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会社に勤めるのを諦めようと思う件(社会に馴染めない人へ応援エッセイ)

どうやら、会社という組織が私には向いていないらしい。
向いていないらしい、という言葉からわかるとおり、私も会社に”ちゃんと”所属してきた過去がある。
でも、どうしても無理なのだ。

具体的に嫌だった理由を振り返ってみる。
黄色やボーダーなど社内で「派手」とされる服は禁止、袖が透けた服は2年目からOKという謎ルール、上の立場の社員が権力にモノをいわせてズルする風潮、満員電車の通勤、仕事が暇でも終業時間まで仕事するフリをしないといけない風潮…
ナンデっ?!と納得できないことが多すぎる。
「それが会社ってもんだからさ。頑張ろうぜ♪中堅より。」と言われても、腑に落ちない。それが会社だとしても私のなかでは消化できないんです、目が死んでしまいます。と融通の利かない当時の新米社員は思うほかなかった。

ただ1つ申し上げておきたいのは、こんな私も大学生のころ真剣に自己分析をし、当時ベストだと思える会社に就職し、社会に貢献したい!会社で必要不可欠な人材になりたい!会社で活躍したーい!とキラキラした目で熱い思いをもって入社したことだ。
正直なところ、仕事以外のところでつまづくとは思っていなかった。

しかし他に仕事のあてがあるわけでもなく、転職の際有利になるかと思ったこともあって、結局3年ほど勤めた。勤めている間、同僚や上司のことは好きで飲み会も楽しかったが、どうしても「このままでいいのか…?」という疑問をぬぐえなかった。人並みに仕事はできたが、自分が数十年かけて取り組むべきこととは思えず、向くべき方向を間違っているのではないかと思いながら無理やり納得して仕事をする自分が情けなくなって、涙したこともあった。

そのときふと「世の中の人はどうしているんだろう。自分の好きなことをやって生きている人に話を聞けば何か気づきを得られるかもしれない」と思い、インタビューマガジン「 Live Now」を立ち上げた。好きなことを仕事にしている人や夢を追いかける人に取材をし、記事を書いた(気になる方は私のクリエイターページに飛んでいただけると読めるので、ぜひに)。
取材・執筆をするうちに、書くことに携わった仕事をしてみたいと思うようになり、編集業界に転職することにした。

転職するとき、周りの人にそれは大いに反対された。
今の会社は安定していてお給料も人もいいんだから。
楽しくないって言うけどそんな社会は甘くないぞ。
わかってます。重々わかってますけど、このままだと私は歪んだ自分のまま、毎日しょんぼりした背中をして生きることになるんです。目が死んでしまうんです。自分の可能性に挑戦してみたいんです。そう思うと周りの意見は聞いていられなかった。そうして私は夢を追って会社を辞めた。

転職先の仕事は大好きな編集・ライティングの仕事で、本当にとっても仕事が楽しかった。企画を考えたり取材したり記事を書いたり、毎日充実していた。
私服OKの会社だったので、前の会社では絶対にNGだったジーパンや派手な色の服を着てドヤ顔で出社し、誰に対するでもない優越感に浸っていた。
ところがある日を境に体調が悪くなり、雲行きが怪しくなった。手足が鉛のように重くなり、蕁麻疹ができ、そのほか腰痛、頭痛、不眠、不安感…とにかく身体のあらゆるところに不調が現れた。そのたびに内科、皮膚科、形成外科など症状に合わせた病院へ行ったがこれといった原因が見当たらず、改善しないまま仕事に行けない日が続いた。
ある日社長の助言で心療内科を受診することになり、テストを受けた。テスト項目のうち、「死にたいと思う」という項目に〇を付けていた。心療内科は先生も看護師さんも優しかった。
テストの結果、対人関係が主な原因のストレス性鬱だった。会社に報告ししばらく休職させてもらったが、その間に復帰できずにまた会社を辞めた。これは本当に悲しかった。

さて、そんなこんなで1年以上仕事ができない状態が続き、私は今無職である。
やっちまったな~、完全にコレ社会からはみ出てるよな~と思いつつも、仕事だと割り切れない性格の私や精神的に強くない私を考えたとき、然るべきスタート地点に戻ってきたんだと納得してもいる。

今だからこんな状態の自分を肯定できているものの、仕事のできない…いや何もできない自分を認められるようになるまでに時間がかかった(1年半くらい?下手したらもっとかもしれない)。鬱のときは好きだったはずの「書く」こと、映画、その他何にも興味がなくなり、毎日生きる意味がわからなかった。ぼーっとしては横になり、気づいたら日が暮れる日々の繰り返しだった。いっそのこと消えてしまえばいいと何度も思った。

そんな私もたくさんのお休み期間を経て、たくさんの人の助けを借りて、いまこうやって再び書くことができている。ヨガをしたり写真を撮ったりおしゃれを楽しんだり、自分らしく生きることができている。あのとき消えていなくて本当に良かった。

だから今もし社会の枠から外れて悩んでいる人や、うまくいかなくて自分を責めている人がいても、大丈夫。全然焦らなくていい。むしろマイペースがいい。あなたはこれまで十分頑張ったはずだから。世間が言う「一般的に」とか、そんなことも気にしなくていい。みんながそれぞれの形で頑張っているのだから、一概に枠組みを決められるわけがないのだ。
大切なのは自分らしく幸せに生きる道をこれから見つけることであり、自分はどうしたいのか、その答えをゆっくり探していけばいい。

紆余曲折あり、私はやっと将来を考える段階まで回復してきた。ただ、今後を考えたときどうしても会社で働く自分が想像できなくなったので、もう会社に所属するのは諦めようと思っている。いや、こう書くとネガティブだから、会社に所属する選択はしないでおこうと思っている。
具体的な答えはまだ見つかっていないが、今は1つやってみたいことがあるので、今度はそれに挑戦しようと思う。うまくいかなかったとしても、少なくとも1つ選択肢を消せたわけだから意味はある。次はそれ以外の選択肢を試すだけだ。人生はなんてシンプルなんだろう。
私たちはみんな生きているだけで偉い。働いているなんてもっと偉い。
そう毎日自分を大褒めして生きていこう。


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