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大河ドラマ「光る君へ」第十六話「華の影」所感

拗ねちゃった、さわさん

 ここにも幼少期の愛情を拗らせてしまった人が。ただ、ちょっと八つ当たりっぽいですね。寧子とお話しした時にはそんな感じあまりなかったし。おそらく、道綱のことがなければ、帰ってきて「蜻蛉日記貸してくださらない?」とでも言ったのかもと思います。っていうか、床拭きとか琵琶とか習ってた頃、蜻蛉日記読ませてもらってないのかな。
 お手紙をそのまま返すと言うのは、今でもけっこう失礼。それでも、自分が若干(?)空気読めない系だと思っているまひろちゃんは、せっせとお手紙。あの、正直言って、今回まひろに落ち度はない気がします。
 それでも、ちょっと残念です。それとも、まひろと本当に仲良くなった気がしているから、わがままを思い切りぶつけられるのでしょうか。家では継母への遠慮がどうしてもありますでしょうし。

解説付き「香炉峰の雪」

 ここでは、きっと伊周の横暴ぶりと一条帝の雅さや定子との仲睦まじさを描きたかったのでしょうが、世の皆さま「香炉峰の雪」にテンション爆あがりですね。「春はあけぼの」と「九月の(云々)」と「うつくしきもの」とこれくらいが、教科書掲載の定番でしょうか。公任くんのおかげで、きっちり解説も入り、中学二年の授業で使いやすいVTRとなっております。ちょうどこれからですからね。そして「このための配役だったのか」と思うほど平安貴族のイメージのままはしゃいでくれたはんにゃの金田さん、お見事です。
 ここと連続したシーンで、詮子女院さまが再びお出ましに。道隆関白殿、ちょっとどうしたいのかわからない。一条帝を手中におさめたいなら、やっぱり詮子女院さまをもうちょっと大事にしないといけないけれど、詮子女院さまの方はこの兄と家族が嫌いだからかな。
 もう一つ、定子さんは結局これまでの女御さまや中宮さまと同じな感じが否めない。つまり、実家の雰囲気にのまれがち、というところです。宮中での彰子ちゃんがどのように描かれるかはまだ分かりませんが、史実では何やら道長のやり過ぎにストップをかけたこともあるらしいとの風の噂。今の定子さまは、自分たちや帝が楽しければよい、って感じがほんのちょっとだけします。父や兄をたしなめたりする表現があまりないので。中の関白家らしい、といえばそれまでなのでしょうけれど。ただ、定子中宮さまは良くも悪くも無欲なので、その辺は権力欲に塗れている父・兄と違うかもしれません。

禍事は誰への罰か

 宮中の警護が相変わらず甘すぎる問題はさておき、都での疫病は道隆の無視によって対応が遅れます。一条帝はまだ民を思う心があるようですが、この道隆がこの徳高い心を堰き止めるしがらみとなってしまうのが少しお可哀想です。一条帝の唯一の失策は、この隆家さんをずっと関白で居させ続けたこと、人の見る目のなさかもしれません。
 天災や疫病の流行は、天罰だという考え方がある時代。世を治める天皇が本来はその責を問われます。ただしこの場合は、やはり関白への天罰とみたいですね。

イケボ道兼とまひろ以外丈夫な貴族さま

 道兼はちょっと分かりません。史実がこの後迫ってきますので。ただ、悲田院に行った人の中で、まひろだけがしっかり感染。道長はともかく(多分幼い頃の遊び歩きで、何らかの免疫があるとみた)、お付きの人たちも誰一人かからない。感染力が強そうな疫病ですけれどね。
 話が前後しますが、シャキッとした玉置道兼、イケボですわ〜。先週までの何かを全部乗り越えたというか飲み込んだというか。道長の「逝くな、戻ってこい」も良かったのですが、今回の道兼は純粋にカッコ良しでした。
 まぁ、こういう緊急時に秘めた恋がバレるなんてことはあるあるですが、空気読めない親分であるはずの為時パパ、上手に言って道長を帰しましたね。今の感覚で言えば、道長が仮に抗体持って発病しなかったとしても、乙丸も百舌彦も、為時パパも危ない状況でしたが、どうやらこの界隈は無事に済んで、まひろも病を乗り越えるようですね。悲田院では、どちらかというと大人が先に亡くなって子どもが後から(一人で寝ている子が多かったので)感じでしたが、まひろはまだ若い子認定ということでしょう。

倫子さま

 所詮この人もお嬢様だったのでしょうか。明子女王さまだけでなく、まだ他に道長が心を砕く女性がいると思い至った時の「オホホホホ」がこれまでで一番恐ろしかったです。ただね、この時代自分が嫡妻なのだったら、それに一喜一憂するのは少しこれまでの倫子さまのイメージからは外れますが、心中そうはいかないのでしょうね。
 「彰子を妃にしないで」というのも、倫子さまらしい感じはしますが、史実からいくと妃どころかまひろを付けて中宮に送り出すはずですので、この辺りがちょっとまだ先が読めない感じですね。道長が権力を目指す感じになっているのは物語ができつつありますが、倫子さまとの仲は大丈夫かしら。貴子さんとの違いを出したいだけだったのでしょうか。

 次回予告で一番気になったのはさわさん。「生きていてくれて!」がまひろに言った言葉でありますように。そしてこの優しく明るい気さくな子が、またまひろの友達に戻ってくれますように。歴史も大きく動きますが、イケボ玉置道兼にもどんな道が待っているのでしょうか。

今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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