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内田百閒全作読破【旺文社文庫編】

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スローペースで挑戦する一人企画です。
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いい感じの“アウトプット”、してえなぁ……。  そんな身もふたもない欲望を抱えた2022年。ちょっとした思い付きから好きな作家の作品を(ほぼ)全点読める状態へ揃え、うっかり「全作品を順に読んでnoteに感想をアップする」という無謀な企画を始めてしまいました。まだ2冊しか書いてないです。  亀の歩みですが楽しくやっております。  しかしnoteでは長文で書けるのがいいところなのですが、もっと一発でインパクトのある……ビジュアル的な……Twitterで遠くまで届くような……そ

【全作読破第2回】『百鬼園随筆』をよむ。

 みなさん内田百閒はお好きですか。私は大好きです(しってる)。  前回から間が空きましたが、内田百閒全作読破第二回、始めます。 企画趣旨はこちらからどうぞ。  前回の記事はこちら。 第2回は『百鬼園随筆』です。  1933(昭和8)年、三笠書房刊。内田百"間"は45歳。  前回お話しした通り、鬱屈した生活から逃れるため、短い小説をまとめて世に出した創作集『冥途』(1922(大正11)年)は評判も上がらず、しかも翌年の関東大震災で印刷のための紙型が焼けてしまいます。  

【全作読破 第1回】『冥途』をよむ。

 みなさまこんにちは。内田百閒全作読破、ようやく本編を始めます。  企画の説明はこちら。月に一〜二回更新できればいいなという、これから年単位かけるつもりの計画です。さて、それではいってみましょー! 第一回目は、創作集『冥途』です。  大正11年(1922年)2月、稲門堂書店刊行。内田百“間”は33歳。今からちょうど100年前です。短編小説…と言うにも少し尺が短いような、文庫本にして各編3〜12ページ程の話が18本収められています。  内田百閒は『冥途』に始まる。初の単

「内田百閒全作読破【旺文社文庫編】」始めます。

はじめにごあいさつ。  こんにちは!内田百閒が好きな一介のオタクです!!  皆さまご存知ですか、内田百閒。岡山生まれ漱石門育ち、独特な世界を持った小説を書いたり軽妙洒脱な随筆をたくさん残したり、借金をしたり前借りをしたりひたすら借金の利子を返し続けたり箏を弾いたり飛行機に乗ったり汽車に乗ったりええと…とにかくサクッと紹介するには要素が多い、キャラ立ち特濃の大変面白い作家です。  そんな百閒先生は81歳で亡くなるまでにおおよそ49冊(編纂本を除く)の単行本を出しております