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乳がん治療 36-分子標的薬、ハーセプチンとパージェタ開始 ・・・これって何?

最後のDHPから3週間が経ち、分子標的薬のHP(前回のD=ドセタキセルを除いた2剤:H=ハーセプチンとP=パージェタ)の併用療法が始まる。
3週毎に14回の長丁場、途中から放射線治療とホルモン療法も加わる。


<ハーセプチンとパージェタの併用療法って?>
HER2 陽性乳がん治療における分子標的薬、ハーセプチン(トラスツズマブ)とパージェタ(ペルツズマブ)は、腫瘍細胞の増殖に関与するヒト上⽪増殖因⼦受容体2型(HER2)を標的とするヒト化モノクローナル抗体 (遺伝子組換え)
併用療法ですることで、HERシグナル伝達系を広範囲に遮断して、抗悪性腫瘍効果をもたらし、生存期間の向上と再発リスクの低減が望める。

ハーセプチン(トラスツズマブ)
HER2シグナル伝達阻害、ADCC活性を通じて腫瘍細胞増殖を抑制する分子標的治療薬

2001/4 「HER2過剰発現が確認された転移性乳癌」の効能又は効果で承認、
2008/2 「HER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法」、
 2011/11「原発性乳癌に対する術前補助化学療法」の適応が追加承認され、これにより乳癌に対する効能又は効果は「HER2過剰発現が確認された乳癌」となる。
2011/3「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌」の効能又は効果
2021/11 「HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌」の効能又は効果が追加承認
2022/3「がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な 進行・再発の結腸・直腸癌」が追加承認

パージェタ(ペルツズマブ)
HER2のダイマー形成(二量体化)を阻害するとともに、ADCC(Antibody-Dependent Cellmediated Cytotoxicity; 抗体依存性細胞障害作用)活性を有し、腫瘍細胞の増殖を抑制する分子標的治療薬

 2013年6月に「手術不能又は再発乳癌」の効能又は効果で承認。その後「HER2陽性の乳癌における術前・術後療法」の適応追加申請が承認、2018年10月 に効能又は効果は「HER2陽性の乳癌」となる。

<副作用>
 ハーセプチン+パージェタ併用療法で、副作用が発現する事がある
● Infusion reaction ● アナフィラキシー・過敏症 ● 心障害 ● 間質性肺疾患・肺障害 ● 血液毒性 ● 腫瘍崩壊症候群

パージェタ+ハーセプチン併用療法


HER2:
Human Epidermal Growth Factor Receptor Type 2:ヒト上皮増殖因子受 容体2型、別称:c-erbB-2

<PDF>
ハーセプチン PDF
パージェタ PDF 


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