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大河ドラマ「光る君へ」第二十九話「母として」所感

いや、もういいけれど…? よくないな。

 ちょっと、どうすればいいかな。一番肝心なところじゃないのかな、「物語を書く」って。誤解をうむ表現が多すぎる。脚本が喧嘩売りすぎてて困りました。また後ほど。

宣孝さまぁー!(滂沱)

 こんなところばっかり歴史通り。あちこちの国守やお役目を歴任し、それなりにお忙しかった宣孝さまの突然の死。悲しい。せめて、睡眠時無呼吸の伏線やお薬飲み干す役割の伏線、回収してほしかった。
 まひろは妾としてそれなりに悲しんだらしいのですが、号泣して意外と早く立ち直る感じ。次にはもう笑顔で賢子に笑顔で本を読んであげていました。いやいや、道長が危篤と聞いた時の必死感と違いすぎていてもう宣孝さま可哀想。
 最後のシーンは、宣孝さまに言われて見上げた満月。これからは、月を見上げて宣孝さまのことを思ってほしいもんです。無理だろうけれど。

為時パパ

 宋人はまだ越前にいるらしい。帰国させるというのがいつから公式のお役目になったかは知りませんが、仕事の一つが完遂できていないということで、今年度(って言い方はしなかったと思いますが)は交代っとなりましたね。この人、一回職を解かれてから次までがまぁ長い。前回も十年なら、歴史上次も十年くらいはないはず。これも、道長・まひろが続いているはずのドラマの中ではかなり不自然です。愛するまひろの父親ですから、まひろの夫が亡くなったなら皇室の漢文指南にしてあげればいいのに。ドラマのフィクション部分がデカすぎると、色々辻褄合わなくなってきますね。
 ただ、パパが京に帰ってこられたのは良かったですね。宣孝さまの突然の死に対して、周りにいる人は多い方がいい。そうでないと、また宣孝さまの供養で寺にでも行って、ゲス不倫パート2とかになりそう。
 もう一つ気になったのは、まひろが「私に夫なく、父上に官職なくば」って対句の後、どうやって食っていくのかてなことを言っていたこと。え?弟くんは?もしかして、もうどこかに婿入りしている?それ見せてほしいわ。一説には「紫式部(藤式部)」の「式部」はパパ説だけでなくこの弟の官職だった説があります。女房名なので、テキトーかもしれませんが(こら)、弟が何かしらの職についていたのは確かです。実家を離れて婿入りしているならそれをちゃんと描いておいてほしいし、そうでないなら少なくとも多少の食い扶持はあるはずだ。設定が甘いのか、切るべき枝葉末節が違うからか、あの愛らしいちやはママ似の弟くんをもっと見たいと思う一視聴者からは、前回の謎の発言も含めて、彼の扱いの適当さにちょっと困惑しています。
 為時パパが「まひろの気持ちを思って」と言った時、ちょっとびっくりしました。むしろ兼家パパのお抱えで花山院の漢籍指南に行ったときには大変だったから、官職の方がいいと思ったのかと。

やっぱり人の気持ちが分からない+話聞いてないまひろ

 清少納言は、義理を通してくれましたね。まひろがアイディアをくれたから、と枕草子を見せにきてくれた。
 それに比べてまひろよ……。まず「煌びやかだった様子を書き留めておきたい」って言ってたでしょ、納言は。それにね、大事な人を亡くして、その人との美しい思い出を語りたいって言ってる人に「影の部分を見たい。そのほうが魅力的」って、おまいは厨二病まだ引きずってんのかっ!ちやはママの影を、ちみは書けるか?納言の来ている喪服が目に入らんのか!「なぜ影の部分を描かなかったか」を聞けよまず!この一言で、これまでの納言との友情が壊れてもおかしくないと思いました。また、前回危惧したように、納言は伊周に唆されて道長を逆恨み(でもないか。横恨み?)してしまっている様子。これで、道長ラブのまひろと対立していく話の流れだとすると、これまたせっかくのファインフィクションまで台無しにするつもりでしょうか。
 そもそも、「軽やかなお書きぶりです」「人とは、影があるものです」……なぜ、そげに上から目線かいまひろ?あなたより年上で、あなたより先に結婚も出産も離婚も経験して、宮中で大変な目に遭った女房さまよ!それが、わざわざ下級官吏の妾のところへ友情だけで足を運んで、生原稿を一番はじめに見せてくれてるのよ。
 ちょっとよく分かりません。そりゃ怒るよ、清少納言。
 納言の(定子皇后側から見た)道長の見方に、動揺するまひろ。きっちり納言からお返しされましたね。旦那さんが道長に取り立ててもらっているのも重々承知の納言は「あなたが書けと言った影は、左大臣さまにもあるわよ」と言われます。そう言われて「皇后さまの影を」と言われた納言の気持ちまで思い至ったか、反省したか、いやノーですね。まひろだもん。
 その後宣孝さまが亡くなっても、きっとピンときていない。
 ちやはママの死に傷つき、それをずっと背負っていたまひろの方が魅力的だったとは思います。そういう意味では「影のある方が魅力的」というのは合っているのかもしれません。けれど、それは今のあなたに魅力を感じられない私たち視聴者の目線。まひろの口から聞かされると「どの口が」と言いたくなります。ちみは影を捨てて闇に走ったでしょうがよ。

