手紙ー独白ー
あなたに、手紙を描きたい
どこにもいない、そしてどこにでもいるあなたへ
あなたは今、どこに隠れているのですか
私には、あなたが見えません
どこに行ってしまったのですか
あなたがいないと、私の心は満たされません
偽りの幸福で、満たされていると錯覚しても、
自分は恵まれている身なのだと、相対的な視点で自分自身を納得させようとしても、
私は、心のどこかで知っているのです
そんなもので誤魔化しても、永遠に満たされることはないと
人はなぜ、とりあえずの暫定解で満足しようともがくのでしょう
己の心からほとばしり出る、本当の言葉から目を逸らし、
すでに存在するとりあえずの選択肢に、必死に食らいつこうとするのでしょう
それはある意味で、この世を生き延びるための手段なのかもしれません
己の心を真正面から見つめようとする時はいつも、
同時にそれを全力で捻じ曲げようとする輩がいます
でもやっぱり私は、気づいてしまいました
知ってしまいました
あなたがいなければ、永遠に満たされない
己の心からほとばしり出る、真実の言葉を、
その言葉が証明する己の生を、
強く震えるほどに、自覚してしまったのです
私は、あなたがいなければ満たされない
あなたは今、どこにいるのですか
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