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40年後の君に会いたい

せかほしが好き

せかほし「世界はほしいモノにあふれてる」のこと
NHK総合でJUJUさんと三浦春馬さんがMCを務める、自分の信念にまっすぐなバイヤー、それを追いかける人のドキュメントに近い番組

なにが好きってあの世界観

1つのものにこだわり抜く人々のかける情熱を聞くのが好き
世界が広がっていくのを感じる
こだわりって煙たがられるのに、なんであんなに魅力なんだろう
そして、MCお二人のコメントが飾らず、芯をついていてまたいい
後任に鈴木亮平さんっていうのもナイス

先日放送されていたのは、この世間の状況により国内のいいものが紹介された回で、石川県輪島の漆器が取り上げられていた

漆器
初めての漆器はミャンマーで買った
日本の古くからある伝統が、ミャンマーでも作られている、そしてそのデザイン(色)にひかれて購入
これでお味噌汁が飲めるなんておしゃれすぎるとテンションあがったまま帰国
しかし…
お手入れ激ムズ
2つ買ったお椀は1つは土台のヤシ🌴のような草まで見えた
水につけてしまったら中身が見えてしまった
あんなに簡単に剥がれるなんて!

しょぼん

それもあって日本の漆に興味がわいていた
いつも日本のいいところって、外国を経由して私の中に入ってくる

輪島にしかないそのお店が東京で展示販売をするという

そんな絶好なチャンス、逃すわけにはいかない

早々と仕事を切り上げ、初めて向かう日本橋三越
さすが日本の中心地、気品あふれる客層と店内に一瞬ひるみそうになる
なんのために来たのかと問う

「毎日食べるヨーグルトのスプーンが欲しい」

たとえ、スプーン一本が5000円でも私は買う!

展示会の情報では5階にあるということ
高い食器たちを横目に漆器を見つけ、何となく値段と名前を見ても
さすが日本橋、値段が一流と素通りしていたら、もう食器コーナーが終わっていた

はて、どこにあるのか?
もう一度スマホで検索する
頭には「QUAI」とインプットされていたが、職人のお名前「瀬戸 國勝」で展示されていたのだ
思い出した 値段が一流と素通りした漆器に書いてあった
その場所に戻り、お目当てのスプーンを手に取った
7000円だった
予算は超えていた
5000円の小さなスプーンあった
それでも事足りるな…と貧乏性が出ていた矢先、店員さんに話しかけられる

店員さんだと思っていた人は、職人の「瀬戸 國勝」さんだった

テレビで見た優しそうな顔が目の前にあり、思わず「テレビ見ました」と言ってしまう
いやいや、もっといい言葉あったでしょ
憧れてここまで来たんだからなんて後悔しながら、

「ヨーグルトのスプーンはどれがおすすめですか?」と聞く
7000円のスプーンをすすめられる
そりゃそうだ
迷う選択肢は何もない
予算の2000円超えてたからってなんだ
ここまで来たら同じ

スプーンを包んでいる間、いろいろお話してくれた
職人の、職人にしか語れない情熱を
そのものに対する愛情を
その中で30年以上使い込んだ漆器を見せてもらった
新品のものよりもピカピカで
古さなんて感じず、どんどん命が吹き込まれている
そんな器だった
よっぽどじゃなければ、40年以上は使えるとのこと
水に半日つけてもはげることはないとのこと
これが、本物ってやつだ

「毎日口に触れるものなんだから、口にいいものを使ったほうがよい」

職人はこうおっしゃった
そんな話を聞いていたら胸が震えた
この気持ちはなんなんだろう

プラスチックなんかじゃなく、昔から日本にある漆
その民芸品と呼ぶのか、伝統工芸というのかわからないけど
伝承するのは私たちだ

ああ、私はなんて素敵なスプーンを購入できたんだろう
毎朝このスプーンでヨーグルトが食べられるなんて!

40年後、ピカピカになっているスプーンを楽しみにしよう
その頃、何を食べているかな?




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