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お雑煮大乱闘

ずっと気になっていたことがある。

お雑煮のことである。

おすまし派の人と白味噌派の人が結婚したとき、正月の雑煮をどちらにするか、どうやって決めているのだろう。

子どもの頃、一度母に確認したことがある。幸いにも我が家は両親ともに白味噌で育ったので、自然な流れで正月を迎えたらしい。これで私の疑問は再び胸の奥に秘められることとなった。

とはいえもうアラサーである。周りからは「結婚したら貯金は隠しときなよ」だの「家事の分担は決めておいた方がいいね」だのなにかとアドバイスをいただく。だがそんなことはどうでもいい。

雑煮だ!
雑煮はどうするんだ!

試しに「結婚前に決めておくこと」でググってみたが、お雑煮について触れている記事は見当たらなかった。

今まで400冊近く本を読んできた。その中にはリアルな恋愛事情や結婚生活を描いたものもたくさんあった。それなのに結婚前にお雑煮の相談をするシーンはどこにもない!何故!

正月という特別な行事と結びつくお雑煮は他の料理に比べても思い入れはより一層強いはずである。かく言う私だって、好きになった人がおすまし派だったらどうしようと日々戦々恐々とし、とても恋なんてできる精神状態ではない。どんなに愛する人でも、白味噌は譲れない。


先日、職場の休憩室でどんな流れだったかこのお雑煮の話になった。皆独身の若手である。関西ということもあり派閥は若干の白味噌優勢。中にはご両親が異なる派閥、という後輩もいるではないか。

そこで思い切って、例の質問を繰り出してみた。しかし、後輩はうーんと首を捻るばかり。考えたことすらないようだ。私が切り出したせいで一緒にいた先輩までもやもや。二人して後輩から答えを引き出そうと畳み掛ける。

「やっぱ討論が行われたんかな?」
と私。
「そりゃもう大乱闘があったんでしょう」
と先輩。

いや、私手出すとは一言も言ってませんけど!


でもそれぐらいの大問題だと思うのです、お雑煮。もしお雑煮大乱闘をご経験の方がいらっしゃったら、その模様を是非教えていただきたい。少しは恋をする気も起きるかもしれな、いや、やっぱり嫌になるかもしれないけれど。


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