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ケアプラン有料化の論点まとめ

天晴れ介護サービス総合教育研究所株式会社
代表取締役

榊原 宏昌


介護現場をよくする研究・活動を仕事としています!

京都大学経済学部卒業後、特別養護老人ホームに介護職として勤務。社会福祉法人、医療法人にて、生活相談員、グループホーム、居宅ケアマネジャー、有料老人ホーム、小規模多機能等の管理者、新規開設、法人本部の仕事に携わる。
15年間の現場経験を経て、平成27年4月「介護現場をよくする研究・活動」を目的として独立。
介護福祉士、介護支援専門員
執筆、研修講師、コンサルティング活動を行う。
著書、雑誌連載多数(日総研出版、中央法規出版、ナツメ社など)。
年間講演、コンサルティングは300回を超える。ブログ、facebookはほぼ毎日更新中。
オンラインセミナー、YouTubeでの配信も行っている。

ケアプラン有料化の議論について、次の見直し(第10期計画期間の開始までの間)までに、整理しておきましょう。


はじめに

既にご存知のとおり、
昨年12月19日の介護保険部会にて、
最終の審議が行われ、
翌日20日に意見書が公開されました。

多彩な論点のあった今回の見直しの審議でしたが、
中でもケアマネジャーにとって重要だったのが
ケアプラン有料化(ケアマネジメントに関する給付の在り方)
ではなかったでしょうか?

本コラムでは、意見書の内容を抜粋しつつ
改めてこれまでの議論を整理して、
考えをまとめていきたいと思います。

これまでの経緯と背景

まず、そもそも、以下のようにされていたので、
今回の論点に上がってきている、ということを理解しましょう。

〇利用者負担の導入について、
 第9期介護保険事業計画期間に向けて、
 関係審議会等において結論を得るべく
 引き続き検討することとされていた。

そして、ケアマネジメントを巡る
これまでの経緯と背景について、
以下のようにまとめられていました。

○ケアマネジメントは、居宅介護支援事業者が居宅の要介護者に対して、
ケアプランの作成やサービス事業者との連絡調整等を行うものであり、
高齢者自身によるサービスの選択、サービスの総合的・効率的な提供等、
重要な役割を果たしている。

ケアマネジメントについては、要介護者等が積極的に本サービスを利用できるよう、制度創設時から 10 割給付のサービスと位置付けられてきた。

○ケアマネジメントは、
利用者の心身の状況・置かれている環境 ・要望等を把握し、
多職種と連携しながらケアプランを作成するとともに、
ケアプランに基づくサービスが適切に提供されるよう
事業者との連絡調整を行うものであり、
介護保険制度創設から 22 年が経過し国民の間にも広く普及している。

また、ケアマネジャーは、医療と介護の連携や、
地域における多様な資源の活用等の役割を
より一層果たすことが期待されている。

こうした中で 、将来的なケアマネジャーの人材確保の観点から、
処遇の改善やICT機器等を活用した業務負担軽減などの
環境整備が必要との指摘もある。

ここまでのポイントをまとめると
以下のようになります。

  • ケアマネジメントは、ケアプランの作成やサービス事業者との連絡調整等を行うものであり、高齢者自身によるサービスの選択、サービスの総合的・効率的な提供等の重要な役割

  • 要介護者等が積極的に本サービスを利用できるよう、制度創設時から 10 割給付のサービスと位置付けられてきた

  • ケアマネジャーは、医療と介護の連携や、地域における多様な資源の活用等の役割をより一層果たすことが期待されている。

  • こうした中で、将来的なケアマネジャーの人材確保の観点から、処遇の改善やICT 機器等を活用した 業務負担軽減 などの環境整備が必要との指摘もある。


検討の観点

意見書には、以下のように観点が示されていました。

○ケアマネジメントに関する給付の在り方について、
介護保険部会における過去の議論も踏まえつつ、

① 制度創設時に 10 割給付とされた趣旨及び
現在のケアマネジメントの定着状況

② 導入することにより利用控えが生じうる等の利用者への影響や、
セルフケアプランの増加等によるケアマネジメントの質への影響、

③ 利用者負担を求めている他の介護保険サービスや、
施設サービス利用者等との均衡、

④ ケアマネジャーに期待される役割と、
その役割を果たすための処遇改善や事務負担軽減等の環境整備の必要性等

の観点から、どのように考えるか、議論を行った。

これは以下のようにまとめられます。

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