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大河ドラマ「光る君へ」第二十三話「雪の舞うころ」所感

介と為時パパ

 日本語ペラだった周明。目撃者を連れてきました。やはり介が朱に罪を着せたものですが、命を落としたのは半分事故のようなものでした。もう、通事の亡くなるシーンが、使い込まれた2時間ドラマのシーンみたいでちょっとおもろい、と思ったのは私だけでしょうか。まぁ、介も介で可愛らしいもんですよ。私が介なら、目撃者はそれで置いといて、真犯人の商人?を目撃者に仕立てるわ(おぬしも悪よのう)。そうすれば、周明に詰められても絶対白状しないでしょうが。
 というか、介たちも意外と可愛いと思ってしまいました。この程度なら、為時パパでも扱えるでしょう。まぁ、介も介で、宋人たちに対する思いとかを砂金より先に為時パパに言っておけばよかったのにね。う〜ん、でも松原客館に先に行って宋人たちと仲良くなっちゃったもんだから、そうはいかないでしょうか。
 為時パパは、ちゃんと双方が納得する形でことを解決しました。誠実さがものを言ったという感じですね。濡れ衣だった朱は釈放、さらに罪を着せた介は謹慎。でも、改めて宋人のことについては介たちの意見も聞く。ここでちゃんと真面目にやったおかげで、朱からも国から命を受けて通商に来ていることを聞き出せましたね。謹慎から戻ってきた介や掾が、味方になってくれることを願うばかりです。

周明

 本人は宋人だという周明ですが、日本の対馬出身でした。十二歳まで育ったのにそろそろ働き手になりそうな男子を捨てるというのもどうなんでしょう。そして謎の宋語レッスンが始まります。
 彼が「国際ロマンス詐欺疑惑」を持たれるシーン(笑)。周明が日本出身であることを隠していたから、宋人たちからも何やら怪しまれてしまいます。信頼を得るためにまひろを通して左大臣にアプローチしようとします。これまでドラマを見てきた身としては、まひろと関わって、まひろを使って何かしようとしたら、かえって面倒なことになるよ、と言ってあげたい。

「大人」になった甥っ子姪っ子

 甥っ子の伊周や、姪っ子の定子中宮さまの振る舞いを見ていた道長。自分のやりたいことをなんとか通そう、自分なら通せると思っている縁がありますよね。伊周は自滅に近くして消えちゃいましたが、面と向かって自分に歯向かってきました。定子中宮も、もう産月が近くなってから、政敵であるはずの道長に「この子を頼みます」と告げる。前回の道長の渋い顔。ただタイミングが悪いというだけでなく、自分が一番面倒なことを押し付けられたのです。中国ドラマ「宮廷の諍い女」でも、主人公が身籠った身で謹慎となったとき、敢えて謹慎となる原因の事件を画策した敵である皇后に「出産までの世話を見てほしい」と嘆願します。そうすることで、その子を最も望んでいない人に子を守らせることができるのです。何かあったらあなたのせいになりますよ、という宣戦布告とも言える言葉。道長も悟りましたよね。幼い・若いと思っていた甥っ子姪っ子が、自分の思いを通すために画策することを覚えた。では、もう一人の一条帝も……。やはり、純な行成を使ってなんとか定子中宮に会おうとし始めましたね。これまで、一条帝を支えてきた道長が、伊周たちにさえちょっと同情的だった道長が、この件に関しては朝廷の安定や帝の体面(=国の体面)を優先して対応します。もうただの若者たちではない。心してかからねばと覚悟したかのような言葉が、行成に対して出たのではないかと思いました。
 ちょっと妄想ですが、この定子中宮さまの産んだ子どもたちを守るという約束を果たすために、後ろ盾となる妃として自分の娘を入内させたというシナリオにするのでしょうか。道長をものすごく好意的に解釈するとそうなりますよね。実際、彰子さまは定子中宮さまの産んだ子どもたちを養育していますしね。

