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ケアマネジャーとして介護保険制度を無理なく知るコツ

株式会社ケアレジェ代表取締役、主任介護支援専門員、
介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、ワークサポートケアマネジャー、災害支援ケアマネジャー
高松 誠


私は講師業をしている傍ら、ケアマネジャーのお仕事もしております、ケアマネ業が好きだから!

介護保険制度をどのように知るのか? なぜ制度理解が必要なのか?

ケアマネジャーはご存じの通り、『思い』だけでは通用しない仕事です。ケアマネジメント技術や相談援助技術……色々とオールマイティに動く必要があります。

書類を隅々まで極めようとすると文章が長くなり、時間が足りなくなります。書類に時間がかかると利用者への関わり対応ができなくなります。本末転倒ですね。

ケアマネジャーの仕事に就く前に『書類整理たくさんしたいなー、書類整理楽しみだなー♪』との思いの人は少数派のことと思います。書類整理に時間をかけていても利用者の暮らしが良くなることはありません。ですから業務効率化を図る必要があります。

最近ではICTが進み、ケアチームでチャットアプリやZoomを使う、書類はクラウド保管、提供票や実績はケアプランデータ連携システムなど、業務効率化がどしどし図れる時代です。もっと時間ほしいですか?実はICTだけでは業務効率化にならず、介護保険制度を知ることが前提になります。

介護保険制度を理解していないと、実はしなくても良いことを義務・運営基準と思い、雑務がどんどん増えます。制度を知ることで無駄を削ぎ落とすことが可能です。

例えば月途中で介護サービスが追加になり居宅サービス計画書が変更した場合。月の前半にモニタリング、介護サービス追加後にもモニタリング、月2回モニタリングをしているケースがあります。月途中で介護サービスを追加したら、その後その月内でモニタリングしなければならない法的根拠はありません。

また、単なる目標延長は軽微な変更で良いのにサービス担当者会議を開催するとか。担当者会議をするということはその調整、アセスメントや会議の記録が必要。他にも契約日とアセスメント日をわざわざ別々に訪問しているとか……。

もちろんモニタリングは月に何回しても良いですし、サービス担当者会議も短いスパンで行うべきケースもあるでしょう。ですが、それはあくまで必要時です。

必要性の低いサービス担当者会議を何度も開催すると自分自身の時間はもちろん、利用者、家族、介護サービス事業者の時間も奪ってしまうことになりかねません。

介護保険制度を知らないと本来やらなくても良い業務に時間を取られます。いくらICTが進んでも一向に業務効率化にならないのです。介護保険制度を知ることとICT促進は同時進行で行わないと業務効率化にはならないのです。

ではどのように介護保険制度を知るのか?


居宅介護支援事業所のケアマネジャーが
介護保険制度を熟知するには?

そのためには、以下のような方法があります。

1.介護保険制度の法律や制度の基礎知識を学ぶ
2.実務経験を積む
3.情報収集をする
4.コミュニケーション能力を磨く

上記4つはAIが質問に対し、自然な文章で答える『ChatGPT』に聞いてみました。実に的を得ています。

さらに詳しい内容もあったのですが、具体性に欠けていたため、やはり私の執筆でお答えしたいと思います。

介護保険制度は追加や変化、削除されます。一夜漬けでインストールできるものではなく、少しずつ蓄えていく【アップデート】の考えがしっくりきます。

省令・告示・通知を読む…ここで私含めて大体の方は挫折します。日本語がまどろっこしく何を伝えたいのかさっぱりわかりません。主語と述語を押さえて読んでも眺めることはできますが、理解していない私がいます。解釈通知とはわかりやすく通知するもののはずなのに。

そこでまずは一般向けに要約されている本を読むことをおすすめします。それは自治体それぞれが発行しているであろう、『介護保険パンフレット』です。私は初心を忘れずべからず毎年発行の度に一通り読みます。一般向けで分厚くないので、さくさく読めるはず。

次に民間による介護保険制度を翻訳したケアマネジャー向けの本を読むことをおすすめします。ケアマネジャーなりたての私はこの本すらも理解に追いついていなかったのですが、それでも介護保険制度の文章を馴染ませるため理解していなくともまず読みます。一気に読もうとしても挫折します。しかし1日1ページだったら…!?スキマ時間におおよそ3分もあれば読めてしまいます。これを毎日愚直に繰り返します。毎日歯磨きをするように。すると1ページ読むことが勝手に習慣化されます。身体がそうなってくれたらこっちのものです。

本は当然読みやすいわかりやすいものが良いですね。紡ぐ会でもお馴染みの榊原宏昌さんの本などおすすめです。

要約本に慣れてきたら今度は『介護報酬の解釈』青本赤本にも挑戦してみましょう。これも一気に読まず1日1ページでOKです。愚直に続けることで1年に365ページ読めちゃいます。

私たちにはスマホがあります。YouTubeやEラーニングなどの動画も活用しましょう。本よりも学ぶ煩わしさのハードルが下がります。

検索したら介護保険に詳しいYouTuberがたくさん出てきています。とりあえず介護保険制度を発信していそうなYouTuberを登録しておいてあとは見るだけ。合わなそうなチャンネルは登録解除すれば良いのです。そしておすすめ視聴方法は『真剣に見ないこと』『2倍速』です。パソコン画面で気合を入れて真剣に臨むよりもスマホの方がリラックスしながらゆるく眺めるほうが持続できます。

休み時間に食べながら、家で料理しながら、寝ながら、通勤しながら、運転しながら…運転中は画面を見ずに流し聞きでもOKです。ながらだけでも行動しないより少しずつアップデートできるのです。

今の時代、動画でいつでも学べるのです。スキマ時間に動画で学べる時代が来ようとは介護保険制度施行の2000年に誰が思ったことでしょうか?

ちょいと長くなりましたので、後半(10月くらい)へ続きます。

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