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1年生議員なりの戦い方〜分かる、慣れる、出来る〜

岡崎市議会議員、ケアマネジャー紡ぐ会副会長、株式会社わがんせ代表取締役
前田 麗子

ケアマネジャーを紡ぐ会のみなさんには、副会長、前田麗子でおなじみかもしれませんが、今日は”市議会議員”前田麗子としてコラムを書きたいと思います。

議員の世界にあって、一般の世界にないもの。それは「期数」です。1期目議員は任期の 4年間はずっと「1年生議員」と呼ばれます。
たとえ自分より年下であろうが、期数が上の議員の方が偉いのです。そして、議員の世界では1期目より、2期目の議員に力があり、 2期目より3期目の議員に力があります。力とはつまり、事業に予算をつけられる力です。どんなに素晴らしい理想的な事業、政策も、お金がつかなければ実行はできません。
それでは「1年生議員」は何もできないのかというと、私はそんなことはないと考えます。

1年生には1年生なりの戦い方があると私は思うのです。

1年生議員の戦い方
①自分の強み、理念を見える化する
②身近な共感者、協力者を見つける
③他の自治体などの成功事例を探し、調査し、提案する


①自分の強み、理念を見える化する

私の場合はなんと言っても現役ケアマネジャーであるということが最大の強みでした。議員としての経験は浅いが、「介護分野のことは前田に聞けば分かる。」というポジションを早期に確立しました。

初めての一般質問は、自分の自己紹介のような介護に関する一般事務に関することを質問しました。ケアマネジャーの立場で聞きました。2回目の一般質問では、介護の専門家ならではのなかなか鋭い質問をしました。質問を終えたあと、大先輩議員から「前田ちゃん、やっちゃったねぇ。」と言われたほどでした。

1年生ではありますが、介護の専門的なことになると、先輩から説明を求められる場面もあります。時には課題解決のためにアドバイスをさせていただくこともあります。このように、自分の強みがあればまず知ってもらい、先輩の役に立つ存在であることをアピールしました。そして、ことあるごとに自分の理念「介護で苦しむ人をこの世からなくす。」ということを色々な切り口で周りに伝え、知ってもらうようにしました。


②身近な共感者、協力者を見つける

議員の仕事とケアマネジャーの仕事は、ある一面でとてもよく似ているところがあります。利用者の介護支援をするために、家族、事業所、地域、警察、包括支援センターなど必要な人に声をかけて、同じ方向を見てもらい、目標を共有します。さらに、支援をする人たちに気持ちよく仕事をしてもらうよう、ケアマネジャーは言葉の使い方一つにも気を使います。議員の仕事も同じです。

一つの事業を実行するために、複数の部署とやり取りをする必要があります。それぞれの担当者に、この事業をすることが市民の利益に繋がる理由を伝え、納得して動いてもらう必要があります。行政はエビデンスをとても大切にするところです。

法的根拠、市民の利益、公平性それを伝え、事業の実行に共感をしてもらわなければいけません。そして、その部署でのキーマン=協力者を見つけることも大切です。1期生でまだ自分にそれだけの力がなければ、先輩議員の中に協力者を見つけることもします。

ケアマネジャーも議員も、人間を相手にする仕事です。嫌われてはいけないと思います。人間は感情の生き物ですから、やはり好感が持てる人の仕事は一生懸命やってくれるのではないかと思います。媚びる必要はありませんが、嫌われる必要もないと思います。
冒頭でお金のことについても触れましたが、市の単独予算だけでなく、国、県の補助がつく事業もあります。

また、国会議員や県議会議員を通じて、市に予算がつく補助金を探してもらうこともあります。時には国や県の議員に協力してもらえるような関係性を構築することも実は大切なことです。


③他の自治体などの成功事例を探し、調査し、提案する

行政は前例のないことをやりたがりません。それはそういう物だと割り切るしかないと思います。向こうには向こうの都合があるのです。で、あるならば、相手が思わず「それやってみたい。」と思えるような、成功事例を探してきて、視察という調査をし、自分の自治体に持ち帰り提案をしていきます。また、調査と言って、近隣他市の状況を調べることもできます。同規模の自治体でやれている事業であるということがわかると、前向きに検討してくれる場合があります。どういう状態なら行政は取り入れやすいか。という視点も大切なのではないか、と思います。

私が議員に立候補した理由は、介護がよくなるために、ケアマネジャーの立場から当事者として声をあげたい、ということでした。
「分かる、慣れる、できる」という言葉があります。1期目は分かること、覚えることだらけです。慣れるという段階には到底及びません。立候補した時の思いを実現化するためには、どうやらたくさんのハードル、壁が立ちはだかっている、ということが分かりました。それならば、それをどうやって乗り越えて行くのか?その方法を考えるだけでワクワクしてきます。

介護の世界では、高齢者に対する施策、サービスは充実してきました。しかし、それを支える、介護職や介護家族に対する施策、サービスは全く足りていない状況です。私が議員でいる間に、どうかこのことを具現化したい。介護をする人を支えられる世の中にしたいのです。介護者自身の心と体が満たされていなければ、決して良い介護はできません。ケアマネジャーとして多くの事例を見てきた私ですから、これは断言できます。そのために、これらの人たちを救うための政治ができる議員になりたい。
政治は実にクリエイティブな仕事です。0を1にする仕事。無を有にする仕事。介護をする人が報われる世の中をクリエイティブする。そして、皆が当たり前に幸せな介護を享受出来る世の中にしたいと考えています。
議員として経験を積み、本当の意味で自分の政策の具現化が”できる”ように頑張ります。

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