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1手詰から始めるフェアリー超入門 強欲編1

相当久しぶりの更新になってしまいました。
今回は 強欲 です。過去の記事は下記の目次からご参照ください。

ルール

強欲は、駒を取れるときは取らなければいけないというルールです。

【強欲】
駒を取る手を優先して着手を選ぶ。
[補足]
攻方の王手義務、受方の王手回避義務はこの条件に優先する。従って、攻方は合法的な王手の中から駒取りの王手を優先して選び、受方は合法的な着手の中から駒取りの着手を優先して選ぶ。

WFP作品展登場ルールのまとめ

早速ですが、具体例でルールを確認しましょう。下図は強欲協力詰 3手です。

強欲協力詰 3手

通常ルールの場合、初手に指せる王手は下記の通りです:
・12と
・32と
・22と
・22桂成

強欲ルールでは、攻方は駒を取る王手ができるときはそれを指さなければいけません。「12と」と「32と」は駒を取る王手で、それ以外は駒を取らない王手です。
・12と:駒を取る王手
・32と:駒を取る王手
・22と:駒を取らない王手
・22桂成:駒を取らない王手

したがって、攻方は「12と」と「32と」のどちらかしか指せません。どちらを指すかは選ぶことができます。正解は12とです(左下図)。

12と、同玉

12とに対し、通常ルールなら同玉と31玉の2択ですが、強欲なので駒を取れるときは取る必要があります。よって、同玉と指すしかありません(右上図)。22金と打てば詰みとなります。改めて解答を書くと、「12と、同玉、22金 迄3手」です。

12と、同玉、22金 迄3手

強欲は着手に優先順位を付けるルールのひとつです。優先順位の付け方を図示すると下記の通りになります。①の着手が存在するときは①の中から手を選び、①の着手が存在しないときは②の中から手を選びます。

別の例を見てみましょう。下図も強欲協力詰 3手です。

強欲協力詰 3手

初手に指せる王手は33歩成と33歩生しかありません。どちらも駒を取らない着手です。上図で25飛は駒取りですが、王手ではないので指せません。駒を取る王手が存在しないので、駒を取らない王手を指すことができます。

33歩成と指してみましょう(左下図)。それに対し、受方は玉を逃げるしかありません。21玉・31玉・41玉の3択です。駒を取る合法手が存在しないため、駒を取らない手を指すことができます。例えば31玉と指した場合、右下図になります。

33歩成、31玉

通常ルールなら32と指せば詰みです。しかし、右上図では「22と」という駒を取る王手があります。この場合 32と を指すことはできず、22と と指さなければいけません。3手で詰ますことができませんでした。

初手は33歩成と33歩生の2択でしたが、正解は33歩生。歩を成らなければ、2手目31玉に対して32歩成と指すことができます。なぜならば、左下図で駒を取る王手が存在しないからです。

駒を取らざるを得ない状況を回避するための初手歩不成でした。

いつもは1手詰の練習問題を出していますが、流石に1手詰では強欲らしい手順を実現できません。そのため、今回の練習問題は3手詰とします。

例題

強欲協力詰 3手

左上図は 33銀生、13玉、24金 迄の3手詰です(右上図)。
初手に可能な駒を取る王手はないので、駒を取らない王手を好きに指すことができます。通常ルールなら23銀生、13玉、14金という手順も考えられますが、3手目は12銀成という駒を取る王手があるので14金は指せません。初手は33銀生が正解です。2手目は駒を取る13玉に、24金と打って詰みとなります。

練習問題(3手)

以下は、強欲協力詰 3手10題です。解答は次回の記事に記載します。

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