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突然いっぱいテレビドラマ見たから紹介する

テレビドラマは好きなんですけど、見る習慣がなくて全然見てない。
テレビはないようなもんだし、テレビを見ないとなんのドラマがやってるのかよくわからないし、毎週欠かさず何かを見るのも苦手。

アニメもドラマも、全部終わってからアマプラで全部見る方式を採用してます。
最近はそれすらあんまりしていなかったけど、2024年1~3月に放送されていた「おっさんずラブリターンズ」きっかけに寝る前にスマホでアマプラとかでちょこちょこ見るのが習慣化。
気になってたものなどいろいろ見たので、この3か月くらいで見た連続テレビドラマを一挙並べてみます。

前半にどんなドラマかとちょっとした感想を書いて、後半はネタバレありで感想書きます。


※リンクには広告を含みます


逃げるは恥だが役に立つ(2016年)

「逃げ恥」のタイトルを知らない人はいないでしょう。
私もタイトルと星野源とガッキーが恋ダンスを踊ることは知ってましたが、それ以上のことは何も知らず。
アンナチュラル、MIU404と同じ脚本家だし、社会現象クラスの作品は一般教養として通っておくべきとも思っていたので、まずはこちらを拝見しました。


派遣切りに遭って無職になったみくり(新垣結衣)は、父の知り合いの津崎(星野源)の家で家事代行のバイトを始める。
利害関係の一致から「雇用主と従業員」という関係の「契約結婚」をするものの、徐々に二人の関係性も変わっていく。


最初のうちは「どんぶり勘定なところもあるけど確実に笑えてキュンとして楽しめる最低限の面白さは保証された優等生トレンディドラマ」の類に見えたんですが、話が進むにつれてどんどん独自性が見えてきて面白くなってきました。

そもそもが突拍子もない設定だし現実味のない部分も多々あるのだけど、徐々にこの世界のリアリティの輪郭がはっきりしてくる。

それはとにかくキャラクターひとりひとりを丁寧に深掘って描いているから。
話の都合で動いて、話の都合で喋るだけじゃなくて、この世界に生きる人全員が自分の人生を生きながらみくりたちに関わっている。

「生き方の多様性を描きます!」なんていう看板は掲げずに、自然とメッセージを届けるシナリオは見事でした。
恋愛模様もじれったくも面白く、シリアスとコメディのバランスもよく、これは確かに名作。

ガッキーを初めてちゃんとじっくり見ましたが、信じられんくらい可愛いですね。
あと石田ゆり子さんはなんでずっとかわいいの…
綺麗なバリキャリお姉さんだけどめちゃめちゃにキュートっていうやつ、20年くらい前にも見たよ。
ずっとキュートなお姉さんのゆりちゃん可愛すぎます。


カルテット(2017年)

これも放送時にわたしにもそのタイトルくらいは届いてたので、相当な話題作だったはずで、いつかは見たいと思っていました。
坂元裕二脚本。

「カルテット」って男女4人が恋愛でごちゃごちゃするやつの比喩だと思ってたら、本当にカルテットの話で驚きました。


偶然?出会ったアマチュア弦楽器奏者の男女4人(松たか子、満島ひかり、松田龍平、高橋一生)、カルテットを結成し、週末は軽井沢に集まる。


…くらいしか、あらすじの説明のしようがない。

4人全員が何か秘めたものを抱えながら軽井沢の別荘で過ごし、四重奏を奏でてる。
コメディであり、恋愛ドラマっぽくもあるけど、ジャンルを限定するならサスペンスになるのかな。

個性的なキャラクターと、独特の会話劇、そして数々の謎。
あまり説明できないけど私はかなり好きです。


そしてとにかくエンディングテーマを見てください!!!!
アマプラとかで勝手にエンディング飛ばして次の話にいっちゃうやつへの殺意の高さランキングで7年連続第1位を取ってるはず。

MVをYouTubeとかで見られるようにしてほしい、たまに見たいから。
エンディング見るためだけでもドラマ見てほしいくらい。

曲はこれ


4人のキャラクターが、本来4人が持つ美しさとかそういう魅力からはちょっと離れてるので、そこからこのエンディング見せられたときに一気に生じるギャップの大きさで入院します。


