大人の本気の遊びがおもしろい~リストラーズ~
リストラーズの魅力の根本は「大人が本気で遊んでいる」ことだ、私にとっては。それば一番わかるのは『君だけに』
会議室で撮影し、マイクの代わりにマーカーペン。サラリーマンという役作りに徹しつつ、歌も振りもかなりな高レベルに仕上がっている。しかも加藤さんのダンス付き。
珠玉のバラードなのだから、背景を変えればかなり雰囲気と破壊力を持つ映像も取れそうだが、あえて会議室。
珠玉のバラードなのにマーカーペンで歌う、恥ずかし気を微塵も感じさせずに。さらに何気にホワイトボードに曲名が書いてある。リストラーズのキャラの範囲で笑いを狙うとこは狙う。同時に歌のクオリティーは落とさない。
こういう、大人の本気の遊びがたまらなく好きだ。
ああ、全方向に本気で遊んでいる。これがどれだけの絶妙なバランスの上に成り立っているかを考えると、何かに感謝せずにいられない。
初めて彼達を見たのは2023年10月。かつての同僚たちのように見慣れたおじさん達が歌う美しい歌が衝撃的で、一気に心に焼き付いた。
元市職員の私にとって彼らは、職場によくいたタイプだ。地味なスーツとネクタイ、おしゃれでない眼鏡、無難な髪形髪色、おとなしめの目つき。懐かしさすら感じた。目立たない、どこにでもいるような、ぱっとしないおじさん。
しかし歌いだせば一転、透明感のあるコーラス、正確なリズム、超絶技巧のボイパ、振りのタイミングの見事な一致。かなりの実力と練習量があるとすぐに分かった。
調べてみれば、全員東工大卒の41歳位で会社員。東工大なら一流企業に就職したであろう。40歳前後なら、例えば開発プロジェクトに中心にいてもおかしくない。かなり忙しいのではないか。納期前なんて徹夜になったりしないのか。それなのに、休日に練習しているのがすごい。現に私の夫は40歳前後はIT土方の社畜であった。終電、休日出勤の日々をおくっていた。
何人は結婚指輪をはめているので、妻子がいるメンバーもいる。それなのに休日に練習をしていたりする。ご家庭は大丈夫かと少し心配になる。その分をきっちりと埋め合わせして、よき夫、父の役割もこなしていると思うことにしている。
何より就職しても6人で活動を続けていることが奇跡だと思う。6人も理系の会社員がいれば、一人くらいメンタルを病んでも不思議はないと思う。ほかにも激務になったり、家庭の事情や家族あるいは本人の病気などで、何人かが欠ける可能性もある。
それなのに20年もの長い間、活動を継続しれくれたことに感動すら覚える。
ありがとう。
リストラーズにしかできない、大人の本気の遊びを、今後の楽しみにしている。
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