倫子さま、今回は失敗か?皇家の夫婦としての円融&詮子

 これまで、ありとあらゆる思惑を成功させてきた倫子さま。でも、今回の「元子女御さまとの語らいの場」作戦は上手くいかなかったようで。まぁ、亡くなったわけでもない愛しい妻と引き離されて、ほい次どうぞって言われてもね。倫子さま、自分は苦労しないで夫婦仲良く言われるものだからわかんないよね……というのは現代の、それも庶民の感覚。倫子さま的には、天皇には中宮を忘れろとは言わないけれど、天皇のツトメとして後宮にいる出家していない女御たちを召し、子をなす必要があるというところでしょうか。そこまで冷徹でもないのかもしれませんが、少なくとも未登場の義子女御さまや琴の上手な元子女御さまはそのために入内したはず。もちろん、仲睦まじくなればそれがいいのだけれど。
 倫子さまと考えが近かったのが亡き円融院だと思います。天皇のツトメとして子は成すが、それと夫婦の愛情とはまた別物。だから、詮子女院さまも本当にお可哀想です。何一つ、彼女の責任ではないところで愛されなかったのに「私にはその輝きがないのでしょ?」なんて。円融院は子ができてからのある意味素直な振る舞いが問題だったのでしょう。
 皇家の夫婦問題。令和の時代の天皇家に関しては事情が全く違うと思いますが、平安の時代(その後の徳川将軍家や中国・韓国の宮廷も然り)、国の後継問題と君主のプライベートな愛情問題が引き剥がせない以上、バランスを取るしかなかったのでしょうね。正室・側室の問題も然りですが、感情に走りすぎても後継に執着しすぎても色々と問題が多い。

定子中宮さま

 「うつくしきもの」を読み上げる中宮定子さま。この人の声で読み上げると、本当に可愛らしい。あなたもまた「うつくし」きですよ。すっかりご回復して、よかったですね。出家が本当に悔やまれますが。ドラマだと、後宮から出てから子を身籠ったことが分かったような感じになっていましたが、史実では「子を身籠ったから宿下りをしていた」時に色々事件が起きて髪を下ろしたらしいので、まぁ後先考えなかったか、子を道連れに心中するくらいの心持ちだったのか。
 何はともかく、過去を懐かしんで笑い声を立てられるほどになっても、一条帝への想いは何一つ口にしない定子中宮さま。一条帝はあんなに定子ラブなのにね。言葉がない=思っていないというわけではないとは思いますが、ドラマの描写として相思相愛とは思えない。前回も、帝の子のことは道長に頼んでいましたけれど「帝はお健やかであるか」とかなんとか言わんのかいっ!と思いました。これは、何か意図があっての演出なのか、それとも定子はこういう人だということなのか。

晴明

 ご無沙っち。久々ですね。初めましての大人居貞東宮さまに絡まれて(こら)、また未来予知をしていました。この居貞東宮も、また道長の甥っ子。兼家パパの血を引くものとして、なのか権力を欲しています。権力を欲する人の側に、必ず現れますね。まるでその欲望を食べて生きているみたい。

宣孝さまー!

 突撃でやってきた(タイミングを外して)宣孝さま。為時パパには会えませんでしたが、まひろと楽しい時を過ごします。雲丹いいなぁ。まひろも、何も気兼ねすることなく、昔の好奇心満載の女の子に戻ります。これまでも、宣孝さまとお話ししている時が、一番明るくてイキイキしているように見えるまひろ。そうだよ、道長とくっつかないのであれば、いや個人的にはずっと道長より宣孝さまの方が旦那としていいなと思ってしまっています。道長いい人よ、でも夫にしたら苦労しそう。
 そして、帰り際の爆弾発言「わしの妻になれ」。あっけに取られるまひろ。そして次回へ続く。次回予告の為時パパの腰が心配です。

今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。


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