大豆田とわ子と3人の元夫(2021年)

これも坂元裕二×松たか子。
しかも松田龍平が元夫の1人なので、メインの4人中2人がカルテット。


大豆田とわ子(松たか子)は3回結婚して3回離婚している。
元夫たち、会社、娘、母親、親友との関わり、そして夫たちの恋愛事情など、都会に生きる人たちを描くコメディ。


これこそあらすじの書きようもない、人間が生きてるところを描いてるだけ、みたいなドラマ。

カルテットは会話劇×サスペンスだったけど、これは会話劇だけをやってる感じ。
面白い、続きが気になる、とかじゃなくて、この人たちが好きだから、大豆田とわ子が好きだから見たい、そういう感覚で結構好きでした。

真面目な顔して、リアルのふりしてるけど、結構ギャグというか、与太話。
その中にいろいろ混ぜ込んである。
インテリアとか画面がお洒落なのも魅力です。


30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(2020年)

知らぬ間にこの世にはBL的なドラマがたくさん存在してるんですね。
おっさんずラブ、きのう何食べた?は見てましたが、これは知りませんでした。
通称「チェリまほ」。


30歳まで童貞で「他人の心が読める」魔法が発動してしまった安達(赤楚衛二)は、同僚のイケメン黒沢(町田啓太)の自分への恋心を知ってしまう。


難しいこと考えず気軽に見られるラブコメ。
とにかく赤楚衛二と町田啓太のカップルの完成度が高すぎる
もうこのキャスティングが大勝利。
BLや少女漫画のベタを端からやってるような中身だから下手したら寒いだけで終わりそうなもんだけど、二人のビジュアルや解釈がパーフェクトコンボ決めてるから本来のポテンシャルよりも上行ってる。

どこまでも優しい純愛ドラマで、予定調和の連続なので、とにかく安心して楽しめます。これはいい意味で言ってます。

それなのに「チェリまほ」で検索するとサジェストが「がっかり」「炎上」などネガティブなワードが並ぶんですけど、それはあとで書きますね。


テレビドラマではBLっていう一種のファンタジージャンルをやってるんだけど、映画では話の展開に合わせてレイヤーの切り替えをしていたのはじょうずでした(それもがっかりと言われてもいますが)


あのときキスしておけば(2021年)

おっさんずラブリターンズで井浦新と三浦翔平がキスするわけですが、その前に「あのキス」ですでにキスしてたっていうんで見てみました。


スーパーの青果担当の桃地(松坂桃李)は大好きな漫画家「蟹窯ジョー」こと巴(麻生久美子)と出会い、彼女から好意を寄せられるようになる。
二人で沖縄旅行に行くことになるがその飛行機が事故に遭い、桃地は無事だが巴は死亡…のはずが、おっさん(井浦新)の姿になっていた…


これがねえ、本当に面白いです!
不純な動機で拝見したんですけど、そんなんどうでもよくなるくらいドラマとしての完成度がめちゃくちゃ高い。
とってつけたような設定がなくて、雑に盛ったけど生かされないとか、説明が足りてないよと思うところもなく、おどろくほどに構成が美しい。
と思ったら、でえベテランの大石静さんの脚本だったんですねえ。

キャラクターの良さに加えて役者陣も素晴らしく、可愛らしさが天元突破した松坂桃李、美しすぎる麻生久美子、麻生久美子を研究しつくした井浦新、うっとおしい役をうっとおしく演じる三浦翔平、脇を固める猫背椿や六角慎二らも印象的。

松坂桃李も井浦新も可愛くて、胸が熱くなるところがいっぱいで、幸せでせつなくて、これはとにかく見てください!


