芝居には、
彼女にしかない包容力や男気・暖かい人間性が表出するように思います。だから好き。

文秀は自分の信念を持ちつつ、他人を尊重する大きな懐を持った人物。
ストーリー的にも、1幕は自分が周囲を引っ張り、2幕は周囲を受け止めていく芝居の割合が増えていきます。

エッ・・・!
そんなん私の好きな彩風咲奈詰め放題やん。
というか全編通して梁文秀という人物がそもそもどストレートにメチャクチャかっこいいし、咲ちゃん芝居の良さがドバドバ出てるし、純粋にサキナアヤカゼが素敵過ぎて、文秀なのか芝居なのか彩風なのか一体私はどこに惹かれているのかわからん・・・?!?!?!
(答え:全部)

特に好きなのは、
タンストン処刑場面の銀橋の文秀。
俯き、そしてゆっくりと空を見上げる文秀の姿が
とてつもなく美しかった。

文秀の人生の演じるとは、「受け」芝居における最深部までいく事だと思います。
絶望の淵で、大切な人々の志を全て背負って生きることを選ぶのですから。

抱え、打たれ、耐えて、立つ姿にこんなにも惹かれてしまうのは、咲ちゃんの生きる文秀が、全編通して自分を信じた仲間達の思いを受け止めている事が伝わるからです。


『蒼穹の昴』は、間違いなく彩風さんの代表作になったと思います。
素晴らしい、熱演でした!!



李玲玲-朝月希和 
地に生きる人

今まで希和ちゃん=子役のイメージが私の中であまりなく、希和ちゃんの「ふわり…」から始まるソロを目の当たりにして度肝を抜かれました。

ミュージカルの舞台に立つ子役さん達が歌っているかのような、真っ直ぐに伸びる歌声。
子役さんの歌声って、凝り固まった大人達の心を溶かす成分でも入ってるんじゃないかと思うほど、ピュアでまっすぐで聴くといつも泣いてしまうのですが(大丈夫?)、大人の女性の歌声でそんな風に心が震えたのは初めてでした。
声に、小さな玲玲が宿っているかのようでした。

文秀さんが里帰りし白太太占いの真実を聞いた瞬間に落ちる、真珠の様に丸い涙粒。
ぺたりと座り込む姿。
希和ちゃんの演じる小さな玲玲の、一挙手一投足がピュアで可愛くて、心が揺さぶられて仕方ありませんでした。

玲玲は、この物語の主要人物で唯一宮中に直接的な関わりを持たず、清国の民として生きています。
そして1番、人としての喜びや悲しみを経験をしている人かもしれません。残酷なほどに。
短く・少ない場面の中で、1人の女性の成長、淡い恋心、掴みかけた幸せだったかもしれないもの-心の中にうごめく感情を観客にも伝わる形で表現する希和ちゃんの演技力、素晴らしかったです!
正直、まだまだ見ていたかったーーー!!!!

どんなことがあっても地に足をつけて立ち上がり、他人の笑顔に幸せを見出す玲玲は、まさしく春児の妹ですし、希和ちゃんそのものに見えました。
希和ちゃん、ありがとう。大好きです。



李春児-朝美絢 
真っ直ぐに、ひたむきに。

ちゅんるーーーーーーー!🫶🫶🫶🫶🫶
(突然の偏差値3)

もうね、原作でもドラマでも「こんなに純粋で可愛くて心の優しい子いる?!」って思ったんですけど

宝塚にもいた。朝美絢です。

昴は空ではなくあなたの瞳の中にあるよ、って言いたくなるほどの目の輝き。
私、あーさはまさに春児のようだなと思いながら原作を履修していたんです。

あーさが組配属された頃の月組は、キラキラのスターが揃いぶみでした。
正直彼女より抜擢されていた学年が近い生徒は上にも下にもいて、お世辞にも最初から役付きが良かったり出番が多いとは言えない状況でした。
そんな中でも、あーさは与えられたチャンスを全力で全うしていきました。
舞台の端にいても、いつも瞳がキラキラしていた。
チャンスをものにしていったあーさは、その実力やスター性が評判を呼び、どんどん人気も出てきて、新人公演主演やバウ主演を勝ち取って行くようになりました。
決して驕らず努力を怠らず、歌も芝居も目に見えて上達していきました。
今や立派な2番手スターです。

どんな時でも笑顔を絶やさず、糞拾いの少年から大総官へ登り詰めた、まさしく李春雲そのもののようだと思いました。

…とここまで私個人が見てきた朝美絢という人物についてまでつらつら書いてしまったんですけれども、

んな事ぁ関係ない!と言わんばかりに、もはや朝美絢というバックボーンすらも感じさせない、真の「春児」がそこにいたんですよ(涙)

私が1番好きなシーンはこちらです。
朝美絢が春児を演じるのは天命だったと言われたら、即信じる。




ここからは少しボリュームを落として書いていきます(このペースで書いていくと一生書き終わらないんじゃないかと不安になったオタク)

順桂ー和希そら 
心の奥底にある寂しさ

順桂が瞬恋である話とか、阿片窟とか銀橋ソロとか爆破とかの話も一生していたいんですけど、

もうさー!!
私は和希そらの心の奥底にある蓋をしたはずの寂しさが垣間見える芝居が大好きなんだよね!!!!!!!!!!(2幕冒頭)

