『木曜日にはココアを』『お探し物は図書室まで』読書雑感
先にネタバレアラームをしておきます。青山美智子さん著のタイトルにある二作、ネタバレ予定です。読み終わっている方か、最後までネタバレOKという方、お付き合いくださいませ。また、あらすじの紹介や評論ではなく、あくまでも私の個人的な感想です。ご了承ください。
今回の読書環境
『お探し物〜』は本屋大賞の候補段階で購入していましたが、読んだのはもっと何ヶ月も後だったと思います。まだ仕事が忙しかった頃ですが、この頃いっときだけ本を読む余裕がある時期でした。他にも積読はたくさんあったのですが、読書時間が細切れにしか取れないこともあって、連作短編であったこの本を選びました。
『木曜日〜』は今年に入ってから、やたらネット上で「おすすめの本○選」のようなページで目にするようになった本でした。積読棚(未読の本を置いておく棚)にあったのを思い出して、読んでみた、というところでしょうか。
著者のイメージができた。
二つの作品しか読んでいませんが、なんとなくイメージができた、というのが最初の感想です。先に『お探し物〜』を読んでいたので、デビュー作である『木曜日〜』がどう違うか、というところを心のどこかに置いて読んでいました。
結論、あまり変わらない。連作短編、どこかベージュのミルクティのような、救われるようなムードを全体に漂わせ、ほんわかとした読了感です。SFや大河ファンタジーのように、どっぷり浸って本を読みたい時にはちょっと物足りなくなるかもしれませんが、疲れた日常にちょっとハーブティを飲むくらいの感覚で読めそうです。二つとも、登場人物たちがそれぞれ穏やかなハッピーエンドを迎えます。どこにでもあるような景色を描きながら、どことなくお洒落です。
ただ、一つだけ疑問
あくまで一読者として、少しだけ疑問だったのが、最終盤になんとなく「パズルのピースをはめきらないまま」という点がありました。おそらくわざとなのだろうとは思うのですが。
例えば『お探しもの〜」では、あのフェルトのチャームは「テキトー」に選ばれたと最後に語られます。せめて「なんとなくあれに呼ばれた気がして」くらいに第六感匂わせていくと、素敵に不思議な司書さんのままで、なんかピタッとハマった感じはするのでは、と思いました。う〜ん、それだと物語出来過ぎて小綺麗になってしまうのか……。
ふんわりとくるまれた肌触りのいい癒し
総じて、この一言に落ち着きます。寝る前に読むのもいいですね。
文体のおかげかストーリーのおかげか、両方ですね。プレゼントにもいいかもしれません。本好きには好きのジャンルがあって難しい時もありますが、誰に差し上げてもイケる気がします。うん、今度誰かにプレゼントする機会があったら、この二冊はリストの上位に上がりますね。
今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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