VIVANT(2023年)

Twitterの広告にもしょっちゅう出てきてたので、テレビを見ていなくても存在は刷り込まれてました。
このくらいの桁違いの話題作は引用やパロディに出会うことも多いので、履修しておかねばなりません。


商社でインフラ事業に携わる乃木(堺雅人)は1億ドルの誤送金への関与が疑われ、差額の回収のため中央アジアのバルカ共和国に飛ぶ。
金の行方を追ううちに爆破事件に巻き込まれ現地警察に追われる中で、公安の野崎(阿部寛)、医師の薫(二階堂ふみ)らに出会い、ご送金事件の謎、そして黒幕と思われるテロ組織「テント」に迫っていく。
そして、小心者のサラリーマンに見える乃木は「別班」なのか…


宣伝、制作、海外ロケに巨額の費用が投入され、民放テレビドラマとは思えない規模の作品には間違いありません。
日本のテレビドラマとしてはなかなかすごかったです。
日本のテレビドラマとしては、というレベルにおさまってしまっていた感は否めませんが。

まあ規模はでっかいし俳優は豪華だし何転もする展開とか面白いは面白いので、履修という意味でも触れておいても損はないと思います。


第1話は2時間あって、ほとんどモンゴルロケという気合の入りよう。
ながら見しようとしたら字幕のシーンが多くて困った。
集中できるときに見てください。

あのキスの直後に見たので、従順な松坂桃李が可愛く見えて仕方がなかった。


不適切にもほどがある!(2024年)

VIVANTを見終わって、ちょうど最終話配信のタイミングだったので視聴。
これも放送中は話題でしたね。


中学校の体育教師で野球部の顧問の小川市郎(阿部サダヲ)は1986年から2024年にタイムスリップしてしまう。
昭和のおじさんは令和のコンプラ的には「不適切」極まりない。
セクハラ、パワハラなどの社会問題に対し、昭和の感覚で物申したり、考えをアップデートしたりしつつ、自分や家族の未来も知ることになる。


笑って泣けるヒューマンコメディ。
率直に面白かったです。

市郎のもとの時代あたりに生まれた者としては、「昭和的な感覚」を幼少期に浴びており、令和でもギリ若者をやってるので、昭和的なものの嫌さも、コンプラがんじがらめの嫌さも分かる。
若干昭和への郷愁を強めに感じるのは、やっぱり制作陣はもっと上の世代だからなのかな。
そのへんの昭和賛辞っぽさを嫌悪する声もあって分からなくもないけど、まあこういうドラマとして楽しめる範囲ではありました。

突然のミュージカルとか、グループ魂のロックオペラコントを彷彿とさせ、個人的には感慨深かった。


クドカンらしい笑いと、愛と涙の家族のドラマ、社会問題に切り込むカタルシスも得られて、一粒で何度もおいしい満足感がある。
是非2024年に見てください。

最初から最後まで仲里依紗がずっとかわいいです。


こんなところです。

あと凪のお暇も見たけど、これは漫画を読んだ方がいいし、少女漫画の回でドラマも紹介してます。


しかし、わたしは見たものをすぐ忘れてしまうし、そのときこんなこと思ったはずだけどっていうのもだいぶ忘れちゃってるので、見たらすぐどっかに書いとかないとダメですね。
これからはちゃんとメモしよう。

そんな曖昧な記憶ですが、この先はネタバレ含む感想を書きます。
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逃げ恥

この作品、現代の問題をシナリオに盛り込むのが非常に上手ですよね。
この前に見たのがそれが下手すぎて炎上しかけてたおっさんずラブリターンズだったので、ああこれがやりたかったんだなぁと逃げ恥見て思いました。
逃げ恥って2016年なんでもう結構前なんですけど、よほどリアルでした。

アンナチュラルやMIU404でも野木さんの脚本は社会問題の扱い方があまりにうますぎると思っていたんだけど、逃げ恥に関しては原作があるので、どこまで原作にあるのかが分からない部分もあるのですが。

印象的だったのが2話でのこと。
ひらまささんがゲイの沼田さんにとってしまった失礼な態度を沼田さんのセリフひとつふたつで表現し、それをひらまささんは即理解して反省し、1分もかからずにそのくだりは強烈な印象だけを残し、終わった。
ダラダラ事件おこして解決して仲直りしてみたいな、1回丸々使ってしょうもない話やってもおかしくないテーマなのに、ものの40秒くらいで片づけてしまう表現力とセンスが凄まじい。

だからなんでスペシャルはあんな感じだったんだろうと思ってしまうんだけど、まあ仕方ない。
(MIU404の回でも少し触れてます)


カルテット

このドラマの素晴らしさは「謎を謎のままにした」こと、もっといえば「謎を謎のままにできた」ことだと思う。

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