「俺もお前みたいな心を持てたらと何度も思ったよ…ッ」
の、そらぴの良さ

西太后ツナ「銀100両を与える。そして明日からはツナの側に使えよ」(やめてください)

あァ〜本当はメチャクチャ文秀に理解してもらいたいんじゃん順桂〜でも文秀の言い分も頭では理解してるし何より大切な仲間であり尊敬しているからこその台詞だァ〜〜やめてぇその寂しさが滲み出てる瞳〜〜〜〜〜ってなります(あなたはダダ漏れしすぎ)

ハァ…これ書いてたら心中・恋の大和路みたくなっちゃった(訳:寂しさを拗らせたまま大きくなったそらぴ忠兵衛ハオ)



光緒帝ー縣千 
生まれながらの天子

縣千って天子だからね?!?!?!
(狂った雪担のクソデカ感情)

いや〜もうこれはキャスティングの原田先生本当ありがとうございます!
脚本と演出によっては、そらぴとかがやってもおかしくない登場人物だと思うんですよ。
まぁでも、

     縣千は天子ですからね………

黄色=清朝で皇帝しか使う事を許されない色=縣千にしか許されない色ですね。もはや
衣装が喜んでおったわ

立ち姿だけでこの人が皇帝だとわかる貫禄、強みである勢いや男らしさを抑えた朗らかな口調、聡明さを感じる微笑み…

めちゃくちゃ良かった…縣帝…
特に結婚式の場面の腑に落ちてない顔が好きです。(そこ?)



李鴻章-凪七瑠海 
熱を操る専科スター様

あぁ〜これだからカチャのお芝居が好きなんだよ〜のオンパレードでほくほくしてます(笑)

若者チーム(変法派)が激しく台詞を言い合ったり、テンポが早くなる場面も多いと思うんですけど、芝居が走ってるな…と思ってた時に

    カチャ李鴻章のシーンくるの最高

翰林院での議論やタンストン処刑〜文秀銀橋の場面のあと、若者チームの芝居や客席の熱がガーッと上がった時に、李鴻章さんが絶妙な塩梅でクールダウンしてくれるんですよね…

かと思いきや、日清戦争で場では青い炎を滾らせて盛り上がりをギューン作って、パッと散る…敗北感を演出するでしょ…

脚本と演出(作品の世界観)に自分の芝居をハメていく作業が上手すぎる。
(月組イズム感じる〜好き〜)

カチャにしか出せない『品』が、この蒼穹の昴の李鴻章というキャラクターにも合致しており最高でした。



王逸ー一禾あお 
ツナ的ルーキー賞!

王逸は原作でも好きな人物なのですが、本当に歌もお芝居も上手で!
元気と熱さ、そして頭の回転の早さも伺える、一禾くんらしい王逸でした。
一禾くんからはゴリゴリの雪組芝居魂を感じるので、もう大好き(笑)

『作品の世界観を作り上げるために自分の役はどう動くか』な月組芝居に対して、雪組芝居は『其々が自分の役を掘り下げ全員で合わせた時にどんな世界観になるか』な印象。圧倒的個人的主観ですが。

なので、月組芝居の専科スターカチャVS雪組芝居ルーキー一禾の天津の場面は大ッッ好き!(笑)
公演を重ねるにつれ、カチャに色々教わってるんだろうな…トーンの使い分けや台詞一言一言につける表情が日に日によくなってるもん…と思いながら、
袁世凱さんと同じ顔で一一禾を見てました😳(笑)

新公春児も良かったよ〜!
多分この公演で1番覚える量多かったんじゃないか…



安徳海-天月翼 
芝居力爆発。MVP!

ツナ的MVPはつーちゃん!!
安徳海さん実在した。
ドラマで冨貴寺にいる安徳海さんをはじめとする引退した宦官達のビジュアルを見ていたので、宝塚でどうやるんだろう…と思ってたんですけど、

宝塚の美、という概念を覆して、もう見た目のかっこよさとかかなぐり捨てて、役を極限まで深めるつーちゃんが最高にかっこよかった!!!!!

春児との出会いの場面、ここ同期ですよ??
と思うともう涙が出てくる。
こんなに年を離れた役をお互いに深めて対峙してるなんてさあ〜

見た目だけじゃなくて、所作や表情筋の動かし方なんかでも年を食ってるんだなあ…って一目でわかるし、少ない場面で後宮仕えでの感謝と恨み両方持って生きている事も理解できるし、なにより春児と蘭琴に希望を見出している事も伝わるし…。
もう専科さんって言われても驚かないレベル。

タンストンが玲玲に告白してる場面の安徳海さんが可愛くてお気に入りです。



私に精神力と体力がハチャメチャに備わっていたら、西太后はじめとする専科さん、タンストンすわっちや黒牡丹はいちゃんや趙掌案的かりあんや蘭琴せいみぃなど雪組1人1人について事細かく書いていきたいけど、未だに群舞の話に辿りついていない事に今気づいたので、今回はここまでで…!

     みんな素晴らしかったです!

私の記憶が溶けていなかったら、フィナーレの素晴らしさと群舞について書きたい(書くとは言ってない)


ではでは!ここまで読んで下さりありがとうございました!

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