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建築の広さに驚いた私と生きがい

こんにちは、竹内一生(@issey_tsumiki)と申します。
私は積木製作で建築と先端テクノロジーと組み合わせたコンテンツや、建築モデルや情報を扱ったデジタルツインを推進しています。

今回書く内容は、建築を学び、ゲームエンジンに出会い、建築の可能性を感じた瞬間や、積木製作とUnity Technologies Japanでの活動など。
過去から現在、私は何を思って仕事をしているかを一方的に伝えてみようと思います。
私自身、このような場で文字にして書き起こすことはあまり得意ではないのですが、とても良い機会を貰ったのでチャレンジしてみます。
ぜひ、読んだ感想などあればDMください!


1.私(竹内一生)は建築家を目指していました

とにかくデザイン、設計をするのが大好きな建築学生でした。
学生時代は、過去の建物を模倣するのではなく、新しい形状、材質、ライフスタイルを追い求めて、建物形状やコンセプトをどのように表現するかに苦しんでいました。
そんなとき、模型を作るのが嫌すぎて、3DCADやBIMソフトに出会いました。
3Dデジタル空間で表現することで自分の伝えたい空間を疑似体験することも可能で、建築スケール感を効率よく学ぶこともできました。
3Dデジタルの世界は、私の建築への思いを高まらせ、私の頭の中を形状として表現してくれるパートナーになりました。

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写真1 - 3DCAD


2.アナログとデジタルにのめり込む

デジタルでどれだけ精巧な建築を作っても、リアルで再現できないのは建築ではない。
そんな思いから、がむしゃらに、ものづくりの現場にデジタルという武器だけを持って様々なプロジェクトに参加しました。
参加したプロジェクトは、東屋やバス停の設計施工、銀行やホテルのリノベーション、商業施設や飲食店の新築設計などです。
施工手順書をデジタルデータを元に作り、実際に木材を調達し加工したり、材料を混ぜて漆喰を塗ったり、建築施工と呼べるかは怪しいですが、代え難い経験をしました。
大学後半では、プロジェクトの打ち合わせは全てBIMを活用し、設計案の共有や施主への提案を行うなど、3Dデジタルは私に欠かせない存在でした。
更に、学び尽くせない、知らないことが無限に出てくる建築の広さに驚いた覚えもあります。

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写真2 - 大学1年の頃に全てセルフビルドした東屋

3.ゲームエンジン、VRとの出会い

Oculus Rift DK2が発売されたとき、VRという技術に衝撃を受け、直ぐに購入しました。
アメリカから送られてくるまで、ワクワクが止まらず、すごい技術があると大学内で騒いでいました。
実際に届くと、私の培ったソフトの技術では扱えないことが分かり、更に燃えました。
当時、UE4が無料になった年でもあり、のめり込むようにゲームエンジンを触る日々を過ごしました。
建築のデータを欠落無く変換するために最適な変換方法を探ったり、テクスチャを変更したり、モデルを切り替えたりする機能を実装していきました。
開発の情報がほとんど無い中、手探りで始め、英語の文献を読み漁り、人生初のプログラミングを行いながら、1ヶ月後に人生初の建築VRを作り上げました。
直ぐにでも現場の方に見てほしくて、PCと機材を現場へ持ち込んで体験してもらい、共有とフィードバックを繰り返しながら、最高の現場支援建築VRを目指していました。

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写真3 - 現場でのVR確認

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写真4 - VRコンテンツ

4.建築家ではなく支援側へ

設計も好き、デジタルも好き、就活は二の次で、やりたいことにのめり込む日々が過ぎていきました。
当時お世話になった先輩と設計事務所の代表にこんなことを言われました。
「そろそろ就職だけど建築家は諦めるの?」
「大学院に行って建築家目指すの?それともVRを研究するの?」

建物を建てるだけが建築じゃない。
建つまでにもプロセスがあり、建った後も建築は必要になる。
皆と同じことをしても、 ”建築を変える” ことは出来ないと考え、テクノロジーから全てを支える本当の建築を作りたいと思い、就活を始めました。

当時、建築×VR といえば 積木製作 と言うくらい、調べたら直ぐに出てくる程有名でした。
コンテンツを見ると、圧倒されるほどのグラフィックスで、この会社で建築とVRを学びたい、技術を会得して建築支援をしたいと思いました。
実は、何度か落とされているのですが、諦めきれずに自作のコンテンツを持ち込んだり、アピールをして無事に入社となりました。


