1手詰から始めるフェアリー超入門 ライフル編1
今回は ライフル です。過去の記事は下記のマガジンをご参照ください。
ルール
ライフルは、キルケやアンチキルケ、PWCと同様に、駒取り時に通常ルールとは異なる駒の移動が発生するフェアリールールです。
上記のルールは大雑把にいうと下記の通りです。
駒取りの場合……
$$
\def\arraystretch{1.2}
\begin{array}{l|l}
\small{キルケ} &\footnotesize{取られた方の駒が実戦初形の位置に戻る} \\
\hline
\small{アンチキルケ} &\footnotesize{取った方の駒が実戦初形の位置に戻る} \\
\hline
\small{ライフル} &\footnotesize{取った方の駒が元の位置に戻る} \\
\hline
\small{PWC} &\footnotesize{取られた駒は取った駒が元いた場所に戻る} \\
\end{array}
$$
ルールの詳細は下記の通りです。
具体的な局面でルールを確認していきます。
下図で、金を香で取る手を考えてみましょう。
まず、金は先手の駒台に移動し、16香は13の地点に移動します。13は可成地域なので、成生が選べます。成を選んだとします。
その後、13成香が16の地点に戻ります。ここまでを一手とみなします。
上記の手は 13香成/16成香 と表記します。
もし成ではなく不成としていれば、下図のように王手となります。
着手前後の局面を比べると、13金を先手の駒台に移動しただけに見えます。ライフルルールは、「その場に居たまま利きにある駒を取れる」と解釈することもできます。
ライフルでの詰みのパターンを考えてみましょう。ライフルはかなり詰ましにくいルールです。
例えば左下図は攻方が22金と打った局面ですが、構わず 同玉/21玉 と王手を外すことができます(右下図)。
しかし、ライフルルールは受方に味方するばかりではありません。
左下図は攻方が12歩成とした局面です。通常ルールなら21銀が受けに利いているので詰んでいませんが、ライフルでは詰んでいます。12とを銀で取ろうとすると、同銀/21銀 のように21の地点に銀が戻るため、玉が香の王手にさらされてしまいます(右下図)。
ライフルルール下で詰みの局面であるためには、王手する駒が玉で取られても王手が継続するか、そもそも王手する駒が玉で取られない必要があります。そう考えると、ライフルルールでの詰みの形は以下の4通りしかないことが分かります。
両王手
王手駒を線駒が支える
吊るし桂
線駒の離れた位置からの王手に合駒ができない
それぞれ、具体例は下記の通りです。ただし、4番目は受方に持駒がない設定です。
例題
ライフル協力詰 1手
左上図は 11桂成 迄の1手詰です(右上図)。
成桂と33角での両王手になっています。成桂を取ることも13角を取ることもできません。
練習問題(1手・3手)
1手のライフル協力詰を10題用意するのは無理があったので、1手を4題、3手を6題としています。解答は次回の記事に記載します。
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