見出し画像

利用者・家族、ケアマネジャー、サービス事業所で 共に考える自立支援

天晴れ介護サービス総合教育研究所株式会社
代表取締役

榊原 宏昌


介護現場をよくする研究・活動を仕事としています!

京都大学経済学部卒業後、特別養護老人ホームに介護職として勤務。社会福祉法人、医療法人にて、生活相談員、グループホーム、居宅ケアマネジャー、有料老人ホーム、小規模多機能等の管理者、新規開設、法人本部の仕事に携わる。
15年間の現場経験を経て、平成27年4月「介護現場をよくする研究・活動」を目的として独立。
介護福祉士、介護支援専門員
執筆、研修講師、コンサルティング活動を行う。
著書、雑誌連載多数(日総研出版、中央法規出版、ナツメ社など)。
年間講演、コンサルティングは300回を超える。ブログ、facebookはほぼ毎日更新中。
オンラインセミナー、YouTubeでの配信も行っている。

介護現場をよくする研究・活動を仕事としています!


自立支援に資する加算の調査結果より

少し古い資料になりますが、令和2年6月1日に行われた、
第177回介護給付費分科会で議論となった
「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査
(令和元年度調査)の結果について」の中に、
ADL維持等加算や生活機能向上連携加算などの、
いわゆる自立支援介護に向けた
アウトカムを評価する加算の調査結果がありました。

まず、ADL維持等加算については、
当時の数字にはなりますが、
通所介護で2.6%、地域密着型通所介護で0.3%という
算定率にとどまりました。

加算を算定した事業所において新たに実施した取り組みとしては、
定期的なADL評価の実施、利用者への目標の変更、
他事業所のリハビリ専門職等との連携などが挙げられています。

また、ADL維持等加算と他の加算との算定状況では、
栄養スクリーニング加算、栄養改善加算、
生活機能向上連携加算、口腔機能向上加算、
個別機能訓練加算を算定している事業所の方が、
ADL維持等加算を算定している割合が高かったとの結果でした。

次に生活機能向上連携加算については、
通所介護をはじめとした全サービスの平均が3.1%という結果でした。


自立支援は苦手科目?

自立支援については、
ケアマネジャーの多くは苦手意識を持っているのではないかと感じます。

それは、自立支援についてのアセスメントやプランニング、
具体的なケアについてのスキルや経験を
十分に持ち合わせていないことがあると思いますが、
それだけではないようにも思います。

利用者や家族においても、
この自立支援は苦手分野になっていて、
できないところを助けてくれればいいという
お世話型の介護を要求したり、
自立支援的な目標についてははじめから諦めていることも多いものです。

ただ、今回の調査結果は、それに加えて、
通所介護をはじめとしたサービス事業所側においても
自立支援を苦手にしている、ということがよく分かるものでした。


取り組みの効果について

先の調査結果では、
「ADL維持等加算を算定した事業所において
新たに実施した取り組みとしては、
定期的なADL評価の実施、利用者への目標の変更、
他事業所のリハビリ専門職等との連携など」
が挙げられていて、
加算を算定することで取り組みの質が上がったことが報告されています。

生活機能向上連携加算については、
もっと詳細にその効果が示されていましたので、
抜粋してご紹介します。

ここから先は

1,635字

¥ 500

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?