倫子さまの態度と、彰子さまの才

 なんで、あんなに殿に怒っているの?彰子中宮さまのこと?高松殿で倒れたこと?らしからぬ奥様ぶりになってきました。道長も、なんだか気づいているけれどよく分かっていない様子。
 対して、意外な才を見せた彰子中宮さま。策略とはいえ、彰子さまの元へ送られた親王さまを見て、自然と手を広げ、膝へ迎えます。道長は驚いたようでしたが、そら弟妹がごろごろいるんですから。以前、猫を抱いて可愛がっていたシーンがありましたが、愛らしく幼いものの扱いは上手なのかもしれません。良かったね親王さま。政治云々ではなく、可愛がってもらいたいものです。

詮子女院さま!

 「母として」のメインパートは、ここなのかなと思いました。前回、息子の好きなものさえ知らない母親だったことを悲しんだ女院さま。彼女が自信を持って「息子に授けた」と言えるのは、帝の位だけ。たとえこのまま恨まれようと、病の身に触れた帝が政務をこれ以上怠ることがあってはならない。もう、駆け寄ってきてくれただけで十分だったのでしょう。
 彼女が「薬を飲まない」と言っていたのは、ものすごく前に、円融帝の毒盛り事件でチラッと言ったことかな。え?あれからもうずっと飲んでないの?凄すぎる。ある意味、円融帝への愛だったのかも。愛されなかったけれども、確かに私の夫だった。私は愛していた。泣く……。
 女院さまの病は伊周の呪詛の結果だということのようです。前回も床下だけはやっただろ、お前。ノーコン呪詛なんて言われてますが、周りの人が苦しんで亡くなる方が辛いということを呪詛ったのだとしたら、この人ある意味すごい。陰陽道極めた方が良かったんじゃない?
 これまで、父や兄たちを見送ってきた道長。道兼兄が亡くなった時もなんだか抜け殻のようになってましたので、ちょっと気をつけてほしいです。倫子さま、大丈夫かな。
 女院さまロスがすごくなりそうです。初回から、全てのキーを担ったと言っても過言ではなく、摂関家の姫として、天皇の女御として、天皇の母として、素晴らしいキャラクターと素晴らしい演技でした。来週から、彰子さま(大人Ver)として二役で登場してくれないかな、吉田羊さん。

物語を書く

 紫式部の核心とも言えるこの事柄。「娘が物語好きだったから」?それで源氏物語は無理あるでしょうよ。今で言うとR15、いや18?中学生の教科書にはあらすじを載せられません。小さな娘にんなこと。
 後、せっかく友達設定で清少納言出したのなら、源氏物語のきっかけも清少納言にもらいたかった。まひろが一方的に枕草子のきっかけを与えたなんてフィクションとしてあーあ。そしてやっぱり道長のせいで宣孝さまを喪った悲しみトリガーは消えてしまったのかしら。
 史実では、紫式部にも友達はいて、その友達と慰めに書いたものが始まりだっと言います。その友達は一切出てこない、かつ清少納言にもその役目はさせないのでしょうか。しかも、回を跨いだ次回は三年後の設定。をい!源氏物語誕生の日々はやらんのかい!
 頼むから、もう源氏物語ファンや紫式部ファン、平安文学ファンをがっかりさせないで。

その他

・田鶴君と巌君の舞、可愛かった。どちらも頑張りました。
・巌君の顔が美しかったのは確かですが、彼の師だけ褒めたのは一条の嫌がらせだと思う。
・史実では田鶴君の味方をしてちゃんと怒った良きパパ道長だったのに。そこは汚すんかい。
・田鶴君たちと従兄弟なのは、実は伊周たちということに、後になって気付く。
・伊周の息子くんがひたすら可哀想。
・貝覆い、中に同じ絵が書いてある貝合わせならまだわかるけれど、外側の模様だけで合わせなくてはいけないなら激ムズ。
・賢子ちゃん役の、ガチで二歳になるかならないかくらいの子役さんがすごい。可愛いし、台詞もちゃんと言いました。とにかく子役が可愛かった回。
・女院さまの願いで道長の口添えを得て官位が戻った伊周。普通、道長に頭が上がらなくなるのでは?

今日もお付き合いいただきありがとうございました。

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