5.怒涛の開発環境とスキルアップ、常に楽しむ心

入社してからは圧倒的な技術の差に驚き、面白さを感じ、常にワクワクしていました。
学生で培った開発スキルは5%にも満たず、案件をこなすごとに、成長している実感があるくらい、過ぎる日々が早かったです。
VR製作だけではなく、持ち前のスキルも活かした、BIMやRhino+Grasshopperなどの設計支援業務も行い、マルチタスクで両立させながらこなしていました。
今思えば、Twitterなどでこの頃から発信していればよかったなと後悔するくらい、現在の環境は恵まれています。

1年を過ぎた辺りから、建築設計・施工の研究・開発のプロジェクトを任せてもらう事が多くなり始め、新しいデバイスや技術を使った開発を行うことが増えました。
常に新しい情報にアンテナを張り、リサーチと実証実験を繰り返し、毎日のように ”技術革新だ!” と騒いでました。
現場の方と議論をしたり、イベントにコンテンツを出展したり、自分のコンテンツが様々な人の目に触れる機会が増え、会社以外の人から声を聞くようになりました。
HoloLensが出たときも、この取り組みの一環で担当させて頂き、Microsoftからパートナー認定を貰うという、開発に対して自信に繋がることも起こりました。

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画像5 - MRPP

6.UnityとBIM

私の代表作でもある BIM ImporterとUnityJapanOffice。
BIMをゲームエンジンへ変換するのは相当大変な時代がありました。
今では、変換は確立され、直ぐにでも開発や体験ができる環境になっています。

当時、建築データを簡単に、欠落無く変換出来る事ができたらとんでもないことが起こると確信し、Unity様やDIX様へ話を持ちかけました。
凄まじい開発スピードと建築を拡張できる可能性に置いていかれないようにするのに必死でした。
結果として、ボタン一回ですぐに変換、学生でも30分あればVR開発出来るような環境を提供できました。
UniteTokyo(Unityの一大イベント)の登壇をキッカケに、様々な媒体に呼ばれることが増えました。

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画像6 - Unite Tokyo 2018

翌年にはUnityJapanOfficeを発表し、Unityの可能性を提示する最高のクオリティを皆さんと共有しました。
Unityを扱うユーザーから様々な意見をもらい、汎用的な機能を盛り込み、各種データ(点群、BIM、プロジェクトデータ)を全て公開しました。
今以上に、この技術を多くの人々が活用できる環境を提供することで、抱える問題を解決できる手助けになると思っています。


7.スペシャリストとアドボケイド(エバンジェリスト)

ご存じの方も多いのですが、私は2つの顔があります。
・積木製作でBIM/CIMソリューションを制作するスペシャリスト
・UnityTechnologyで建築業界を変えるプラットフォームを提唱し、業界へ浸透させるアドボケイド

積木製作では、CASEのチームを立ち上げ、BIM/CIMを軸とした設計業務の支援や、開発・研究のPoC制作、各業界へ建築データを活用したデジタルツインへの支援などを行っています。
CASEはリアルに建築を建てるために必要な技術を個々に備えているプロフェッショナル集団です。
パートナー企業も多く、日々、大きな課題を解決するために精進しています。
CASE: http://tsumikiseisaku.com/case/

Unityでは、建築の技術を加速させるソリューションや基盤を紹介したり、大規模プロジェクトのプロジェクトマネジメントを行ったりしています。
コミュニティを運営していたり、建築学会やUnityが主催するUnityStationという生放送にも出演しています。
https://learning.unity3d.jp/speaker/issei-takeuchi/

はい。
実は、恵まれたことに、好きなことを仕事に出来ています。

日々、考えることも変化しますが、自分の環境を楽しめるのが一番です。
私達が扱う技術は、具体的な解決法が見えない世界での葛藤があり、周りに理解されないことで孤独になる人も多いです。
最近では建築×ITのコミュニティが増え、同じ境遇の人とコミュニケーションが取れる場が増えてきました。
私は、同じ志を持った仲間、企業間を超えたチーム、常に向上できる環境こそ、建築を変える原動力になると思っています。
若い力が求められている中で、私はこの一部、いや皆が繋がれるハブになります。
ぜひ、楽しむことを忘れずに、変化を恐れずに、日々を過ごしましょう。

一方的に、私の自己紹介をしました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。


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