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諦めなかったその先に待っていたもの / ローズマリーと私

5月の終わりに植えたかった苗を畑に植えたら、それだけで満足してしまった。準備万端だったもうひとつの畑の一角には、何も植えられないまま日が過ぎていく。

なにか植えたいけどなぁ・・その時、ふと、以前育てたローズマリーのことを思い出した。

今年はもう野菜を植えるには遅すぎる。お店にもきっともう売っていないだろうと思いながらも、なんとなくお店に足を運んでみた。

店内には野菜の苗が並んでいたけれど、どれも元気がない。ローズマリーもあったけれど、少し萎れている感じがした。結局、何も買わずにお店を後にした。

ちょっと遅すぎたなぁ。もう今年は諦めようかと家に向かおうとしたその時、もう一つのお花屋さんの存在を思い出した。あの店はいつも色鮮やかなお花で溢れていた。もうしばらく行っていなかったけれど、ダメ元で行ってみることにした。

お店に着くと、目の前に綺麗なローズマリーが並んでいた。もう買う以外の選択肢はなかった。

店主さんは丁寧に透明なビニールで包んでくれたけれど、ちょっと不安定になってしまい、
「これ、包まないほうがよかったわね(笑)歩いてきました?」
と聞かれた私は、笑顔で答えた。
「いえ、車なので大丈夫ですよ~」
そんなちょっとした会話が、心に温かく残った。

こうして、我が家に久しぶりにやってきたローズマリー。

雪が降る冬には越せないから、室内で育てることになりそうだ。

本当に、何気ない日常のひとコマ。でも、その一瞬一瞬が心を豊かにしてくれる。そんな小さな幸せを感じながら、今日もまた一日が過ぎていく。






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